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雨の立ち往生
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「強くなってまいりましたね」
馬車で走る道中、窓のカーテンをかき分け、アマリアは外の様子を見た。
雨脚は弱まるどころか、また強くなってきたように見えた。
「ああ。だが雷はないから大丈夫だろう」
フレイディはそのように言い、だからこそ帰ると言った理由であった。
雷が落ちてくるような雨であったら、流石に仕事があっても泊まっただろう。
だが今のところ、その気配はないのでその点は安心そうであった。
「雨は不安かい。少し冷えるし、俺に寄りかかっていて良いよ」
ちょっとからかうように言われて、アマリアは少しどきっとしてしまった。
でもすぐに言い返す。
「怖くなどございませんわ。子供ではありませんのよ」
雨が降ると不安など、子供扱いされたように感じたのだ。
でもそれは少し違っていたらしい。
フレイディは小さく笑う。
「はは、そういうつもりではなかったのだけどね」
そしてなにをするかと思えば、手が伸びてきた。
アマリアの右手にフレイディの左手が乗る。
今日は正装なのだから白手袋をした手は、手袋越しでもあたたかさが伝わってきた。
今度は違う意味でどきんと胸が高鳴った。
馬車で走る道中、窓のカーテンをかき分け、アマリアは外の様子を見た。
雨脚は弱まるどころか、また強くなってきたように見えた。
「ああ。だが雷はないから大丈夫だろう」
フレイディはそのように言い、だからこそ帰ると言った理由であった。
雷が落ちてくるような雨であったら、流石に仕事があっても泊まっただろう。
だが今のところ、その気配はないのでその点は安心そうであった。
「雨は不安かい。少し冷えるし、俺に寄りかかっていて良いよ」
ちょっとからかうように言われて、アマリアは少しどきっとしてしまった。
でもすぐに言い返す。
「怖くなどございませんわ。子供ではありませんのよ」
雨が降ると不安など、子供扱いされたように感じたのだ。
でもそれは少し違っていたらしい。
フレイディは小さく笑う。
「はは、そういうつもりではなかったのだけどね」
そしてなにをするかと思えば、手が伸びてきた。
アマリアの右手にフレイディの左手が乗る。
今日は正装なのだから白手袋をした手は、手袋越しでもあたたかさが伝わってきた。
今度は違う意味でどきんと胸が高鳴った。
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