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私の知らない貴方

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「ええ。お父様に御用があったので、ついでにレオンと遊びに来たの。ね、レオン」

 レオンのかたわらにしゃがみ、頭を撫でるフィオナ。

 レオンもフィオナが大好きなのだ。

 気持ちよさそうにフィオナの手に頭を擦り寄せて、目を細めている。

 アマリアはその様子を見て、くすっと笑ってしまった。

 フィオナはフレイディに負けず劣らず、犬好きだ。

 結婚していった家でも何頭か犬を飼っているのだという。

 血筋なのか、単に幼い頃から犬が近くにいる環境だったからか……どちらかだろう。

「レオンさんもお義姉さまがいらして嬉しそうです」

 素直にフィオナに甘える様子を見れば、明らかだった。

 その通りのことを口に出したのだが、フィオナは自信満々に言う。

「それはそうよ。レオンのこと、今でも大好きだもの。今は毎日会えないのが寂しいくらいよ」

「そうですよね」

 その言い方がおかしくて、アマリアはまたくすくすと笑ってしまったのだった。

「フィオナ、貴女もお茶をいかが?」

 あずまやの奥から、やはり笑顔でこちらを見守っていたジェシカが誘ってきて、フィオナはそちらを見る。

「お久しぶりです、おばあさま。ええ、是非お邪魔したいです」

 それでフィオナも交えてお茶になった。
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