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初夜は甘くて、ほろ苦く……?

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 言われたことは、引き留めるものではなかった。

 アマリアはほっとする。

 それで手を取られて、フレイディの部屋を出た。

 アマリアの部屋までは少し歩くのだ。

 夜中なので、ほとんど会話はせず、静かに廊下を歩いていった。

 アマリアの部屋に着いて、ドアを開けたとき、フレイディは「おやすみ」と言ってくれた。

 しかし、そのとき改めてアマリアの手を取ってくる。

「絶対に俺のことを好いてもらうからね。帰るなど言わせないほどに」

 宣言のように手を持ち上げられて、手の甲にくちづけられる。

 アマリアは戸惑って、なんと返事をしたものかわからなくなったが、その前にフレイディがそっと手を離してきた。

「では、おやすみ。また明日ね」

「はい……、おやすみ、なさいませ」

 それで帰っていってしまった。

 アマリアは静かに挨拶をして、その後ろ姿を見送る。

 見えなくなってから、アマリアは部屋に入り、ドアを閉めた。

 今度こそ眠ろうと、ベッドのあるほうへ向かう。
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