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溺愛の予兆……?

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「駄目かい」

 フレイディが少し小さくなった声で、どこか甘いような響きで言い、そっと顔を寄せてきて、アマリアの羞恥は限界に達した。

 パンっとフレイディの手を振り払う。

 フレイディがちょっと顔を引き、目を丸くした。

「駄目ですっ!」

 きっぱり言った。

 心臓の鼓動は収まらないけれど、それでもフレイディを、きっと睨んだ。

「私はあくまで肖像画を描きに参りましたのよ! 本当の夫婦ではないのですから、駄目に決まっております!」

 更にきっぱり言った。

 だって、好き合って結婚するわけではないのだ。

 そのようなこと、する可能性なんてアマリアの意識にはまったくなかった。

「なんだ、そういうつもりか……」

 フレイディの眉が下がった。

 残念だ、惜しい、という表情になり、でも一応、手は下ろしてくれた。

「なんだと思っておられましたの!?」
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