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フレイディの不思議

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「さ、できましたよ。そろそろ毛先を切ったほうがよろしいかもしれませんね。少々パサついてきてしまいましたし、少し切ったほうが美しく伸びますから」

 ブラシを離して、アマリアの肩にぽんと手を乗せて、ハンナが終わりを告げる。

 アマリアは綺麗にとかしてもらった髪に、そっと触れた。

 丁寧に洗ってもらったうえに、念入りにブラッシングまでしてもらったのだから、つやつやになっている。

「そうね、じゃ、今度お願い」

 傷んでいると言われたのはよくわからなかったけれど、自分よりもハンナのほうが詳しいに決まっている。

 アマリアは素直にそう言った。

「かしこまりました。では、お支度をしてまいりますね」

「ええ」

 ハンナは笑顔で受けて、そして次の支度、最後の寝支度を整えると言って、出ていった。

 アマリアは一人になる。

 まだ閉めていない窓の外には月が見える。

 先日、新月だったので、まだ月は細かった。

 猫の爪のような形をしている。

 恋事、ねぇ。

 なんとなく、さっきの話題を反芻してしまった。
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