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小さな『嬉しいこと』

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 ブラウニーを作った二日後、月曜日のこと。
 美久にとって小さな事件があった。
 事件、というのは正しくないかもしれない。
 とても喜ばしいこと、だったのだから。
 珍しく文芸部に全員収集がかかった。
 美久はすぐ理由に思い至った。それでどきどきしつつ部活へ向かって、そしてその『喜ばしいこと』を聞いたのだ。
 胸が熱くなってしまうような、それ。
 快に真っ先に報告しようと思った。
 けれど、少し考えて美久はそれをやめておくことにする。
 もう少しあとにしよう。
 あと数日。
 一番いいだろうタイミングがあるから。
 あと数日後に、だ。
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