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伴侶と仕事と選択と
②
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「あ、ああ……? 前からそうじゃないのか?」
心身共に大人になったことは知っていた。
ノアを抱くことができるように、体が大人になっただけではない。
あのときよりもはるかに、心も立派に大人のそれになったこと。
もう知っている。
けれど改めてそう言われる意味はよくわからなかった。
「あのね、大人の狼男はこのままコミュニティにはいられないんだ」
「……え?」
それは初めて聞く話だった。
コリンはひとつずつ説明してくれる。
「大人になったオスの狼男は、生まれ育ったコミュニティを出ないといけないんだ。それが一人立ちするってことだから」
「それで、育った場所を出て別の土地へ行くことになる。オレはもうすぐここの縄張りにはいられなくなるんだ」
噛んで含めるように言われた。
おそらく自分に言い聞かせている意味もあるのだろう。
コリンのその言葉、様子、そして言われている事実。
すべて、ノアを驚愕させるにはじゅうぶんなことだった。
そこからコリンが言いたいこと、望んでくれていることがわからないはずがなくて。
包んだノアの手をぎゅっと握って、コリンはそのとおりのことを言った。
「だからノアにも来てほしい。オレと結婚して別の土地へきてほしい。一緒に暮らそう」
心身共に大人になったことは知っていた。
ノアを抱くことができるように、体が大人になっただけではない。
あのときよりもはるかに、心も立派に大人のそれになったこと。
もう知っている。
けれど改めてそう言われる意味はよくわからなかった。
「あのね、大人の狼男はこのままコミュニティにはいられないんだ」
「……え?」
それは初めて聞く話だった。
コリンはひとつずつ説明してくれる。
「大人になったオスの狼男は、生まれ育ったコミュニティを出ないといけないんだ。それが一人立ちするってことだから」
「それで、育った場所を出て別の土地へ行くことになる。オレはもうすぐここの縄張りにはいられなくなるんだ」
噛んで含めるように言われた。
おそらく自分に言い聞かせている意味もあるのだろう。
コリンのその言葉、様子、そして言われている事実。
すべて、ノアを驚愕させるにはじゅうぶんなことだった。
そこからコリンが言いたいこと、望んでくれていることがわからないはずがなくて。
包んだノアの手をぎゅっと握って、コリンはそのとおりのことを言った。
「だからノアにも来てほしい。オレと結婚して別の土地へきてほしい。一緒に暮らそう」
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