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月と愛が満ちる夜(R18)

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「コリン」
 声をかけると顔があげられた。ノアは手を伸ばした。
 少しためらったものの、コリンの下肢に触れる。擦りつけられていたものが手に当たった。
「う……っ、や、ノア」
 張り詰めていたところを触れられてコリンが小さく呻いた。
「つらいだろう。……触っていいか」
 まだ入り口なのにこんなになってしまっていては。
 思いついたのは先に触ってやることだった。
 ノアはコリンと違って過度に興奮を煽られることはないので先に触ってやってもいいだろう、などと思って。
「さ、触るって」
 起き上がって、逆にコリンを座らせて脚の間にうずくまる。
 ズボンは紐で留められているようだ。
 ほどいて前を開けた。
 張り詰めたものがノアの視界に晒される。
 月明かりだけではノアにはうっすらとしか見えないのだが。
「う、……なんか、恥ずかしいよ……」
 ノアが見ているのは鮮明に見えるのだろう。コリンの声は濁った。
 きっと顔も赤いのだろうと思う。
 他人のこういうところは初めて見るのでノアのほうもどきどきしてしまう。
 しかしためらっていても仕方がないので、はっきりと反応したものをやわく掴んで擦っていった。
 男の身だ、自分のものを扱いたことは何度もある。
 むしろ定期的におこなっているのだから。
 それと同じにすればいい。
 擦って扱いて、撫でてやるとコリンの甘い声が零れた。
「ふぁ……っ、は、ぁ……、の、あ……っ」
 ノアの髪が掴まれる。力を入れないように耐えているのがわかった。
 こういうときは口でしたらいいのだろうか。
 ふと頭によぎったが流石にそれは抵抗があった。
 初めてなのだしとりあえず手だけでということにして、ノアはコリンのものを刺激していく。
 コリンが押し上げられるのはすぐだった。
 興奮しているうえに慣れていないのだ。当たり前だろう。
「あ、ノア……っ、はな、し……」
 達しそうだと髪を軽く引っ張られたが、ここで離しては意味がない。
 ノアはむしろ手を速めた。
「いいぞ。このまま」
「え、あ……、だ、め……っんん!」
 びくびくっとそれが跳ねて、液体を吐き出す。
 同時に快感の声が上から降ってきた。
 ちゃんと達してくれたことにほっとする。
「はー……っ」
 息がつかれて、それは満足した、という気持ちが全開だったのでなんだかかわいらしかった。
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