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次回の発表会は……

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「ねぇねぇ、今度の発表会の役、そろそろ出るよね」

 レッスン後の掃除当番も終わって更衣室に入ると、先に着がえていた子たちがそんな話題で盛りあがっていた。

 そういえばそんな時期。


 バレエ教室の発表会は、二年に一回開かれる。

 踊れるのは二本。

 ひとつは大きな作品の登場人物として一本、もうひとつは小品集などのそれだけで終わるタイトルを一本、というのが定番だそう。

 莉瀬が四年生だったときは開催されない年であったから、初めて出たのは五年生のときだ。

 というか、まだその一回しか出ていないのであるが。

 それでもその、ただ一回の発表会の記憶は楽しいものだった。


 なにしろ初めて舞台の上に立つのだ。

 バレリーナだ。

 いくら、初心者だろうとも。


 習いはじめて一年もたっていなかった莉瀬は、当然のように『バレリーナ』といっていいような、はなやかな役はもらえなかったけれど。

 おまけに同じクラスの小さい子たちと、混ざることもできなかった。

 身長が違いすぎて、一緒に入ると見た目のバランスが、悪すぎるのだ。
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