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バレエ教室

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 そして莉瀬は一年ほどひよこクラスにいたのだが、そこからは早かった。

 Dクラスはしっかり通ったものの、六年生の秋には今のCクラスに入ることができたのだから。

 それは莉瀬の練習のたまものであっただろう。

 本来であれば、Cクラスのレッスンは週に一回か二回。

 火曜日と土曜日だけだ。

 両方通っている子もいるけれど、だいたいの子はどちらかの一回だけ通っている。

 でも莉瀬は週に三回通わせてもらっていた。

 先生に教えてもらう、レッスンがあるのはどのクラスも週に二回だ。

 時間や曜日をずらして、クラスごとに週二回の割りふり。

 けれど教室は毎日解放されているので、空いている時間に自主練習はできる。

 乙津バレエスタジオを取りしきっている『乙津先生』は、最初に教室を訪ねたとき対応してくれた中年の女のひとである。

 バレリーナではないが時々、よその発表会などに参加することもあるバリバリの現役。

 その体は細くもしっかりと筋肉がついていて、同年代の女のひと、莉瀬のお母さんくらいの年のひととは、比べものにならない。

 そんな乙津先生と、助手であるまだ若い見習い先生二人が指導役だった。

 乙津先生はレッスンのある日はたいがいメインで教えてくれるのだが、自主練習用にスタジオがあいている日だけは、助手の見習い先生であるお姉さんだけがいる日もある。

 レッスンの日に習ったことを一人でもくもくと復習することもあるが、見習い先生に見てもらうこともあった。

 そんな自主練習の日を莉瀬は木曜日と決めていた。

 都合が悪ければ別の曜日にするけれど。

 でも学校の部活もあるのでずらすことはめったにない。

 ちなみに学校では書道部に入っていた。

 がっつり運動部に入ってしまうとバレエを週に三度も通うことなんてとても無理だ。

 体作りはバレエ教室に週三で通っていればじゅうぶんなので、学校では文化部扱いになる、書道部にしたわけだ。


 今日、学校から直行した日は火曜日である。

 つまりレッスンを受けられる日。

 自主練習より当たり前だが楽しい日だ。
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