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謎の部屋着
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なのに秋木はなにもおかしいことはない、という様子で片方を俺に渡してきて、どさっと横に腰掛けてきた。
自分のぶんのペットボトルを開けて、ごくごくっとあおる。
俺も「いただきます」と小さな声で言い、ペットボトルの蓋を開けて、口をつけた。
当たり前のように、よく飲んでいる普通過ぎるお茶の味だった。
「風呂は入ってきたのか」
お茶をいくらか飲んだところで聞かれて、俺は「はい」と頷いた。
そこは抜かりない。
なにしろこういう仕事なのだから、事前にシャワーは常識である。
「そうか。だが蒸すからな、汗もかいただろう。一回入ってもらおうか」
「そうですか。では、はい」
要求に俺は頷いた。
確かにもう六月も終わり。
汗が気になるやつだっているだろう。
そのあとも「飯は?」「軽く食べました」というやり取りをしたけれど、俺は早々に風呂に追いやられた。
せっかちだな、と思えどホテルであったら普通である。
調子が狂うな、と思いつつ俺は教えられた風呂場へ入ったのだけどカゴに入った服を見て、ぽかんとした。
「服を用意したからそれを着てこい」と言われて、ああ、コスプレとかそういうのかな、なんて思ったのに。
カゴに入っていたのはまったく違うものだったのだから。
自分のぶんのペットボトルを開けて、ごくごくっとあおる。
俺も「いただきます」と小さな声で言い、ペットボトルの蓋を開けて、口をつけた。
当たり前のように、よく飲んでいる普通過ぎるお茶の味だった。
「風呂は入ってきたのか」
お茶をいくらか飲んだところで聞かれて、俺は「はい」と頷いた。
そこは抜かりない。
なにしろこういう仕事なのだから、事前にシャワーは常識である。
「そうか。だが蒸すからな、汗もかいただろう。一回入ってもらおうか」
「そうですか。では、はい」
要求に俺は頷いた。
確かにもう六月も終わり。
汗が気になるやつだっているだろう。
そのあとも「飯は?」「軽く食べました」というやり取りをしたけれど、俺は早々に風呂に追いやられた。
せっかちだな、と思えどホテルであったら普通である。
調子が狂うな、と思いつつ俺は教えられた風呂場へ入ったのだけどカゴに入った服を見て、ぽかんとした。
「服を用意したからそれを着てこい」と言われて、ああ、コスプレとかそういうのかな、なんて思ったのに。
カゴに入っていたのはまったく違うものだったのだから。
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