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第13話 熱海バケーション 後編
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「このロープウェイで登ると、熱海を一望できるらしいよ」
ミイナが山の上の方を指差して言った。
少し古めかしい建物のチケット売り場で往復券を買い、2階へ上がる。そのまま外と繋がっているのでなかなかに暑い。
一子が手をパタパタさせながら、大型の扇風機の動きに合わせてちょこまかとステップを踏む。
「お姉ちゃん。動いてたら余計に汗かくし、わたしたちに風が当たらないからジッとしてて」
「はいはーい……」
ロープウェイは15分程度の間隔をあけて行き来しているようだ。次の出発を待っていると、ちらほらと他の乗客が2階に上がってきた。
それを眺めながら、輝羅がミイナに小声で囁く。
「ねえ、ちょっと喉が渇いた。もうダメかも知れないわ」
「……ちょっと喉が乾いたくらいでダメで、よく今まで生きてきたねぇ。登ったトコでソフトクリームが買えるらしいよ。それで補給しよう」
「へー。結構ちゃんと調べてきたのね。私はミイナたちにお任せで、何にも知らずに来ちゃった」
「日帰りだからね。帰りの電車に間に合うように、ほら」
ミイナは手帳のメモ書きを見せる。気持ち悪いくらいにビッシリ、予定やらお店の名前やら土産物やらで各ページが埋め尽くされていた。
「ミイナってそんなキャラだったっけ? もっとこう、ホンワカというかボンヤリというか……」
「あっ、乗れるみたいだよ」
わざとらしくガクッと体を傾けた輝羅に微笑みかけて、ミイナは皆を呼ぶ。静かに座って待っていた麗と史緒里も立ち上がり、ゴンドラへ乗り込んだ。
一行と数名の客、係員が乗ったゴンドラは、ゆっくりと動き出した。
「なんかガタガタ揺れるなぁ」
ゴンドラ内を見ると、輝羅と史緒里の足がガクガクと震えていた。
「ま、まさか、キミたちは高い所が苦手なのかね?」
「冗談めかしく言わないでよ……。これくらいなら大丈夫だと思ったのに」
「ボクはきっと武者震いだろうね。この先の景観にワクワクが止まらないんだ」
「はいはい。麗ちゃん、史緒里ちゃんの目隠しヨロシク」
そう言ってミイナは後ろから輝羅の目を両手で塞ぐ。麗もミイナの真似をして、史緒里の視界を手で遮った。
ふたりの足の震えは止まり、ゴンドラ内に平和が訪れた。
一子が小さく息を吐いた。
「このくらいの高さでビビるなんて、星川も北川さんも可愛いわね」
ミイナが輝羅の後ろからひょこっと顔を出して笑う。
「イッチー、手が震えてるよ」
「そ、そそそそんなことないですけど?!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
展望デッキから眺める熱海の街と海は絶景だった。天気の良さも相まって、マリンブルーがキラキラと輝いている。
「すごーい。砂浜にいる人たちが米粒より小さいよ!」
「熱海ってこうやって見ると小さいんですね。結構歩いた気がしたのに」
手すりに体を預けて景色を眺めるミイナと麗を、遥か後方からまるで不気味なモノを見るように眺める輝羅と史緒里。
「なんであんなギリギリまで行けるの……」
「フッ。ボクは敢えてここいるんだけど。敢えて、ね」
そして一子は両手をグッと握りしめ、ズンズンと展望デッキの端まで歩いていく。
「大丈夫、大丈夫。手すりがあるんだもの。熱海は私の腕の中!」
そう言って手すりに手をかけようとしたが、勢い余って宙を掴む。
一子の体は手すりを乗り越えてその向こう側へと飛び出しそうになる。
「何やってんの!!」
ミイナが一子の浮き上がった腰に腕を回して引き留める。
「お姉ちゃん!」
遅れて麗も、今にも飛び立ちそうな姿勢の一子の左足にしがみついた。
ふたりで一子を手すりの内側に引っ張り、危うく綱なしバンジーになりそうだった一子をこちら側の世界へ戻すことが出来た。
倒れた格好のまま、麗が一子を抱きかかえる。
「お姉ちゃん、まだ16だから! 死ぬのは100歳くらいになってからね!」
「ず、ずいぶん長生きさせるのねぇ……」
若干生気を失った表情のまま、一子は口端を上げた。
輝羅と史緒里が駆け寄って来る。
「大丈夫?! イッチーさん!」
「もっさんも麗くんも、怪我はないか?」
ぎゃあぎゃあと騒ぐ4人を見ながら、ミイナは呟く。
「この人たち、普通に観光出来ないのかな……」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ソフトクリームを買って日陰で食べ、ロープウェイで山を下りた。
高い所に慣れたのかさっきの騒ぎでキャラを忘れてしまったのか、輝羅と史緒里の足が震えることはなかった。
「成長したな」
「ミイナ、絶対私たちのことバカにしてるでしょ」
「たまにはいいじゃない。さ、さ。最後にお土産買って帰るよー」
バスで熱海駅前へ戻り、もう一度商店街へ。
史緒里が干物で悩んでいる間に、他4名はそれぞれ散らばって土産物を物色した。
ミイナは土産を買うついでに出来立ての温泉まんじゅうを単品で買って、頬張りながら歩く。フルーツサンドの店の前で、一子と輝羅が楽しそうに話しているのを見て、サッと物陰に隠れた。
「あれ? なんであたしが隠れなきゃいけないの」
気を取り直してふたりを通り過ぎ、麗を探すと、やっぱりシュークリームを食べていた。可愛らしい、幸せそうな顔である。
ミイナは麗の頭をそっと撫でた。
「なんですか、ミイナ先輩」
「まあ、なんとなく……」
麗が食べ終わるのを待って他のふたりとも合流し、史緒里のいるであろう場所まで戻る。
ミイナの予想通り、まだ史緒里は干物の前で悩み続けていた。
「史緒里ちゃん、そろそろ決めないと。電車の時間に間に合わなくなっちゃう」
「うーん。限られた予算の中で、最大の効果を生み出すにはどうしたら良いのかな。つまりどれにしたら父さんが喜んでくれるかってことなんだけど」
ミイナは手帳を出し、土産物について調べて書いてあったページを開く。
「ええと。ここで買うならやはり金目鯛だ、アジやサバも余裕があればって書いてある。多分ブログかなんかから写したと思うけど」
「やはり金目鯛か……。予算をはみ出すけど、父さんはきっと喜んでくれるだろうね」
心を決めて金目鯛の干物を買う史緒里。財布の中身を見て泣きそうになっている。
「帰りの電車賃、残ってる?」
「なんとかね。夏休みの間は大人しく過ごすことにしよう」
「えっ。お祭りも誘おうと思ってたのに」
史緒里は絶望したような表情でミイナの肩にポンと手を置く。
「問題ないよ、もっさん。ボクは何にも買わずに歩くから、さ」
「あたしが屋台で買いにくくなるよ。奢ってあげる」
一子が「お祭り」という言葉に激しく反応していたが、気にしないことにした。誘わなくても、気付けばいつの間にか傍にいるんだろうから。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
帰りの電車は結構な混み具合で、全員が立って窓の外の景色を眺めていた。
ふと、輝羅が思い出したように言う。
「こういう行事があると、誰かひとりはゲームのアイデアを閃くものだけど、今回はそういうことはなかったのね」
ミイナは軽く頷いて、窓の外を眺めたまま返す。
「まあ、今日はゲーム作りとは関係なく来てるし。また明日から頑張るよ」
会話を聞いていた麗が、ミイナの服をちょんちょんと引っ張った。
「わたし、いっこアイデアが浮かびました。山の上で」
「そうなんだ。どんなアイデア?」
一子が会話に割って入る。
「それは学校で聞くわ。なぜなら……」
麗が面倒くさそうに言い返す。
「どうせ字数がどうたら、とか言うんでしょ。はいはい次回、次回」
ミイナが山の上の方を指差して言った。
少し古めかしい建物のチケット売り場で往復券を買い、2階へ上がる。そのまま外と繋がっているのでなかなかに暑い。
一子が手をパタパタさせながら、大型の扇風機の動きに合わせてちょこまかとステップを踏む。
「お姉ちゃん。動いてたら余計に汗かくし、わたしたちに風が当たらないからジッとしてて」
「はいはーい……」
ロープウェイは15分程度の間隔をあけて行き来しているようだ。次の出発を待っていると、ちらほらと他の乗客が2階に上がってきた。
それを眺めながら、輝羅がミイナに小声で囁く。
「ねえ、ちょっと喉が渇いた。もうダメかも知れないわ」
「……ちょっと喉が乾いたくらいでダメで、よく今まで生きてきたねぇ。登ったトコでソフトクリームが買えるらしいよ。それで補給しよう」
「へー。結構ちゃんと調べてきたのね。私はミイナたちにお任せで、何にも知らずに来ちゃった」
「日帰りだからね。帰りの電車に間に合うように、ほら」
ミイナは手帳のメモ書きを見せる。気持ち悪いくらいにビッシリ、予定やらお店の名前やら土産物やらで各ページが埋め尽くされていた。
「ミイナってそんなキャラだったっけ? もっとこう、ホンワカというかボンヤリというか……」
「あっ、乗れるみたいだよ」
わざとらしくガクッと体を傾けた輝羅に微笑みかけて、ミイナは皆を呼ぶ。静かに座って待っていた麗と史緒里も立ち上がり、ゴンドラへ乗り込んだ。
一行と数名の客、係員が乗ったゴンドラは、ゆっくりと動き出した。
「なんかガタガタ揺れるなぁ」
ゴンドラ内を見ると、輝羅と史緒里の足がガクガクと震えていた。
「ま、まさか、キミたちは高い所が苦手なのかね?」
「冗談めかしく言わないでよ……。これくらいなら大丈夫だと思ったのに」
「ボクはきっと武者震いだろうね。この先の景観にワクワクが止まらないんだ」
「はいはい。麗ちゃん、史緒里ちゃんの目隠しヨロシク」
そう言ってミイナは後ろから輝羅の目を両手で塞ぐ。麗もミイナの真似をして、史緒里の視界を手で遮った。
ふたりの足の震えは止まり、ゴンドラ内に平和が訪れた。
一子が小さく息を吐いた。
「このくらいの高さでビビるなんて、星川も北川さんも可愛いわね」
ミイナが輝羅の後ろからひょこっと顔を出して笑う。
「イッチー、手が震えてるよ」
「そ、そそそそんなことないですけど?!」
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展望デッキから眺める熱海の街と海は絶景だった。天気の良さも相まって、マリンブルーがキラキラと輝いている。
「すごーい。砂浜にいる人たちが米粒より小さいよ!」
「熱海ってこうやって見ると小さいんですね。結構歩いた気がしたのに」
手すりに体を預けて景色を眺めるミイナと麗を、遥か後方からまるで不気味なモノを見るように眺める輝羅と史緒里。
「なんであんなギリギリまで行けるの……」
「フッ。ボクは敢えてここいるんだけど。敢えて、ね」
そして一子は両手をグッと握りしめ、ズンズンと展望デッキの端まで歩いていく。
「大丈夫、大丈夫。手すりがあるんだもの。熱海は私の腕の中!」
そう言って手すりに手をかけようとしたが、勢い余って宙を掴む。
一子の体は手すりを乗り越えてその向こう側へと飛び出しそうになる。
「何やってんの!!」
ミイナが一子の浮き上がった腰に腕を回して引き留める。
「お姉ちゃん!」
遅れて麗も、今にも飛び立ちそうな姿勢の一子の左足にしがみついた。
ふたりで一子を手すりの内側に引っ張り、危うく綱なしバンジーになりそうだった一子をこちら側の世界へ戻すことが出来た。
倒れた格好のまま、麗が一子を抱きかかえる。
「お姉ちゃん、まだ16だから! 死ぬのは100歳くらいになってからね!」
「ず、ずいぶん長生きさせるのねぇ……」
若干生気を失った表情のまま、一子は口端を上げた。
輝羅と史緒里が駆け寄って来る。
「大丈夫?! イッチーさん!」
「もっさんも麗くんも、怪我はないか?」
ぎゃあぎゃあと騒ぐ4人を見ながら、ミイナは呟く。
「この人たち、普通に観光出来ないのかな……」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ソフトクリームを買って日陰で食べ、ロープウェイで山を下りた。
高い所に慣れたのかさっきの騒ぎでキャラを忘れてしまったのか、輝羅と史緒里の足が震えることはなかった。
「成長したな」
「ミイナ、絶対私たちのことバカにしてるでしょ」
「たまにはいいじゃない。さ、さ。最後にお土産買って帰るよー」
バスで熱海駅前へ戻り、もう一度商店街へ。
史緒里が干物で悩んでいる間に、他4名はそれぞれ散らばって土産物を物色した。
ミイナは土産を買うついでに出来立ての温泉まんじゅうを単品で買って、頬張りながら歩く。フルーツサンドの店の前で、一子と輝羅が楽しそうに話しているのを見て、サッと物陰に隠れた。
「あれ? なんであたしが隠れなきゃいけないの」
気を取り直してふたりを通り過ぎ、麗を探すと、やっぱりシュークリームを食べていた。可愛らしい、幸せそうな顔である。
ミイナは麗の頭をそっと撫でた。
「なんですか、ミイナ先輩」
「まあ、なんとなく……」
麗が食べ終わるのを待って他のふたりとも合流し、史緒里のいるであろう場所まで戻る。
ミイナの予想通り、まだ史緒里は干物の前で悩み続けていた。
「史緒里ちゃん、そろそろ決めないと。電車の時間に間に合わなくなっちゃう」
「うーん。限られた予算の中で、最大の効果を生み出すにはどうしたら良いのかな。つまりどれにしたら父さんが喜んでくれるかってことなんだけど」
ミイナは手帳を出し、土産物について調べて書いてあったページを開く。
「ええと。ここで買うならやはり金目鯛だ、アジやサバも余裕があればって書いてある。多分ブログかなんかから写したと思うけど」
「やはり金目鯛か……。予算をはみ出すけど、父さんはきっと喜んでくれるだろうね」
心を決めて金目鯛の干物を買う史緒里。財布の中身を見て泣きそうになっている。
「帰りの電車賃、残ってる?」
「なんとかね。夏休みの間は大人しく過ごすことにしよう」
「えっ。お祭りも誘おうと思ってたのに」
史緒里は絶望したような表情でミイナの肩にポンと手を置く。
「問題ないよ、もっさん。ボクは何にも買わずに歩くから、さ」
「あたしが屋台で買いにくくなるよ。奢ってあげる」
一子が「お祭り」という言葉に激しく反応していたが、気にしないことにした。誘わなくても、気付けばいつの間にか傍にいるんだろうから。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
帰りの電車は結構な混み具合で、全員が立って窓の外の景色を眺めていた。
ふと、輝羅が思い出したように言う。
「こういう行事があると、誰かひとりはゲームのアイデアを閃くものだけど、今回はそういうことはなかったのね」
ミイナは軽く頷いて、窓の外を眺めたまま返す。
「まあ、今日はゲーム作りとは関係なく来てるし。また明日から頑張るよ」
会話を聞いていた麗が、ミイナの服をちょんちょんと引っ張った。
「わたし、いっこアイデアが浮かびました。山の上で」
「そうなんだ。どんなアイデア?」
一子が会話に割って入る。
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