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プロローグ
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私の名前は和泉悠里
幼い頃 ―― たぶん私が2~3才位の頃両親は離婚。
多感な思春期を奔放な母と共に海外で過ごした。
アメリカやカナダなど英語圏の北米を皮切りに
マレーシア&シンガポール、インドなどのアジア、
ドバイやトルコなどの中東の様々な国を転々とした。
なんて表現すると何か ”落ち着きない”みたいで
少し聞こえは悪いが
母・登紀子曰く ――
”諸外国の言葉や異文化を知るには幼少期からの
海外生活が最も手っ取り早い方法”
つまり 母流教育の一環 だそうで。
おかげで不自由なく使える言葉(言語)は
母国語の日本語の他、
英語・中国語(広東語)・ヒンディー語になったが。
そうそういつまでもこんな落ち着きのない生活を
続けるワケにもいかなくなって、
実父が再婚したのを契機に日本(東京)へ定住する事にし、
中学にも入った。
義母・祥子さんに加え、
麻子・紗奈という双子の姉妹が出来たのもこの時だ。
でも、私が高3の夏 ――
父や新しい家族との平凡だが穏やかな生活は、
唐突に終わりを告げた。
***** ***** *****
高校卒業後の身の振り方を再考するため訪れた
アメリカから帰国した時、
空港からの帰り道で交通事故に巻き込まれて
しまったのだ。
結果、迎えに来てくれた父と祥子さんが即死。
私は大破した車から幸い救出されたが満身創痍、
細々とした箇所を挙げたらキリがないくらい
体のあちこちがボロボロで、
意識不明の昏睡状態から目覚めたのは事故に遭った
1ヶ月半後だった。
そして、一番厄介だったのは
体の傷は時間の経過と共にある程度は癒えても、
事故の後遺症で軽度の記憶障害が残ってしまい
事故前後約1~2年の間に起こった事柄を
全く思い出せないでいた。
だから、自分が交通事故に遭い大怪我を負った事も
その事故で父と祥子さんが亡くなった事も
意識が戻った時初めて聞いてとてもショックを受けた。
その事(特に事故の事)についてはホントに
何ひとつ覚えていなくて下の妹・紗奈からけっこう
きつく責められた ――
『お姉ちゃんを迎えに行かなければお母さんとお父さん
事故に遭う事もなかったのに!!』
『2人が亡くなった事すら覚えてないなんて
お父さんとお母さんが可哀そう過ぎる』
って……ま、いくら言われても、どう責められても
思い出せない事は思い出せないんだから仕方がない、
としか言いようがなくて。
それでも”もしかしたら助けられたかも”って思って
毎晩寝る前に思い出そうとしたけど、やっぱり無理で。
そのうち眠れなくなった。
寂しいけど、知ってる人の傍にいると責められてるみたいな
気分になって、麻子や紗奈にも会わなくなった。
でも、独りぼっちは嫌なの。
取り柄といえばごく一般的な同世代の子達より
色んな外国語が喋れるって事くらいの私に
就ける割の良い仕事なんか皆無に等しくて ――
何十件目かのバイト面接が空振りに終わって
”もう、なるように成れっ!”って、
ほとんど投げやりな気持ちで道の端っこに
しゃがみ込んでた時、
声をかけてくれたのが新宿で『シャイン』って
キャバクラ他何軒かの風俗店を営んでる羽柴《はしば》
さんだった。
そんな羽柴さんのツテで初めてやった仕事(バイト)が
キャバクラでのキャバ嬢で ――
幼い頃 ―― たぶん私が2~3才位の頃両親は離婚。
多感な思春期を奔放な母と共に海外で過ごした。
アメリカやカナダなど英語圏の北米を皮切りに
マレーシア&シンガポール、インドなどのアジア、
ドバイやトルコなどの中東の様々な国を転々とした。
なんて表現すると何か ”落ち着きない”みたいで
少し聞こえは悪いが
母・登紀子曰く ――
”諸外国の言葉や異文化を知るには幼少期からの
海外生活が最も手っ取り早い方法”
つまり 母流教育の一環 だそうで。
おかげで不自由なく使える言葉(言語)は
母国語の日本語の他、
英語・中国語(広東語)・ヒンディー語になったが。
そうそういつまでもこんな落ち着きのない生活を
続けるワケにもいかなくなって、
実父が再婚したのを契機に日本(東京)へ定住する事にし、
中学にも入った。
義母・祥子さんに加え、
麻子・紗奈という双子の姉妹が出来たのもこの時だ。
でも、私が高3の夏 ――
父や新しい家族との平凡だが穏やかな生活は、
唐突に終わりを告げた。
***** ***** *****
高校卒業後の身の振り方を再考するため訪れた
アメリカから帰国した時、
空港からの帰り道で交通事故に巻き込まれて
しまったのだ。
結果、迎えに来てくれた父と祥子さんが即死。
私は大破した車から幸い救出されたが満身創痍、
細々とした箇所を挙げたらキリがないくらい
体のあちこちがボロボロで、
意識不明の昏睡状態から目覚めたのは事故に遭った
1ヶ月半後だった。
そして、一番厄介だったのは
体の傷は時間の経過と共にある程度は癒えても、
事故の後遺症で軽度の記憶障害が残ってしまい
事故前後約1~2年の間に起こった事柄を
全く思い出せないでいた。
だから、自分が交通事故に遭い大怪我を負った事も
その事故で父と祥子さんが亡くなった事も
意識が戻った時初めて聞いてとてもショックを受けた。
その事(特に事故の事)についてはホントに
何ひとつ覚えていなくて下の妹・紗奈からけっこう
きつく責められた ――
『お姉ちゃんを迎えに行かなければお母さんとお父さん
事故に遭う事もなかったのに!!』
『2人が亡くなった事すら覚えてないなんて
お父さんとお母さんが可哀そう過ぎる』
って……ま、いくら言われても、どう責められても
思い出せない事は思い出せないんだから仕方がない、
としか言いようがなくて。
それでも”もしかしたら助けられたかも”って思って
毎晩寝る前に思い出そうとしたけど、やっぱり無理で。
そのうち眠れなくなった。
寂しいけど、知ってる人の傍にいると責められてるみたいな
気分になって、麻子や紗奈にも会わなくなった。
でも、独りぼっちは嫌なの。
取り柄といえばごく一般的な同世代の子達より
色んな外国語が喋れるって事くらいの私に
就ける割の良い仕事なんか皆無に等しくて ――
何十件目かのバイト面接が空振りに終わって
”もう、なるように成れっ!”って、
ほとんど投げやりな気持ちで道の端っこに
しゃがみ込んでた時、
声をかけてくれたのが新宿で『シャイン』って
キャバクラ他何軒かの風俗店を営んでる羽柴《はしば》
さんだった。
そんな羽柴さんのツテで初めてやった仕事(バイト)が
キャバクラでのキャバ嬢で ――
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