上 下
30 / 83

29 何となく、急接近 ②

しおりを挟む

 ―― カチャ


 ドアを開けLDKへ出れば、ますますコーヒーのいい忍りに包まれた。


 出窓の方から風がフワリ、と吹き抜け ―― 私の髪も風にそよいだ。

 気持ち、い……

 その出窓の所で佇みコーヒーを飲んでいるのはルームメイトの幸作 ―― ではなく、 四十路過ぎの上司・三上。

 けど、1枚のブロマイドのような情景に、目も心も一瞬で奪われた。

 かっこいい……彼も私に気が付いた。


「あ、おはよ。昨夜はよく眠れた?」

「うん、1年分くらいはぐっすりと」

「そ。そいつぁ良かった」


 けど、彼は目の下クマになってるみたい。

 眠れなかったの? 

 あっ! ひょっとして、私のせい……?


「……どうかした?」


 私は何か不思議なチカラに引き寄せられるよう、彼の方へ歩をすすめた。
    
 私が辿り着くのを待ちかねたかのように、手が伸びてきて、私の腰に回り……ムギュー……


「もし嫌だったら突き飛ばしてもいい」


 あ、この声、好きかも ――

 三上さんから『また会えて嬉しかった』と言われたよう、私も彼と会えてすごく嬉しかった。


「私の方こそ、勘違いしちゃうかも……」

「勘違いって、たとえばどんな?」


 彼が喋る度、その吐息が耳元を掠め。何だかこそばゆい。


「……三上さんの、いけず……」

「っっ……」

「三上、さん?」

「ご、ごめん」

「って、何に?」

「ト、トイレはどこかな」

「えっと ―― あっちだけど」


 彼は私が示した小部屋(トイレ)に駆け込んでいった。

 変な三上さん……。
 
 
※※※※※     ※※※※※     ※※※※※  
 
 
 
 さてさて、トイレにこもった三上は、すぐさま、荒々しい手つきでチノパンと下着を一緒に下ろし、便座に腰掛ける。

 見ると、ソレはすでに猛っていた。

 絢音によってこんな風になってしまったと思うと不本意で、雑な手つきで欲望を握り締めて上下に扱く。

 ―― いつもより硬いように感じるのは気のせいだろうか?

 いや、気のせいであってくれ……。

 昨夜の絢音の醜態を思い出し、動かす手を止められない。

 ドクドクと脈打つソコは、硬さと質量を増していき先端は水気を帯びて動きがスムーズになっていく。


「はぁはぁはぁ ――」


 ――マジ、
 今朝の俺は本当にどうかしている。

 いつもなら、こんな早くにイクなんてこと……!

 『三上さん』

 初めてが絢音が自分の名前を呼んでくれた時の声が蘇り ―― その瞬間、果てた。

 欲望を吐き出して我に返った三上は、自分のした事が居たたまれなくなってくる。

 あまりのショックで、膝に手を置いて項垂れたまましばらく動けなかった。

 こんな朝っぱらに、彼女オカズにヌくなんて……っ!

 中坊じゃあるまいし、何やってんだよ俺……。  
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

シチュボ(女性向け)

身喰らう白蛇
恋愛
自発さえしなければ好きに使用してください。 アドリブ、改変、なんでもOKです。 他人を害することだけはお止め下さい。 使用報告は無しで商用でも練習でもなんでもOKです。 Twitterやコメント欄等にリアクションあるとむせながら喜びます✌︎︎(´ °∀︎°`)✌︎︎ゲホゴホ

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...