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救いの乙女
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休んでいた部屋から出て、リーフと別れ。
今度こそ自分の部屋へ向かう。
部屋には案の定、キャサリンが待ち構えていた。
「まぁ ―― 随分と長くお休みされていましたね。
エドガーお兄様」
「趣味が悪いぞ。盗み聞きしてたのか」
「私、ほんとにびっくりしてしまいました」
カウチソファーにゴロンと横たわりながら
聞き返す。
「あ?」
「あら、お兄様はお気づきになりませんでしたの?
彼女、アガサ以上の潜在的な魔力を持っています」
「何だって?! そんなバカな……」
「現にお兄様、倒れる前から比べてもずーっと
顔色が良くなっているわよ」
「!!……そう言われてみれば、何て言うか……
気力も体力も漲(みなぎ)ってるって感じだ」
「他者を魔力で癒やし、それでも尚あれだけの力を
蓄えていられるなんて魔族にもそうザラに
おりません。……お兄様? 500と1人目
にしてようやく大当たりね」
「で、でも彼女は人間なんだぞ」
「稀に人間の中にも非常に強力な魔力を生まれつきに
持った娘が生まれる事もあると、賢者様も仰っていた
でしょ」
「……」
「私が考えるにリーフのケースは先祖返りパターン
だと思うわ。リーフの近しいご先祖様 ――
そうねぇ……母方のお祖母様が宿主だと。
それに……」
「―― それに?」
「母上も仰ってたけど、リーフの中にとても懐かしい
魂を感じるの」
「懐かしい、魂?」
「何となく、なんですけどね」
「じゃあ、彼女が……本当に救いの乙女、
なのか?」
「確証が欲しいなら、彼女と番うしかないです」
「……」
今度こそ自分の部屋へ向かう。
部屋には案の定、キャサリンが待ち構えていた。
「まぁ ―― 随分と長くお休みされていましたね。
エドガーお兄様」
「趣味が悪いぞ。盗み聞きしてたのか」
「私、ほんとにびっくりしてしまいました」
カウチソファーにゴロンと横たわりながら
聞き返す。
「あ?」
「あら、お兄様はお気づきになりませんでしたの?
彼女、アガサ以上の潜在的な魔力を持っています」
「何だって?! そんなバカな……」
「現にお兄様、倒れる前から比べてもずーっと
顔色が良くなっているわよ」
「!!……そう言われてみれば、何て言うか……
気力も体力も漲(みなぎ)ってるって感じだ」
「他者を魔力で癒やし、それでも尚あれだけの力を
蓄えていられるなんて魔族にもそうザラに
おりません。……お兄様? 500と1人目
にしてようやく大当たりね」
「で、でも彼女は人間なんだぞ」
「稀に人間の中にも非常に強力な魔力を生まれつきに
持った娘が生まれる事もあると、賢者様も仰っていた
でしょ」
「……」
「私が考えるにリーフのケースは先祖返りパターン
だと思うわ。リーフの近しいご先祖様 ――
そうねぇ……母方のお祖母様が宿主だと。
それに……」
「―― それに?」
「母上も仰ってたけど、リーフの中にとても懐かしい
魂を感じるの」
「懐かしい、魂?」
「何となく、なんですけどね」
「じゃあ、彼女が……本当に救いの乙女、
なのか?」
「確証が欲しいなら、彼女と番うしかないです」
「……」
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