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真・第七章 新生チーム結成、真実への船出

284 霧が晴れる時(3)

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 ダラパイス国には私を王家に戻したい勢力と、確実にガイウス様を王にするために私を排除したい勢力がいる。

 ということは……

「え~~と、つまり……私は、ガイウス殿下を確実に次の王にしたいっていう人たちから狙われている……って解釈でいいのかな?」

 私が尋ねると、ディノが笑顔で言った。

「その通りです!! さすが、ディア様。話が早いですね~~」

 なんだろうね、褒められたら普通嬉しいのにね……全然嬉しくない!!

 私を褒めていたディノが今度は真剣な顔で言った。

「以前、ダラパイス国で王太子妃殿下が誘拐されそうになった事件をご存知ですか?」

 そう言われて私は、そう言えばイドレ国の者に王太子妃が誘拐される事件が起こっているという話を聞いたことを思い出した。

「ええ。聞いたわ。確かその時使われた媚薬の効果を打ち消して、誘拐に対応するようにヒューゴがハイマに潜入したのよね?」

 私が過去を思い出して言葉にすると、ディノは頷きながら言った。

「実は……イドレ国に王太子妃やその候補を誘拐するようにダラパイス国内部から手助けした人間がいるのです。ヒューゴ殿は、ダラパイス国の刺客からディア様を守るために派遣されたのです」

 それは新事実だ。
 でも、よく考えてみれば、いくら孫が心配だからってハイマに自分の優秀な秘書を送り込むっておかしいよね?
 自国、ダラパイス国の暗殺者を防ぐためにハイマに潜入する方がずっと自然だ。
 
「ヒューゴはイドレ国の刺客ではなく……ダラパイス国の刺客から私を守ってくれていたのね……」

 ヒューゴが項垂れながら言った。

「申し訳ございません、クローディア様。その通りです」

 だがそれなら、他の疑問が沸き上がる。
 私を守ることが目的なら、もっと早くに身分を明かして私の近くに居た方がよかったのでは?
 私はすぐに疑問を口にした。

「でも、ヒューゴとはシーズルに行くまで会ったこともなかったわよね? どうやって守っていたの?」

 ヒューゴは少しだけためらうように言った。

「ダラパイス国は、武力というよりも毒薬などを使った暗殺が主流です。ですので、ハイマ王城にダラパイス国の毒が持ち込まれないように……見張っておりました。ハイマの王家にクローディア様にお出しするものは全て確認できる薬品保管庫に配属されるように手配して頂きましたので……」

 毒薬……!!
 媚薬には警戒していたが、まさか毒薬……

 ブラッドは無表情に言った。

「なるほど……それで私にさえ言わずに、どこにも漏れないようにしていたのか……城の中にクローディア殿を狙って毒薬を使う者が紛れているなどと国内の貴族の耳に入れば……クローディア殿をの狙う勢力が活気付くし、混乱するな……」



 それでは、ここでこれまでの話を整理しよう。


 Q:私は誰に狙われているの?
 A:ダラパイス国の貴族、イドレ国、ハイマ国の貴族。


 Q:私がダラパイス国に襲われる理由は?

 A:クローディアが貴重な王家に伝わる遺伝的な特徴を持っていたから。



 Q:クローディアは誰に狙われているの?

 A:ガイウス殿下を確実に王にしたい一派。



 Q:敵の特徴は?

 A:毒薬を使う人たち……って怖い!!


 私は、大きく息を吐いて目の前のお茶を眺めた。
 お茶はきれいな茶色で、透き通っている。
 
 とてもきれいだと……思った。

 なぜだろう。
 今はこの美しいお茶が怖いと……思った。
 私はお茶の入ったカップから視線を上げると、今度はフィルガルド殿下を見た。

「では、今度は……私がハイマ国の貴族に狙われている理由はなぜですか?」

「それは……」

 私の問いかけに、フィルガルド殿下が言葉を詰まらせた。
 するとずっと黙っていたロウエル元公爵が口を開いた。

「もしかして……クローディア殿を狙うハイマの貴族というのは、ハイマ王家に国外の血を入れるのを反対していた者たちなのか?」

 ロウエル元公爵の言葉を聞いた途端、胸が締め付けられそうになった。
 私はこの感覚に覚えがある。

 そう……

 この痛みは……世間では条件反射と呼ばれものに近い……身体の記憶、トラウマのようなものだ。

 きっとこの話は、以前のクローディアが何を考えて行動していたのか、その謎に繋がっている気がした。










――――――――――――――――





明日も更新します!!

ですが、明日の更新の時間はお約束できません。
お昼前後になるかと思います。
よろしくお願いいたします☆






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