上 下
191 / 269
第四章 お飾りの王太子妃、郷愁の地にて

170 十人十色(4)

しおりを挟む
 


 ヴェロニカ様の持ちかけてきたカード勝負とは、レオンがガラマ領邸の遊戯室で教えてくれたあのカードゲームのことだ。

 え?
 カードで勝ったら?
 負けたら、何も話をしてもらえない?!

 私は背中に冷や汗が流れるの感じた。なぜヴェロニカ様はこんなことでカードゲームを持ち出したのだろうか? もしかしてかなり強いのだろうか? 

 この勝負――受けるべきか、受けざるべきか……。

 その時、私の脳裏にレオンの言葉が思い浮かんだ。

――このゲームは常に冷静に、その場、その場で瞬時に相手の手札を予想して、自分の手元のカードで最適な布陣で迎え撃つというのがコツだな。

 私は、冷静にヴェロニカ様を観察した。
 よく見ると彼女も緊張している……条件は同じだ。

 そして、賭けの内容を思い出してみる。
 
 ヴェロニカ様に勝ったら話をしてくれる。
 この場合、負けたら何もわからないというリスクはあるが、私に対してペナルティがあるわけではない。負けたらジュース買ってきなさい、というような私の対する不利益はないのだ。

 言いたくないことを聞き出す相手に、とても良心的な提案だと思えた。
 私はまっすぐに彼女を見ながら答えた。

「ぜひ、お相手させていただきますわ」

 私の言葉に、ヴェロニカ様が一瞬、怯んだの感じた。

 ――無言の圧力。

 私が勝負を受けると答えてから重苦しい空気が流れた。

 そして、カードの勝負を受けるという返事をして数秒。
 ヴェロニカ様は長く息を吐いた後に、少しだけ頬を緩め、私を見ながら言った。

「ふふふ、言い訳もせず、新たな条件もつけずに素直にお受け頂けるとは思いませんでした。あなたとは……色んな意味で、争いたくありませんわ。……わかりました、なんでもお聞きくださいませ」

 え?
 実際にカードゲームで勝負をつけなくてもいいの??

 私がヴェロニカ様の言葉に疑問に思っていると、ヴェロニカ様が楽しそうに言った。

「不思議そうな顔ですね。城に長くいると……言い訳や、正論に見せかけた自己中心的な発言を振りかざし、自分では決断も動くこともできない口先ばかりの方ばかり……私の提案に真正面から飛び込んで来て下さる方など滅多にお目にかかれません。ちなみに他の令嬢にこのように言うと、皆諦めたり、不機嫌になって席を立たれたりしますのよ?」

 ヴェロニカ様は目を細めながら私を見ながら言った。
 どうやら、カードゲームの結果ではなく、ゲームを受けるかどうかが見極めになっていたようだった。

 さすが、長年この王宮という魔窟で戦っていた女性は違う。どうやら私はヴェロニカ様の方法で試されていたようだ。それなら私も遠慮なく聞きたいことを尋ねることにした。

「ではお伺いいたします。イドレ国人間にどんな取引を持ちかけられたのですか? 私は、ヴェロニカ様のお答えを聞いて、イドレ国のことを知りたいと思っております」

 実際にイドレ国との取引をした他国の王族に話を聞ける機会など滅多にない。これも私が、ダラパイス国王の孫で、ハイマの王太子妃だったからこそこんな機会に恵まれたのだ。
 ヴェロニカ様は、私を見ながら無表情で答えてくれた。

「イドレ国を知る……。わかりました、お話しましょう。私がイドレ国の人間から持ちかけられたのは『ガラマ領主邸の側に火龍最期の地がある』という噂をこの国の社交界に流すこと。その対価はイドレ国皇帝夫人になるか、もしくは……旧ドルン国の『ガリモ』の輸入許可書ですわ。『ガリモ』がどうしても欲しかったというのもありますが……ベルンも滅んでおりましたので、噂を流すくらいでは問題ないと判断しました」

 イドレ国皇帝の夫人?
 ガリモ??
 ……ガリモってなに?
 咄嗟にアドラーを見たら、アドラーはその謎の正体を知っているようだった。それについては、あとでアドラーに確認することにして私はさらに気になっていたことを尋ねた。

「ヴェロニカ様が、初めから赤い泉を知って噂を流したわけではなく、イドレ国の人間から具体的な噂の内容まで指示されたということで間違いはありませんか?」

 ヴェロニカ様は、大きく頷いた後に答えた。

「ええ、それについては、間違いありません。私もイドレ国の者から話を聞くまで、あの地に赤く染まった泉があるとは知りませんでしたもの」

 ――ヴェロニカ様は、赤い泉の存在を知らなかった?

 てっきり、ヴェロニカ様がブラッドたちが見たという赤い温泉の存在を初めから知っていて、ガラマ領を孤立させるために噂を考えたのかと思ったが、まさか噂の内容までイドレ国の人間に指示されていたとは思わなかった。しかも、依頼内容は予想した通り社交界に噂を流すだけ……と、難しいことを要求されていたわけではなかった。

「そうですか、ありがとうございます。ヴェロニカ様……」

 私がヴェロニカ様に聞いた内容を脳内で整理していると、ヴェロニカ様が口を開いた。

「クローディア様。ガイウス様にこの国に来るように誘われていらっしゃるでしょう?」

 私は、すぐに意識をヴェロニカ様に戻して返事をした。

「え、ええ」

 ヴェロニカ様は瞳の中に何か揺らぎを見せながら少し早口で言った。

「実は私は……ハイマに憧れていました。現在のハイマの王は生涯一人の女性を愛すると公言していましたし、私が以前公務でハイマを訪れた時、あなたの夫、ハイマの王太子はあなたを大切にしているように見えました。それを見て私は心底一人の方に愛されるあなたが羨ましいと思いました。ですから、ハイマの王太子が側妃を迎えることになったと、両陛下が嘆いておられた時も、『あれほど大切にされているのだから、側妃一人くらいで大袈裟だ』と思っておりました」

 私はとても素直に自分の胸の内を明かしてくれるヴェロニカ様を驚きながら見つめた。ヴェロニカ様は、膝に置いたご自身の手を握りしめながら続きを聞かせてくれた。

「ですが……王族は必ず正妃とは別に二人の側妃を迎えることが決まっているダラパイス国で側妃を迎えることと、側妃を迎える決まりのない国で側妃を迎えた場合の外部からの目が……これほど違うのかと知ってからは考えが変わりました。ただ側妃を迎えただけで『お飾りの王太子妃』など言われてしまう国があるのですね……私としましては、ガイウス様のお身内の方が他国でそのような呼ばれ方をするのは酷く不快ですわ。ですから、願わくばクローディア様には汚名を返上して頂きたいと思っておりますわ」

 ヴェロニカ様はガイウスの妻だ。つまり、私の汚名はガイウスの汚名に繋がると考えたようだ。

「クローディア様、側妃など蹴落として下さいませ。ハイマの王太子の正妻は、生涯あなたが務めるべきですし、お世継ぎもあなたが産むべきです。どうか、若気の至りで一時的に感情が傾いただけの小娘から王太子の愛を奪い返して、次期ハイマの王の隣で優雅に笑って下さいませ。ガイウス様と同じ血を引くあなたが他国といえども……王家から去るなど……許し難いことですわ」

 私が、フィルガルド殿下の溺愛するエリスから殿下を奪う?!
 ヴェロニカ様には……大変申し訳ないが、そんなことは不可能だ。
 もう私は、彼に対して罪滅ぼしさえできればいいのだ。

 本気で私にフィルガルド殿下をエリスから取り返せというヴェロニカ様を見ながら小さく息を吐いた。

 人には色々な立場があり、それぞれの見方がある。
 ダラパイス国の王や王妃からしたら、政治的な理由でハイマの王太子妃になった孫娘の私には全てが終わったら、ハイマの公爵家か、ダラパイス国の大公家に嫁いで地位も名誉もあり、生涯不自由ない生活をしてほしいという願いがある。
 そして、ダラパイス国の王太子妃からしたら、次期王となる人物の身内が、他国で側妃に負けて王家を去るというのは許せないことなのだろう。
 そしてブラッドは……私がもし、離婚後行き場を無くしていたらレナン公爵家に来ることも提案してくれたかもしれない。だが、私がもし……他の誰かと生涯を共にすることになっていたら、何も言わずに黙って送り出してくれた……そんな気がする。きっと私はブラッドに同情はされているかもしれないが、求められては……いない。

 人の好意や考えは目に見えない。だから人と人の関係は……難しい。
 でも、確かにそれぞれの想いやそれぞれにとっての正解は存在はしていて、それが通じ合えば最高の関係を築ける。だが、通じなければ傷つけ合う関係になってしまう。

 それなら……。

 私は、私だ。
 不透明な他の人間の想いや正解に流されるのは苦しいだけだ。

 私がそんなことを考えながら黙っていると、ヴェロニカ様が姿勢を正して微笑んだ。

「……まぁ、王の隣に立つとおっしゃるのなら……次期ハイマの王の隣でなくとも良いとは思いますが……スカーピリナ国王があなたにご執心だという話を小耳にはさんでおりますので」

 スカーピリナ国王って……レオン?!
 ああ、ただ仕方なく私の護衛を引き受けてくれたレオンまで、なんだかおかしな話に巻き込んでしまってごめんなさい。

 私は心の中でレオンに謝罪をして、その後、時間になり私たちは無事にお茶会を終えたのだった。



 部屋に入ると、アドラーが私を見ながら真剣な顔で言った。

「クローディア様、汚名を返上することなど、王妃にならずとも、もっと別の方法でも返上することは可能です!! この国の王太子の身内だから……王太子の名誉のために王家を出るな、など!! あの方はクローディア様をなんだと思っているんだ!! クローディア様は……クローディア様は、体裁を整えるだけの人形ではない!!」

 珍しく感情を表に出して怒ってくれているアドラーを見て、私は冷静になっていた。
 ヴェロニカ様は、幼い頃から王太子の妻になるために育てられてきた女性だ。クローディアとは違って、とても王妃としての素養のある方なのだろう。だからこそ、常に王太子妃として物事を考えているのだろう。もしかしたら、彼女に一般の感覚はないのかもしれない。
 そう、――王太子のことだけを常に考える。それが彼女の生きてきた世界で、今後も生きていく世界。

 私はアドラーの手を取ってじっとアドラーを見つめながら言った。

「アドラーがそう言ってくれるだけで充分よ。それに今は、やるべきことがあるわ。急いでヴェロニカ様に聞いた内容をまとめましょう」

 今の私にとって、アドラーが彼女の発言を怒ってくれたこと、それだけで充分だった。
 アドラーは、何か言いたそうな瞳をしたが、その後困った顔をして言った。

「はい」

 こうして私は王太子妃から真相を聞き出したのだった。




――――――――――――




次回更新は3月26日(火)です☆



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

役立たずと捨て石にされたコミュ障皇女は、死地に送られ愛される

なかの豹吏
恋愛
   テオリカンの皇女、ヴァレリア。  三姉妹の末娘である彼女は社交性も乏しく、挨拶をしてもどもるばかり。  年の離れた公爵令息に言い寄られるも、それを狙う姉に邪魔だと邪険に扱われる始末。  父親から社交界では使えないと評され、ヴァレリアは十三歳にして滅亡寸前の弱小国、ドミトリノ王国へ謀略の為の『生贄』として差し出されるのであった。  そこで結婚相手となる皇子、マリウスと出会い彼と接するうちに恋心が芽ばえるヴァレリア。  だが今回の結婚の目的は、テオリカンがドミトリノ王国を奪い取る為の謀略だった。  負け戦とわかっていてもなお決起に燃えるマリウス率いるドミトリノ王国軍。  その出陣前にヴァレリアは―――。

睡眠開発〜ドスケベな身体に変えちゃうぞ☆〜

丸井まー(旧:まー)
BL
本人に気づかれないようにやべぇ薬を盛って、毎晩こっそり受けの身体を開発して、ドスケベな身体にしちゃう変態攻めのお話。 なんかやべぇ変態薬師✕純粋に懐いている学生。 ※くぴお・橘咲帆様に捧げます!やり過ぎました!ごめんなさい!反省してます!でも後悔はしてません!めちゃくちゃ楽しかったです!! ※喉イキ、おもらし、浣腸プレイ、睡眠姦、イラマチオ等があります。苦手な方はご注意ください。 ※ムーンライトノベルズさんでも公開しております。

侯爵様、今更ながらに愛を乞われても

cyaru
恋愛
オルランディ侯爵家の当主夫妻。夫はアルマンド、妻はティタニア。 仮面夫婦、契約夫婦、偽装夫婦色々あるけれど、アルマンドとティタニアは仲が良い訳でも悪いわけでもない。2人は期間限定の夫婦である。 期間限定と言っても貴族の婚約や結婚は家と家との事業などが絡んでいて当人の意志とは無関係に結ばれるもの。2つの家は30年事業という長期間の事業を円滑に行うために結ばれており事業が終わるまでは離縁も出来ない。 のだが…夫のアルマンドには婚約前からフェリシアという恋人がいて、ティタニアはアルマンドに「彼女以外は女性に見えない」とまで言われてしまった。 さしたる問題もなく、2人は取り決め通り結婚し初夜こそ一緒の部屋で過ごしたが同衾はナシ。 その後は華麗な別居生活に突入し、どうしても夫婦で出席せねばならない夜会などで顔を合わせるだけ。 そんなある日、第2王子の婚約発表パーティでいつも通りアルマンドと入場し、王族への挨拶を済ませたティタニアだったが、別行動になってから会場の熱気にあてられバルコニーで涼もうと外に出た。 そのバルコニーで風に癒されていると痴話喧嘩が聞こえる。 これは距離を取らねばと静かに去ろうとした時、喧嘩をしていた女性が近づいてきて手を伸ばしてきた。咄嗟に避けようとしたティタニアはバランスを崩し3階のバルコニーから転落してしまった。 奇跡的に大きな怪我も無かったのだが、目覚めたティタニアの元にアルマンドがやって来て不思議な事を言う。 「ニアが目覚めるまで生きた心地がしなかったよ」 ティタニアは思った。 「もしかしてバルコニーから落ちたのは私じゃなく、アルマンド?」 ★↑例の如く恐ろしく省略してます。 ★3月23日投稿開始、完結は3月24日22時22分<(_ _)> ★男性に守られる女性をご希望の方はブラウザバックを強く推奨します。 ♡注意事項~この話を読む前に~♡ ※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。 ※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。 ※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。 ※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。 ※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。 ※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません。

裏切り者扱いされた氷の魔術師、仲良くなった魔族と共に暮らします!

きょろ
ファンタジー
【※こちらの作品は『第17回ファンタジー小説大賞』用に執筆した為、既に書き終えてあります! 毎日1~2話投稿予定。9/30までに完結致します! 宜しくお願い致します】 勇者パーティの一員として、魔族と激戦を繰り広げた氷の魔術師・アッシュ。 儚くも魔王に辿り着く前に全滅してしまった勇者パーティ。 そこで氷の魔術師のアッシュだけが、囚われの身となってしまった挙句、 何故か彼は予期せずして魔族と親交を深めていた。 しかし、勇者パーティの一員としての使命を決して忘れずにいたアッシュ。 遂に囚われの身から解放され、仲間の待つ王都へと帰還。 だがそこで彼を待ち受けていたのは信じられない“絶望”だった。 裏切られ、全てを失った氷の魔術師アッシュ。 凍てつく程に冷たい感情が芽生えた彼が次にと行動…。 それは、親交深めた“魔族”との共生であった――。

婚約破棄した者全員処刑

あんみつ豆腐
恋愛
私には、アレンという婚約者がいた。 しかし彼は突如、別の女性と婚約するため、私を捨てた。 この時私の全てが壊れる音がした。そして決意した。 私は神となり全ての運命を支配する存在になると。 もう私は止められない。勇者だろうと、東方の最強剣士だろうと。誰であろうとだ。

ゲイ男優育成所

かば
BL
権田剛のゲイ男優育成物語 ただのエロオンリー

稀代の癒し手と呼ばれた婚約者を裏切った主様はすでに手遅れ。

ぽんぽこ狸
BL
 王太子であるレオンハルトに仕えているオリヴァーは、その傍らでにっこりと笑みを浮かべている女性を見て、どうにも危機感を感じていた。彼女は、主様に婚約者がいると知っていてわざわざ恋仲になったような女性であり、たくらみがあることは明白だった。  しかし、そんなことにはまったく気がつかないレオンハルトはいつもの通りに美しい言葉で彼女を褒める。  レオンハルトには今日デビュタントを迎える立派な婚約者のエミーリアがいるというのに、それにはまったく無関心を決め込んでいた。  頑ななその姿勢が何故なのかは、オリヴァーもわからなかったけれども、転生者であるオリヴァーはどこかこんな状況に既視感があった。それはネットで流行っていた痛快な小説であり、婚約者を裏切るような王子は破滅の未知をたどることになる。  そういう王子は、何故か決まって舞踏会で婚約破棄を告げるのだが、まさかそんなことになるはずがないだろうと考えているうちに、レオンハルトの傍らにいる女性が彼を煽り始める。  それを皮切りに小説のような破滅の道をレオンハルトは進み始めるのだった。  七万文字ぐらいの小説です。主従ものです。もちろん主人公が受けです。若干SMっぽい雰囲気があります。エロ度高めです。  BL小説は長編も沢山書いてますので文章が肌に合ったらのぞいていってくださるとすごくうれしいです。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

処理中です...