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その22 初恋
しおりを挟む孝介、陽介の兄弟はその後も情欲に溺れる日々が続いていた。
肉体的にも精神的にもふたりは激しく愛し合う男と女のようだ。
兄は弟の脚を広げるとその秘部に自分のエレクトした男性器をあてがいそっと挿入した。
そして突いた!
それはピストン運動になりその卑猥な摩擦音は一定のリズムになると弟は兄の背中に両腕をまわし爪を立てる。
腰を激しく動かしながら兄は、弟の悦びに満ちた淫らな表情に興奮する。
(陽介は女だ! どこからどう見てもこいつが男だと信じられるか? それもとびっきりセクシーでエロい女だ)
孝介はセックスしている相手が本当は男であるという事実に不思議な興奮を覚える。しかもその男は血の繋がった実の弟なのだ。そんな妖しくも倒錯的な世界に耽るのだった。
弟は自分の中にある兄の男性器が、ピクンと動き温かい液体が放射されたのを感じた。それを感じた弟は、尚も兄の背中にまわした腕に力を込めた。
コンドームはせず、生で放射された兄の精液があそこから溢れ出そうなのを感じながらも、弟は兄の唇を狂ったように激しく求めた。
兄、孝介の新しい職場は運送会社で、大型免許も持っている彼は4㌧トラックを転がす毎日。激務であり多くはないがそこそこの収入はあった。
その運送会社は個人のプライベートのことは詮索せず、他人のことは関心のない人ばかりであり、仕事さえ真面目にこなしていれば弟とのことを知られても何も問題なさそうだ。
弟の陽介は?
相変わらず娼婦のような生活が続いており益々美しさセクシーさに磨きがかかってきたようだ。
もう、無理に陽介の方から相手を探さなくともリピーターが増え、それも上等の客ばかりのようだ。
実業家や地方議員から愛人のように囲いたがる者もいたが、陽介が愛しているのは兄だけであり自由を束縛されるような関係はいくらお金をつまれても拒絶していた。
それでも、兄の孝介からすれば、愛する弟が他の男と寝ることが心配でたまらない。そろそろ娼婦の真似事?から足を洗ってもらいたい。
まぁ、何かと問題はあるものの、兄弟ふたりは新婚夫婦のように愛し合う。
そのアブノーマルな性生活も益々変態的方向へエスカレートするのだった。
兄はこんな生活がいつまでも続くと思っていた。結婚なんて形には拘らず一生弟と過ごしていけたらと思う。
それは弟も同じ気持ちであったが、本来の兄はゲイではなく本当は女性が好きなのを知っている。そこが少し不安なのだが今のところはシアワセだ。
そんなある日のこと。
陽介は颯爽としたミニスカート姿で街を散策していた。
娼婦姿の陽介とは違い、まるでモデルのようなその姿に釘付けになる男どもの視線を感じづつ陽介はアパレルショップで服を探し求めていた。
「ねえ、あの子きれいね...」
背後からそんな声が聞こえてきた。
振り返ると女子店員ふたりが陽介を憧れの眼差しで見ていた。
その一人と目が合うと彼女は陽介を見てニッコリと笑った。
「お客さん、とてもスタイル良いですけどモデルさんですか? どんなものをお探しでしょうか?」
「・・・・・」
(こ、この人は池下智恵子さん?)
懐かしさが込み上げた。
陽介が唯一好きになった女の子、中学の同級生だった池下智恵子だった。
小林陽介の初恋の相手である。
小学校、中学校では男子のアイドル的存在で中学卒業以来8年ぶりだ。
内気だった陽介は遠くから眺めているだけで話したことは一度もない。
そんなアイドルだった池下智恵子が、女に化身した陽介に憧れの目を向け
「きれいね...」と言ってくれた。
陽介はそんな内心を隠しボーイッシュなデニムパンツと白シャツを買った。
「お客さんは、こういうボーイッシュでジェンダーレスなファッションも似合いそうですね? 何でも似合いそうで本当に羨ましいです」
池下さんは僕のことをうんと褒めてくれたけど、君だってタイプは違うけどきれいじゃないか、、、
陽介はそんなことを思いながら店を出た。初恋を思い出していた。
その日、陽介は兄のために好きなパスタをキッチンで作っていると、疲れた表情の兄が帰ってきた。
キッチンに立っている弟の背後から身体を抱きしめると、その短いスカートを捲りあげ硬くなった自分のモノを弟のアソコに入れようとしている。
「もう、がまんできない...」
兄と弟の立ちバックはしばらく止むことはなかった。
その夜。
兄は弟を激しく犯した。
弟もうんと淫らになった。
陽介は兄に突かれながら、昼間アパレルショップで会った初恋相手のことを考えていた。
(僕にも異性に対する興味が残っていたのだろうか? 池下さんのことばかりを考えてしまう。この気持ちは何?)
事態は思わぬ方向へ展開する。
つづく
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