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第1章
159話 初級官史試験前Ⅱ ガオムの様子
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まだ時間に余裕があるのでガオムの所に行くことにした。ガオムは今現在専業兵士となる若者らの訓練と指導を担当している。元が冒険者だったりするのが大多数なのだがちゃんと訓練されているのか確認することにした。
訓練している場所を冒険者ギルドに聞き現場に行くことにした。
「おっ、やってるねー」
そこにはガオムとひたすら縄跳びをしている若者が数十名存在した。
立ち上げの時はもっと少なかったはずだが増員したのだろう。
「ユウキ様!よくぞいらしてくださいました」
ガオムがこちらに気が付き頭を下げる。その横では息も絶え絶えに縄跳びをする若者多数、変な光景だな。
「やっほ、訓練の進行具合はどう?」
「まだまだ専業兵士というには程遠いですね。兵士家業に専念させるにはもうしばらく時間が必要です」
この様子では最低限の体力すら身についてないのだろう。ガオムが難しい顔で答える。
『お前が主君か?』
縄跳びの時間を終えて視線が集まる。
そういえば、まだ初対面だったことを忘れていた。
「ガオム様!こんな若造が主君なのですか?」
「そうだ」
「聞いた話ではライク家に侵攻した貴族軍八百名を単独で壊滅させてジーグルト伯爵家に侵略した貴族軍ら一掃したと聞いておりますが」
「事実だ」
「で、でも。そんな豪傑とは思えない体の細さですし…」
ガオムと僕を見比べる。
外見上ではガオムの方が僕より身長は高いし筋肉もより目立つ形で付いていた。戦えばガオムの方が強そうに見えるだろう。
ヤレヤレ、しっかりとした形で判断してもらうしかないように感じるな。
「おい、お前」
『へ?』
数人を見繕い声をかける。
「そんなに強いか弱いかを確認したいか?」
意外な言葉に驚くが、
『も、もちろんだ!』
それならば実戦稽古と行こうか。
「さ、いつでも来ていいよ」
『……ほ、本当にいいのかよ?』
四人の逞しい男らが武器を構える。模擬戦闘用に刃は潰してあるがそれでも十分に威力はある。彼らは実力主義の冒険者ギルドにいた元冒険者らだ。明確な実力差を見れば嫌でも従う性格だ。
そうして、少ない観衆が見守る中実戦稽古が始まる。僕は無手で戦う。
「だりゃあ!」
一人の男が正面から上段で剣を振ってきた。それを半身逸らしつつ懐に入り手を相手に添えて勢いのままに空中回転させる。
「がはっ!」
勢いそのままに空中を一回転させられた男だがまだ勝負を諦めていない。素早く立ち上がり右袈裟から切りかかるがそれを、
「へ?」
気が付くと僕に武器を奪い取られていた。
無手奪取と呼ばれる技で素手で武器を持った相手と戦う戦闘技術の一つ。武器を奪い取られて呆然としている男の腹を蹴り飛ばす。
「ぐはっ!」
それだけで体は宙を舞い数メートル先まで飛んでいく。唖然呆然と見守る三人に剣先を突きつけながら、
「さぁ、どうする?」
僕は威嚇する。
ここで三人は初めて尋常ならざる敵と認識、包囲するかのように動いてきた。
「(ウンウン、中々戦いというものを知っているね。とりあえず最低ラインは越えてるか)」
人数で勝っているなら包囲してチームを組んで勝ちに向かう。戦の初歩にして最も効果的な戦闘の一つ。それを確認せずとも行えたのでまぁ良しとしよう。だが、少しばかり様子を見すぎたな。こちらに武器があるという状況がよろしくなかった。
そうして、三人が時間差で攻撃を仕掛けてきた!
まず右前面の相手に急速接近し腹に一撃打ち込んで動きを止める、それと体を入れ替えるように脇を摺り抜けて背後に回り体当たりを食らわす。体当たりされた一人目は左と後ろから攻撃しようした他の二人の方向に飛ばされてしまいそれを回避しようとして二人は分かれる。
僕は二人目の行動を先読みしてその方向に先に移動し剣を軽く横薙ぎに払う、逃げた先に待ち構えていた僕に驚いた二人目は剣で咄嗟に防ぐが僕はさらにその行動を先読みして体を低くし足払いを掛ける。それで相手は倒れてしまう。
最後に残った一人は体勢を立て直している最中で他の二人が倒されたことは目に入ってなかった。それに対して剣を投げつける。剣が飛んできたことにすら反応が遅れた相手は必死で回避するがそれより先に腕を伸ばした僕の手に平が添えられる。
「ハッ」
「!?」
伸ばした腕で掌を体に当てられただけ、観衆はそうおもったが次の瞬間「がはっ」という声とともに宙を舞い数メートルも後ろに飛ばされてしまう。中国拳法でいう「発勁(陳式とも)」言う技だ。体を螺旋状に捻じり叩き込む奥義。これを食らってはまず立ち上がれない。
『「「「「「……」」」」」』
数十人の若者らとて武芸で身を立てることを選んだ、そのため訓練をかかさずにおこなってきたはず。同じか自分よりも下の若者にここまで一方的に叩きのめされるなど体験したことも考えたことすらもなかったはずだ。
それが目の前で行われしばし意識が飛んでいた。
「どうしたの?」
一声かけると、全員が、
『すげぇ!我らが主君は無双の強者だ!!』
大歓声が上がった。これで信頼は得られたかな?どうも羨望というか妄想じみた眼差しをする者もいるようだがこれでいいだろう。
~ガオム視点~
「ガオム様!彼が我らが使える主君なのですね!」
主君ユウキ様と手合わせした者らを手当てしている者らを除いて全員が羨望の眼差しを向けていた。
「そうだ」
「すごい!俺らだってそこそこモンスターの討伐経験があり戦いの腕前には自信あったけどユウキ様とは比べるまでも無いよ!」
「そうだな!あそこまで強くちゃこの訓練の意味も十分に理解できるよ!」
「ユウキ様はどの部隊を率いられるのだろうか?今すぐにでも部隊を編成してもらいたいよ!」
各々が未来図を思い描く。
皆にはすでにユウキ様が行動小隊長第一位であることを伝えている。通常であれば小隊長資格者にはそれ相応の勉強と訓練、任期課程が必要なのだが。ライク家やジーグルト家の問題解決の実績を配慮して無試験で任じたのだ。
冒険者ギルドで冒険者を指揮運用する資格は支兵長→小隊長→中隊長→大隊長となるが支兵長までは戦時特務などの理由により一般の冒険者からも引き上げられるが小隊長以上になるにはしっかりとした手順。つまり、推薦者や実務経歴や戦術指揮なども収めていなくてはならない。
本来ならそれらの教育には数年を必要とするのでむやみには任じられない仕組みに制定されている。また部隊の運用により攻撃防御支援などにも兵科は分かれ行動という名称が付くと独自に軍事作戦を考案し実行しうる権限が与えれる。
つまり、ユウキ様が軍事行動が必要だと判断すれば資金運用はもちろん兵員動員して他貴族への攻撃までも可能なのだ。
あれほどの若さでそれらの特権を与えることを判断されたのは近年の世襲貴族らに対する抑止力だろう。色々と悪いことを企み愚かな行動しかしないのでそれに対する防衛の要として白羽の矢が立ったのだ。
今後ユウキ様はどのようになるのか興味が尽きない。独自に影響力を持って部隊の長になるのか?それとも大貴族のお抱えとなり采配を振るうのか?もしかしたら自治権を有す領地を預けられるのか?
未来はまだ見えないが自分は良い主君に出会ったと実感していた。
訓練している場所を冒険者ギルドに聞き現場に行くことにした。
「おっ、やってるねー」
そこにはガオムとひたすら縄跳びをしている若者が数十名存在した。
立ち上げの時はもっと少なかったはずだが増員したのだろう。
「ユウキ様!よくぞいらしてくださいました」
ガオムがこちらに気が付き頭を下げる。その横では息も絶え絶えに縄跳びをする若者多数、変な光景だな。
「やっほ、訓練の進行具合はどう?」
「まだまだ専業兵士というには程遠いですね。兵士家業に専念させるにはもうしばらく時間が必要です」
この様子では最低限の体力すら身についてないのだろう。ガオムが難しい顔で答える。
『お前が主君か?』
縄跳びの時間を終えて視線が集まる。
そういえば、まだ初対面だったことを忘れていた。
「ガオム様!こんな若造が主君なのですか?」
「そうだ」
「聞いた話ではライク家に侵攻した貴族軍八百名を単独で壊滅させてジーグルト伯爵家に侵略した貴族軍ら一掃したと聞いておりますが」
「事実だ」
「で、でも。そんな豪傑とは思えない体の細さですし…」
ガオムと僕を見比べる。
外見上ではガオムの方が僕より身長は高いし筋肉もより目立つ形で付いていた。戦えばガオムの方が強そうに見えるだろう。
ヤレヤレ、しっかりとした形で判断してもらうしかないように感じるな。
「おい、お前」
『へ?』
数人を見繕い声をかける。
「そんなに強いか弱いかを確認したいか?」
意外な言葉に驚くが、
『も、もちろんだ!』
それならば実戦稽古と行こうか。
「さ、いつでも来ていいよ」
『……ほ、本当にいいのかよ?』
四人の逞しい男らが武器を構える。模擬戦闘用に刃は潰してあるがそれでも十分に威力はある。彼らは実力主義の冒険者ギルドにいた元冒険者らだ。明確な実力差を見れば嫌でも従う性格だ。
そうして、少ない観衆が見守る中実戦稽古が始まる。僕は無手で戦う。
「だりゃあ!」
一人の男が正面から上段で剣を振ってきた。それを半身逸らしつつ懐に入り手を相手に添えて勢いのままに空中回転させる。
「がはっ!」
勢いそのままに空中を一回転させられた男だがまだ勝負を諦めていない。素早く立ち上がり右袈裟から切りかかるがそれを、
「へ?」
気が付くと僕に武器を奪い取られていた。
無手奪取と呼ばれる技で素手で武器を持った相手と戦う戦闘技術の一つ。武器を奪い取られて呆然としている男の腹を蹴り飛ばす。
「ぐはっ!」
それだけで体は宙を舞い数メートル先まで飛んでいく。唖然呆然と見守る三人に剣先を突きつけながら、
「さぁ、どうする?」
僕は威嚇する。
ここで三人は初めて尋常ならざる敵と認識、包囲するかのように動いてきた。
「(ウンウン、中々戦いというものを知っているね。とりあえず最低ラインは越えてるか)」
人数で勝っているなら包囲してチームを組んで勝ちに向かう。戦の初歩にして最も効果的な戦闘の一つ。それを確認せずとも行えたのでまぁ良しとしよう。だが、少しばかり様子を見すぎたな。こちらに武器があるという状況がよろしくなかった。
そうして、三人が時間差で攻撃を仕掛けてきた!
まず右前面の相手に急速接近し腹に一撃打ち込んで動きを止める、それと体を入れ替えるように脇を摺り抜けて背後に回り体当たりを食らわす。体当たりされた一人目は左と後ろから攻撃しようした他の二人の方向に飛ばされてしまいそれを回避しようとして二人は分かれる。
僕は二人目の行動を先読みしてその方向に先に移動し剣を軽く横薙ぎに払う、逃げた先に待ち構えていた僕に驚いた二人目は剣で咄嗟に防ぐが僕はさらにその行動を先読みして体を低くし足払いを掛ける。それで相手は倒れてしまう。
最後に残った一人は体勢を立て直している最中で他の二人が倒されたことは目に入ってなかった。それに対して剣を投げつける。剣が飛んできたことにすら反応が遅れた相手は必死で回避するがそれより先に腕を伸ばした僕の手に平が添えられる。
「ハッ」
「!?」
伸ばした腕で掌を体に当てられただけ、観衆はそうおもったが次の瞬間「がはっ」という声とともに宙を舞い数メートルも後ろに飛ばされてしまう。中国拳法でいう「発勁(陳式とも)」言う技だ。体を螺旋状に捻じり叩き込む奥義。これを食らってはまず立ち上がれない。
『「「「「「……」」」」」』
数十人の若者らとて武芸で身を立てることを選んだ、そのため訓練をかかさずにおこなってきたはず。同じか自分よりも下の若者にここまで一方的に叩きのめされるなど体験したことも考えたことすらもなかったはずだ。
それが目の前で行われしばし意識が飛んでいた。
「どうしたの?」
一声かけると、全員が、
『すげぇ!我らが主君は無双の強者だ!!』
大歓声が上がった。これで信頼は得られたかな?どうも羨望というか妄想じみた眼差しをする者もいるようだがこれでいいだろう。
~ガオム視点~
「ガオム様!彼が我らが使える主君なのですね!」
主君ユウキ様と手合わせした者らを手当てしている者らを除いて全員が羨望の眼差しを向けていた。
「そうだ」
「すごい!俺らだってそこそこモンスターの討伐経験があり戦いの腕前には自信あったけどユウキ様とは比べるまでも無いよ!」
「そうだな!あそこまで強くちゃこの訓練の意味も十分に理解できるよ!」
「ユウキ様はどの部隊を率いられるのだろうか?今すぐにでも部隊を編成してもらいたいよ!」
各々が未来図を思い描く。
皆にはすでにユウキ様が行動小隊長第一位であることを伝えている。通常であれば小隊長資格者にはそれ相応の勉強と訓練、任期課程が必要なのだが。ライク家やジーグルト家の問題解決の実績を配慮して無試験で任じたのだ。
冒険者ギルドで冒険者を指揮運用する資格は支兵長→小隊長→中隊長→大隊長となるが支兵長までは戦時特務などの理由により一般の冒険者からも引き上げられるが小隊長以上になるにはしっかりとした手順。つまり、推薦者や実務経歴や戦術指揮なども収めていなくてはならない。
本来ならそれらの教育には数年を必要とするのでむやみには任じられない仕組みに制定されている。また部隊の運用により攻撃防御支援などにも兵科は分かれ行動という名称が付くと独自に軍事作戦を考案し実行しうる権限が与えれる。
つまり、ユウキ様が軍事行動が必要だと判断すれば資金運用はもちろん兵員動員して他貴族への攻撃までも可能なのだ。
あれほどの若さでそれらの特権を与えることを判断されたのは近年の世襲貴族らに対する抑止力だろう。色々と悪いことを企み愚かな行動しかしないのでそれに対する防衛の要として白羽の矢が立ったのだ。
今後ユウキ様はどのようになるのか興味が尽きない。独自に影響力を持って部隊の長になるのか?それとも大貴族のお抱えとなり采配を振るうのか?もしかしたら自治権を有す領地を預けられるのか?
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