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新たな騎士団結成とその船出とは 2
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第1陣がいきなり大打撃を受けた赤護騎士団はすぐさま補充要員が追加された。追加の資金も物資も送られてくるが微々たるものでとても全員を満足させられるものではなかった。
前回と変わらず上は堕落し下が処罰される生活が続く。現実が分からない大半の隊員は本気で国の噂を本気で信じていたがごく一部ツテで現実を知っていた者らがいた。前に来た黒翼騎士団の関係者だった。
彼らは前回送り込まれた連中がいかに悲惨であったのかを知っていたので現状の部隊が機能不全でまともに依頼をこなせないものだと。それが噂ではなく現実だとここで理解した。
前回の依頼の生き残り組もこの騎士団が本当に活躍出来るなどまったくもって可能性がないことに絶望していた。なので両者の利害が一致するのは簡単だった。上の将官が不真面目なのには理由があるはずだと、その結論に至った。
そう、上の指揮官らが現状を知らない、もしくは無視しているは複数ある。
まず最初は自分らに都合のいい家々の者だけを残すという算段。自分らに従順で賄賂を惜しみなく送る家々の者だけは後方待機という形で生き延びさせていた。
二つ目は反抗的もしくは批判的な家の力を削ぐという算段。国というのは権力闘争が頻発するので現状を憂いたりもしくは真実に辿り着いた者らがいること。その家の家族を可能な限り減らしておく必要があった
3つ目は家の乗っ取りである。家族らが大量死すれば当然婚姻相手に困るためコントロールが効くように事前にある程度自分らの一族を残しておいて後継者不在となった家を婚姻で財産を奪い取る算段。
4つ目は単純に口減らしのため。もうすでにお国では生まれがいいのに努力を怠る無能者が飽和状態であった。能力が足りず審査試験の段階で次々落ちていくため仕事先がない部屋住みが大勢存在していた。
5つ目が重要で本当に混沌の脅威が各地で出現していたことだ。オーガやヘッドハンターなど本気で実力者でないと倒せないモンスターが各地で確認された事。その上位個体ですら出現するかもという危機感がある。
最後の理由が本当に大きくて形だけしか残ってない軍勢では太刀打ちできない。モンスターの脅威と隣接している国々とそうでない国々とでは兵士の質量ともに違いがありすぎる。
それらの理由が重なり王族貴族部族氏族は恐怖を感じありったけの人数を出した。まあコネや縁故採用をありったけ行使し形だけの戦力の強化が行われたがその中身はお察しの通りだ。冒険者ギルドの評価基準が大幅に変わり強権発動が出来なくなってしまった。冒険者プレートの中身を弄ることも不可能となる。
こうなってくると自力で戦力を整えざるを得なくなる。
だけども、鳥籠の中で育ち過剰な餌を要求し肥大化した雛鳥では自然界で生き延びられない。自力で飛べない鳥は容赦なく餌とされてしまう運命だ。脅威が隣接している国は雛鳥とはいえ甘やかさないがそうではない国は愛玩動物のように雛鳥を甘やかしてしまった。
果たして、どれだけの鳥が生き残れるのか。脅威は逃げても逃げても追いかけてくる、地獄の果てまで。
賽は投げられたのだし駒は今後も増えていくだろう。どれほど生き残れるかそれもまた秩序と混沌の都合次第だろう。
さて、密かに調査を続けているがおおよその事情が見えてくる。
上の者は文字通り金で身分を買った連中だ。都合のいい夢と邪魔な同胞をいかに早く殺すか考えていた。
中の者はある程度の家柄の者である程度は権限が保障されているがいざとなれば身代わりとなる連中。
下の者は文字通りの生贄の羊だ。一刻も早く処理され食卓に並ぶ料理の材料の一つでしかない存在。
この3者だけだ。中立的な立場もいるにはいるが日和見主義なのだろう。その時有利な相手に媚びを売るだけの存在でしかない。
僕は情報収集を終えて仲間が待つコテージに戻る。
『おかえりなさーい』
このコテージの中だけで生活が完結するので馬鹿が近寄らないように仲間は外出禁止にしている。
「で、どうだったの?あいつらの中身は」「大体予想は出来ますけど」
ミーアとエメリアが率直に聞いてくる。
「権力争いと身分の格差を押し通し下に身代わりをさせ一刻も早く食材になる運命の羊しかいなかった」
「やはり国の中のことになるとそうなってくるでしょうな」「本当に自分勝手ですね。部族氏族も相変わらずですし」
バーゼルもシェリルもどこもかしこも政治の話ばかりで良い印象を持っていなかった。
「まぁ、だからこそ僕たちにとっては稼ぎ場になる。もうそろそろ焦ってるんじゃないのかな」
「ええ、手紙の内容がだんだん荒れて来てます」「もう返せるものは返し終わりましたけど」
「だんだん部族氏族の傲慢さが顔を出してきましたな」「今現在の状況は芳しくありません」
ミーアエメリアバーゼルシェリルら4人はもう手紙で「故郷に帰ってこい。今後はそれ相応に扱う」そんな内容の手紙が来ていた。返すべき金などはもう支払い済みなため今後はよほどのことが無いと手紙の内容を無視するようだし最低限しかこちらの状況を教える必要はないと判断した。
今ならまだコントロールが効くため都合の良い駒として使われてしまうため距離を取ると。
ラグリンネとエトナも故郷に金を送っているが個人名義だ。彼女らが崇めている存在は現教会とは信仰対象が違うため教会の影響下から離れている。なので、もうこれからは自分自身の人生のために働くようだ。
「君はどうする」
「母国への忠誠も家族への恩義も証明し終わりました。これからは自分自身と信頼できる仲間のために戦います」
セシルもまた家族一族の都合で人生を翻弄されていた身の上だ。あの連中のせいでどれだけの同胞が無駄死にしたのか、それをまるで「都合の悪い物語」その一存だけで抹消されたことが許せなかった。彼自身騎士としてどれだけ高みに行けるとかという願いもある。
高い場所に至る、それについては仲間全員が目指している最大の目標だ。そこまで導くのが僕の仕事だろう。
「しばらくは待機ですね」
「状況の進展を待つのは性に合いませんけど」
「早く暴れたくて仕方ありませんなぁ」
「早く自滅してくれませんかね」
「主よ、彼らに慈悲は必要ありません」
「いやぁー、馬鹿なだけじゃなく志願してまで死地に行くとはねー」
「あいつら、早くその罪を清算してくれ」
もう仲間全員が彼らが悲惨な末路に進むのを心待ちにしている。その分だけ自分らが高みに行けるから、理由はそれだけ。奴らは自分らがやられ役扱いだとは微塵も感じていない。上が必ず生き延びられるわけじゃないし下が必ず死ななければならない運命ではない。
こればっかりはその時その時で違う。
僕らの予想どおり、赤護騎士団は悪い目ばかりを引き続けるだけではなくその進路さえも危険な方向へと進み始めてしまう。
敗北惨敗壊滅逃亡、繰り返される悲惨な運命。そのたびに補充される人々と品々。オイオイ、さすがに限度ってものを知らないのか?必要な労働者とか下級民とか送り込んでくるなよ。そうなったら国が回らなくなるからな。
今日生きている存在が明日にはいなくなっているという異常事態にも関わらずそれは繰り返される。さすがに回数を数えるのすら面倒になってくる。さすがの冒険者ギルドもこの異常事態とその時間の長さにこれではただひたすらに命の擦り減らしが行われ続ける状況に限界が来た。
「依頼の受注は今後不可能にします」
「どうしてだ!我らは冒険者の本分を全うするために来てるんだぞ」
「お前らがやっていることはただの無駄な間引きです。人命の尊重など何も考えてないと判断しました」
「冒険者とはそういう商売であろうが!」
「それについては異論はありませんが内容を誤解しているご様子ですね」
国が軍を動かせない状況だからこそ冒険者が動く。でも、お前たちは軍に匹敵する戦力を送り込み無駄死にさせていること。このままでは自国の防衛の戦力が足りなくなる恐れがある。そうなった時国に兵が足りなかったらどうなるか。間違いなく滅んでしまう。
そうなると難民が大量に出現し諸国に流れ大混乱を引き起こしてしまう。それは脅威への対応が遅れてしまう原因になる。そうなる前に手を引くかしかるべき人物に問題解決を任せろと。
「我らがその資格がないというのか。それはおかしい。まだ猶予はあるはずだ」
「ふざけるな!あれだけの犠牲者を出しておきながら無視するのですか。あなたは他国と戦争でも引き起こす気ですか!不用意な戦争の勃発は世界協定で禁止されてるんですよ。お前らは諸国から敵対視されたいのですか?」
「い、いや、そういう訳ではない…だが。まだ結果が出ていない状況なのだ。この状況で帰ればどんな非難がやってくるか」
「猶予を与えろと?それはこれまで死んだ人たちへの冒涜ですよ。お前らの壁になって死んだ人々に頭を下げられないなら私達が強引にでも下げさせてあげますよ」
もう今後は討伐依頼への参加権限は剥奪、騎士団は奉仕活動に従事してもらう決定を出す。
「そんな決定は横暴だぞ。冒険者ギルドは国の管理下にあるはずだ」
「国とはあなた方だけではありません。お前らの国の都合だけ押し付けられても困ります」
「では、我らが活動できる場所はどこにあるのだ」
「自分達の国だけでしょう。モンスターを倒したいのなら国の目が届く範囲でしてください」
これは不味いことになった。自分達の国にはダンジョンはないしモンスターの脅威もさして強くないからだ。逆に言えば安全な物資生産地としては非常に重要だった。
冒険者ギルドはそこを評価していたのだがこれ以上馬鹿がつけあがり無駄な犠牲者を出す前に国力の増強に注力してほしい。脅威が来たら冒険者を派遣するから。それが温情だった。
だけども、彼らからするとそれは死刑宣言に等しい。貴族家などからの突き上げは激しさを増しており「早く冒険者として等級を上げさせろ」矢のような催促が来ている。その彼らが無駄死にしたと分かれば大規模な反乱がおきてしまうだろう。
そうなる前に結果を出したかったのだが上が無能なら下も無能の言葉通り出した結果が無駄に若い世代が大量に消える結果となった。
ここまでくればもう誰でも諦めるはずだが彼らは禁じ手を使う。無断でダンジョンに入る計画を立てたのだ。
前回と変わらず上は堕落し下が処罰される生活が続く。現実が分からない大半の隊員は本気で国の噂を本気で信じていたがごく一部ツテで現実を知っていた者らがいた。前に来た黒翼騎士団の関係者だった。
彼らは前回送り込まれた連中がいかに悲惨であったのかを知っていたので現状の部隊が機能不全でまともに依頼をこなせないものだと。それが噂ではなく現実だとここで理解した。
前回の依頼の生き残り組もこの騎士団が本当に活躍出来るなどまったくもって可能性がないことに絶望していた。なので両者の利害が一致するのは簡単だった。上の将官が不真面目なのには理由があるはずだと、その結論に至った。
そう、上の指揮官らが現状を知らない、もしくは無視しているは複数ある。
まず最初は自分らに都合のいい家々の者だけを残すという算段。自分らに従順で賄賂を惜しみなく送る家々の者だけは後方待機という形で生き延びさせていた。
二つ目は反抗的もしくは批判的な家の力を削ぐという算段。国というのは権力闘争が頻発するので現状を憂いたりもしくは真実に辿り着いた者らがいること。その家の家族を可能な限り減らしておく必要があった
3つ目は家の乗っ取りである。家族らが大量死すれば当然婚姻相手に困るためコントロールが効くように事前にある程度自分らの一族を残しておいて後継者不在となった家を婚姻で財産を奪い取る算段。
4つ目は単純に口減らしのため。もうすでにお国では生まれがいいのに努力を怠る無能者が飽和状態であった。能力が足りず審査試験の段階で次々落ちていくため仕事先がない部屋住みが大勢存在していた。
5つ目が重要で本当に混沌の脅威が各地で出現していたことだ。オーガやヘッドハンターなど本気で実力者でないと倒せないモンスターが各地で確認された事。その上位個体ですら出現するかもという危機感がある。
最後の理由が本当に大きくて形だけしか残ってない軍勢では太刀打ちできない。モンスターの脅威と隣接している国々とそうでない国々とでは兵士の質量ともに違いがありすぎる。
それらの理由が重なり王族貴族部族氏族は恐怖を感じありったけの人数を出した。まあコネや縁故採用をありったけ行使し形だけの戦力の強化が行われたがその中身はお察しの通りだ。冒険者ギルドの評価基準が大幅に変わり強権発動が出来なくなってしまった。冒険者プレートの中身を弄ることも不可能となる。
こうなってくると自力で戦力を整えざるを得なくなる。
だけども、鳥籠の中で育ち過剰な餌を要求し肥大化した雛鳥では自然界で生き延びられない。自力で飛べない鳥は容赦なく餌とされてしまう運命だ。脅威が隣接している国は雛鳥とはいえ甘やかさないがそうではない国は愛玩動物のように雛鳥を甘やかしてしまった。
果たして、どれだけの鳥が生き残れるのか。脅威は逃げても逃げても追いかけてくる、地獄の果てまで。
賽は投げられたのだし駒は今後も増えていくだろう。どれほど生き残れるかそれもまた秩序と混沌の都合次第だろう。
さて、密かに調査を続けているがおおよその事情が見えてくる。
上の者は文字通り金で身分を買った連中だ。都合のいい夢と邪魔な同胞をいかに早く殺すか考えていた。
中の者はある程度の家柄の者である程度は権限が保障されているがいざとなれば身代わりとなる連中。
下の者は文字通りの生贄の羊だ。一刻も早く処理され食卓に並ぶ料理の材料の一つでしかない存在。
この3者だけだ。中立的な立場もいるにはいるが日和見主義なのだろう。その時有利な相手に媚びを売るだけの存在でしかない。
僕は情報収集を終えて仲間が待つコテージに戻る。
『おかえりなさーい』
このコテージの中だけで生活が完結するので馬鹿が近寄らないように仲間は外出禁止にしている。
「で、どうだったの?あいつらの中身は」「大体予想は出来ますけど」
ミーアとエメリアが率直に聞いてくる。
「権力争いと身分の格差を押し通し下に身代わりをさせ一刻も早く食材になる運命の羊しかいなかった」
「やはり国の中のことになるとそうなってくるでしょうな」「本当に自分勝手ですね。部族氏族も相変わらずですし」
バーゼルもシェリルもどこもかしこも政治の話ばかりで良い印象を持っていなかった。
「まぁ、だからこそ僕たちにとっては稼ぎ場になる。もうそろそろ焦ってるんじゃないのかな」
「ええ、手紙の内容がだんだん荒れて来てます」「もう返せるものは返し終わりましたけど」
「だんだん部族氏族の傲慢さが顔を出してきましたな」「今現在の状況は芳しくありません」
ミーアエメリアバーゼルシェリルら4人はもう手紙で「故郷に帰ってこい。今後はそれ相応に扱う」そんな内容の手紙が来ていた。返すべき金などはもう支払い済みなため今後はよほどのことが無いと手紙の内容を無視するようだし最低限しかこちらの状況を教える必要はないと判断した。
今ならまだコントロールが効くため都合の良い駒として使われてしまうため距離を取ると。
ラグリンネとエトナも故郷に金を送っているが個人名義だ。彼女らが崇めている存在は現教会とは信仰対象が違うため教会の影響下から離れている。なので、もうこれからは自分自身の人生のために働くようだ。
「君はどうする」
「母国への忠誠も家族への恩義も証明し終わりました。これからは自分自身と信頼できる仲間のために戦います」
セシルもまた家族一族の都合で人生を翻弄されていた身の上だ。あの連中のせいでどれだけの同胞が無駄死にしたのか、それをまるで「都合の悪い物語」その一存だけで抹消されたことが許せなかった。彼自身騎士としてどれだけ高みに行けるとかという願いもある。
高い場所に至る、それについては仲間全員が目指している最大の目標だ。そこまで導くのが僕の仕事だろう。
「しばらくは待機ですね」
「状況の進展を待つのは性に合いませんけど」
「早く暴れたくて仕方ありませんなぁ」
「早く自滅してくれませんかね」
「主よ、彼らに慈悲は必要ありません」
「いやぁー、馬鹿なだけじゃなく志願してまで死地に行くとはねー」
「あいつら、早くその罪を清算してくれ」
もう仲間全員が彼らが悲惨な末路に進むのを心待ちにしている。その分だけ自分らが高みに行けるから、理由はそれだけ。奴らは自分らがやられ役扱いだとは微塵も感じていない。上が必ず生き延びられるわけじゃないし下が必ず死ななければならない運命ではない。
こればっかりはその時その時で違う。
僕らの予想どおり、赤護騎士団は悪い目ばかりを引き続けるだけではなくその進路さえも危険な方向へと進み始めてしまう。
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今日生きている存在が明日にはいなくなっているという異常事態にも関わらずそれは繰り返される。さすがに回数を数えるのすら面倒になってくる。さすがの冒険者ギルドもこの異常事態とその時間の長さにこれではただひたすらに命の擦り減らしが行われ続ける状況に限界が来た。
「依頼の受注は今後不可能にします」
「どうしてだ!我らは冒険者の本分を全うするために来てるんだぞ」
「お前らがやっていることはただの無駄な間引きです。人命の尊重など何も考えてないと判断しました」
「冒険者とはそういう商売であろうが!」
「それについては異論はありませんが内容を誤解しているご様子ですね」
国が軍を動かせない状況だからこそ冒険者が動く。でも、お前たちは軍に匹敵する戦力を送り込み無駄死にさせていること。このままでは自国の防衛の戦力が足りなくなる恐れがある。そうなった時国に兵が足りなかったらどうなるか。間違いなく滅んでしまう。
そうなると難民が大量に出現し諸国に流れ大混乱を引き起こしてしまう。それは脅威への対応が遅れてしまう原因になる。そうなる前に手を引くかしかるべき人物に問題解決を任せろと。
「我らがその資格がないというのか。それはおかしい。まだ猶予はあるはずだ」
「ふざけるな!あれだけの犠牲者を出しておきながら無視するのですか。あなたは他国と戦争でも引き起こす気ですか!不用意な戦争の勃発は世界協定で禁止されてるんですよ。お前らは諸国から敵対視されたいのですか?」
「い、いや、そういう訳ではない…だが。まだ結果が出ていない状況なのだ。この状況で帰ればどんな非難がやってくるか」
「猶予を与えろと?それはこれまで死んだ人たちへの冒涜ですよ。お前らの壁になって死んだ人々に頭を下げられないなら私達が強引にでも下げさせてあげますよ」
もう今後は討伐依頼への参加権限は剥奪、騎士団は奉仕活動に従事してもらう決定を出す。
「そんな決定は横暴だぞ。冒険者ギルドは国の管理下にあるはずだ」
「国とはあなた方だけではありません。お前らの国の都合だけ押し付けられても困ります」
「では、我らが活動できる場所はどこにあるのだ」
「自分達の国だけでしょう。モンスターを倒したいのなら国の目が届く範囲でしてください」
これは不味いことになった。自分達の国にはダンジョンはないしモンスターの脅威もさして強くないからだ。逆に言えば安全な物資生産地としては非常に重要だった。
冒険者ギルドはそこを評価していたのだがこれ以上馬鹿がつけあがり無駄な犠牲者を出す前に国力の増強に注力してほしい。脅威が来たら冒険者を派遣するから。それが温情だった。
だけども、彼らからするとそれは死刑宣言に等しい。貴族家などからの突き上げは激しさを増しており「早く冒険者として等級を上げさせろ」矢のような催促が来ている。その彼らが無駄死にしたと分かれば大規模な反乱がおきてしまうだろう。
そうなる前に結果を出したかったのだが上が無能なら下も無能の言葉通り出した結果が無駄に若い世代が大量に消える結果となった。
ここまでくればもう誰でも諦めるはずだが彼らは禁じ手を使う。無断でダンジョンに入る計画を立てたのだ。
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