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リーヴリル、西部に行く6
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西部軍と共に戦い拠点の魔物を一掃することに成功したわたしは物資の補充を行った。とくにポーションなどはいくらあっても困らないと思い過剰すぎるほどに足してある。それが終わるとユラ王妃たちに追いつくために移動しなくてはいけないのだが、
「どこに行けばいいんだろうか?」
目的地を聞いていないので行き先が分からないのだ。先に聞いておくべきだったのだがうっかり忘れていたのだ。
「まいったなぁ」
このままではわたし抜きで交渉が終わってしまう。
「それなら私のお母様に会いに行きませんか?」
シャンクトゥラの提案。そういえばガリューク家は西部でも有数の貴族だと聞いていたね。多分交渉に参加してるだろうから場所を教えてもらえるだろう。
「わかった」
「それでは戦士長、後のことはお願いします」
「了解しました」
【空駆ける馬車】で目的地まで一気に行くことにした。魔物討伐に7日も時間を潰したため急がなくてはいけない。そうしてガリューク家が治める領地に付くと都市の雰囲気が明らかにおかしい。
「これは!」
目にした光景はほとんどの人がもがき苦しむ姿だった
「シャンクトゥラ!近づかないで!」
「でも、人々が苦しんでいるのに何もしないなんてできません!」
彼女の気持ちは理解できるがこの状況で迂闊な行動はさらに危険なのだ。
(これだけ大勢の人が苦しんでいるのは何かの毒か伝染病か?発生源を調べたいがまずは患者に適切な処置を施さなくてはいけない)
【ゴーレム召還】を使って呼び出す。彼女たちは生物ではないので病気感染の心配がない。彼女たちに万能薬を大量に持たせて治療に当たらせる間に町の中を調べる。発生源を突き止めなければすぐさま同じことになるからだ。
(どの世界でも同じ感染源だと思うけど)
大きく分けると空気感染と接触感染とある。とくに生活で使う水回りに注意を払う。井戸の水をくみ出してみるとこの原因が分かった。
(どうやら井戸の水が汚染されていたようだな。この世界では水などに毒や細菌などが混じった場合見つける技術がない・・・でも、これは)
病気の原因は突き止めたがあまりに不自然すぎる。あの拠点の井戸や近くの川は汚染されていなかった、なのにその近くにあるのになぜここだけが汚染されていたのか?他の井戸も汚染されていて考えられるのは誰かが故意に病気を蔓延させたのだろう。だけど、毒物は証拠が残るので処分が大変だが細菌ならばその問題を解決できる。この世界の常識ではまだ細菌に関係する技術や知識はないはずだが。
(とにかく問題を解決して犯人を見つけ出さないと)
井戸の水はすべて殺菌処理を行い犯人を見つけだすことにした。いるのかどうかは分からないが何かしらの確認する人を残しているはずだ。
すると、門から出て行こうとする数人を見つける。
「あなた達は何をしているの?」
「へ、へぇ。この町の状況を他の場所に伝えようとしているところですが」
一見するとただの旅人のようだがわたしが興味があるのは持っている荷物だ。
「急いで伝えないと町の人たちが死んでしまうよ」
離れていこうとするが時間がないので単刀直入に言う。
「確かに酷い状態だよね。体調を悪化させる悪性の菌を井戸の中に放り込んだのだから」
そのとたん表情を一変させて逃げ出そうとする全員を捕縛する。
「この人達は誰ですか?」
「あ、うん。この町の状況を作り出した犯人らしき人」
全員を縄で縛り持っていた荷物を確認すると思い描いていた道具を大切に入れてあった。
「この道具は一体なんですか?ガラス製で何に使うのか分かりませんが」
「それは後で説明する。すまないけど牢屋などを借りるね」
彼らを一纏めで放り込む。とりあえず明日になってから説明することにした。あの万能薬の効果なら1日もあれば大分回復する。その間に取り上げた道具でなぜこのようなことが起こったのかの証拠を作ることにした。材料なども彼らは持っていてこれならすぐにできる。
「町の危機を助けていただきありがとうございます。ルミティ・キャスベル=ガリュークといいます。聞けば娘の命を助けていただいた恩人だとか」
翌日ここの領主の妻でありシャンクトゥラの母親で領主代理をしている女性にあう。ほとんどの人は回復しているが後数日は薬を飲ませないと完治したとは言えない事を説明する。
「そうですか。では、いったいなぜこのようなことになったのでしょうか?西部では毒物の製作や販売は禁止されていてどこでも厳重な検査が行われていますが今回はその毒物が見つかりませんでした。あなたには何か心当たりがあるのでしょう」
周りの人たちもどうしてこうなったのか理解できないらしい。
「今回の事件は毒ではなく細菌で問題が起こったからです」
「細菌?」
一つ一つそれを説明する。
「細菌とは目に見えない生物で特殊な道具がなければ発見することは不可能です。と、いっても百聞は一見にしかずとも言います。まずはこれを見てください」
ガラス製の特殊な皿を出しそれを道具を使って見てもらうことにした。
「なんですかこれは!?」
そこには元気な何かがウヨウヨと動いている物だった。
「驚くのも当然でしょう。まだこれはこの世界の常識では考えられませんがこのような物がそこらじゅうにウヨウヨいます。大地にも水にも人のそばにも」
汚い物を見たような表情の全員。
「これとどういう関係があるのでしょうか」
「汚い例えになりますが動物の糞尿などを纏めて置いてしばらく放置すると匂いが薄まるでしょう。あれは細菌が働いて糞尿を分解しているからです。細菌には善性と悪性があり前者は自然や生物に良い影響を与え後者は逆にあります。牢屋に捕らえているヤツラが悪性の細菌を持ち込んで特殊な道具などで培養して井戸などに放り込んでさらに増殖させてしまったのです。そうして今回の事件がおきました」
「そのような知識や技術は初めて聞きます。私達はそれなりに情報に精通していますがそんなものがあることなど知りません。あなたはどうしてそのことを知っているのですか?」
全員が聞きたいようだが時間がない。
「すみませんがわたしが全部説明しても良いのですが順序立てしないといけませんし他の場所でも同じことが起こる可能性があるので時間がありません。まずは捕らえた人達に話を聞きましょうか」
これの出所を知るためには彼らに聞いた方が早いのだから。
「どこに行けばいいんだろうか?」
目的地を聞いていないので行き先が分からないのだ。先に聞いておくべきだったのだがうっかり忘れていたのだ。
「まいったなぁ」
このままではわたし抜きで交渉が終わってしまう。
「それなら私のお母様に会いに行きませんか?」
シャンクトゥラの提案。そういえばガリューク家は西部でも有数の貴族だと聞いていたね。多分交渉に参加してるだろうから場所を教えてもらえるだろう。
「わかった」
「それでは戦士長、後のことはお願いします」
「了解しました」
【空駆ける馬車】で目的地まで一気に行くことにした。魔物討伐に7日も時間を潰したため急がなくてはいけない。そうしてガリューク家が治める領地に付くと都市の雰囲気が明らかにおかしい。
「これは!」
目にした光景はほとんどの人がもがき苦しむ姿だった
「シャンクトゥラ!近づかないで!」
「でも、人々が苦しんでいるのに何もしないなんてできません!」
彼女の気持ちは理解できるがこの状況で迂闊な行動はさらに危険なのだ。
(これだけ大勢の人が苦しんでいるのは何かの毒か伝染病か?発生源を調べたいがまずは患者に適切な処置を施さなくてはいけない)
【ゴーレム召還】を使って呼び出す。彼女たちは生物ではないので病気感染の心配がない。彼女たちに万能薬を大量に持たせて治療に当たらせる間に町の中を調べる。発生源を突き止めなければすぐさま同じことになるからだ。
(どの世界でも同じ感染源だと思うけど)
大きく分けると空気感染と接触感染とある。とくに生活で使う水回りに注意を払う。井戸の水をくみ出してみるとこの原因が分かった。
(どうやら井戸の水が汚染されていたようだな。この世界では水などに毒や細菌などが混じった場合見つける技術がない・・・でも、これは)
病気の原因は突き止めたがあまりに不自然すぎる。あの拠点の井戸や近くの川は汚染されていなかった、なのにその近くにあるのになぜここだけが汚染されていたのか?他の井戸も汚染されていて考えられるのは誰かが故意に病気を蔓延させたのだろう。だけど、毒物は証拠が残るので処分が大変だが細菌ならばその問題を解決できる。この世界の常識ではまだ細菌に関係する技術や知識はないはずだが。
(とにかく問題を解決して犯人を見つけ出さないと)
井戸の水はすべて殺菌処理を行い犯人を見つけだすことにした。いるのかどうかは分からないが何かしらの確認する人を残しているはずだ。
すると、門から出て行こうとする数人を見つける。
「あなた達は何をしているの?」
「へ、へぇ。この町の状況を他の場所に伝えようとしているところですが」
一見するとただの旅人のようだがわたしが興味があるのは持っている荷物だ。
「急いで伝えないと町の人たちが死んでしまうよ」
離れていこうとするが時間がないので単刀直入に言う。
「確かに酷い状態だよね。体調を悪化させる悪性の菌を井戸の中に放り込んだのだから」
そのとたん表情を一変させて逃げ出そうとする全員を捕縛する。
「この人達は誰ですか?」
「あ、うん。この町の状況を作り出した犯人らしき人」
全員を縄で縛り持っていた荷物を確認すると思い描いていた道具を大切に入れてあった。
「この道具は一体なんですか?ガラス製で何に使うのか分かりませんが」
「それは後で説明する。すまないけど牢屋などを借りるね」
彼らを一纏めで放り込む。とりあえず明日になってから説明することにした。あの万能薬の効果なら1日もあれば大分回復する。その間に取り上げた道具でなぜこのようなことが起こったのかの証拠を作ることにした。材料なども彼らは持っていてこれならすぐにできる。
「町の危機を助けていただきありがとうございます。ルミティ・キャスベル=ガリュークといいます。聞けば娘の命を助けていただいた恩人だとか」
翌日ここの領主の妻でありシャンクトゥラの母親で領主代理をしている女性にあう。ほとんどの人は回復しているが後数日は薬を飲ませないと完治したとは言えない事を説明する。
「そうですか。では、いったいなぜこのようなことになったのでしょうか?西部では毒物の製作や販売は禁止されていてどこでも厳重な検査が行われていますが今回はその毒物が見つかりませんでした。あなたには何か心当たりがあるのでしょう」
周りの人たちもどうしてこうなったのか理解できないらしい。
「今回の事件は毒ではなく細菌で問題が起こったからです」
「細菌?」
一つ一つそれを説明する。
「細菌とは目に見えない生物で特殊な道具がなければ発見することは不可能です。と、いっても百聞は一見にしかずとも言います。まずはこれを見てください」
ガラス製の特殊な皿を出しそれを道具を使って見てもらうことにした。
「なんですかこれは!?」
そこには元気な何かがウヨウヨと動いている物だった。
「驚くのも当然でしょう。まだこれはこの世界の常識では考えられませんがこのような物がそこらじゅうにウヨウヨいます。大地にも水にも人のそばにも」
汚い物を見たような表情の全員。
「これとどういう関係があるのでしょうか」
「汚い例えになりますが動物の糞尿などを纏めて置いてしばらく放置すると匂いが薄まるでしょう。あれは細菌が働いて糞尿を分解しているからです。細菌には善性と悪性があり前者は自然や生物に良い影響を与え後者は逆にあります。牢屋に捕らえているヤツラが悪性の細菌を持ち込んで特殊な道具などで培養して井戸などに放り込んでさらに増殖させてしまったのです。そうして今回の事件がおきました」
「そのような知識や技術は初めて聞きます。私達はそれなりに情報に精通していますがそんなものがあることなど知りません。あなたはどうしてそのことを知っているのですか?」
全員が聞きたいようだが時間がない。
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