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極寒の大陸編
再び同胞が現れる。奇跡には代償が必要になる
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少しづつコロニーの環境改善と強化をしながらの時間が過ぎていく際中。
「申し上げます。こちらに近づいてくる集団あり。同胞です。いかがいたしましょうか」
返ってきた調査隊の一員が族長らに報告する。
「数はどれほどだ」
「50ほどです」
「そのぐらいの数ならば受け入れても食料の配給は問題なかろう」
しかし、その中身が問題ありならばその限りではない、と。両族長は言葉を口にする。前の2回のように暴君が混じっていたり同胞を実験材料にするような思想の持ち主が混じっていた場合は即刻始末をつける。
ここでは危険思想を持つことは決して許されないのだから。
「それでよろしいでしょうか」
「わしらとて苦境に苦しむ同胞に手を差し伸べたいのじゃ」
「ま、別にいいんじゃないの。その程度の数ぐらいなら」
居住区も確保しているし食料も確保に問題ない、両族長も現実を理解しているし僕自身には反対の意見は出す気はない。
要は秩序を乱さなければいいだけ、ただそれだけ。
僕の同意を経て放浪している同胞達と連絡を取りコロニーへ迎え入れる。
「『白』色を生み出す御剣よ、病魔に苦しむ命を救いたまえ」
『おお!あれほどの苦痛をもたらす病が消えさった!ありがとうございます御使い様!』
僕の持つ石の短剣から白い輝きが発生し目の前のヴァンパイア族の少女の病を癒す。新たにやってきたヴァンパイア族とダークエルフ族は飢餓と病魔に苦しむ人数がとても多かった。
話を聞いたら洞窟に隠れ住んでいたが病魔に一斉に感染して追い出すしか方法が無かったようだ。ここに来る途中で何人も命を落としてしまったようだ。
もう生き残れれば満足、そんな感じである。
「危険思想をもってないのは幸いですわね」
「とはいえ、まだまだ同胞たちは苦境に立たされているわけです」
「うん、彼らが元気になったら詳しく話を聞いて迎えに行く必要があるかも」
彼らが元居た場所にも同胞たちが残っている。まだ中の状態は分からないがこの様子では苦渋の決断だったのだろうと思う。
病魔を全て取り除いた後食事の配給を行う。焼いた肉や魚などを素手で掴み涙を流しながら食べる様子は痛々しいことこの上なかった。
その後彼らにはこのコロニーで守るべき秩序を同胞達から説明される。もう共食いしなくても食料の配給があることに彼らは大喜びだった。
この後しばらく療養をして体力の回復を待ちつつ話を聞く。その後族長ら中心人物らで会議をする。
「話を聞いた限りでは生き残りは400人を超えるそうだよ」
「そんな人数、いきなり受け入れられませんわね」
「ええ、大人数すぎます。こちらとてギリギリなのですから」
「前回の連中とは違うと思うが馬鹿が現れんとも限らん」
「そうじゃな。助けたいのはやまやまじゃがしばらく放置するしかなかろう」
いくら僕でもそんな人数を保護できるほど万能ではない、ここに辿り着いた者達の分でさえ何とか捻出している状態なのにそんな大人数やってきたらやはり共食いをせざるを得ない。ここではそれは絶対に禁止なのだから。それは守らなければならない。
皆が僕の方を見る。
『何とかしてもらえないだろうか?』
その一心だ。
御使いならば、神の恩寵が使える。それならば可能では、そう考えている。こういう解決策はあまり好ましくないのだが今回の状況は予断を許さない。
まずは僕が崇める神に嘆願し重い代償を失わない範囲で可能な奇跡を考えてみることにした。
居住区で願い祈り奇跡の嘆願を行う(そういうポーズ)をして両種族を苦境から救う願いを進言する。神が答えてくれるのか分からないので僕の方で納得できるアイデアはあるのだ。
しばらくののち。
『ど、どうでしたか?』
皆が僕に視線を集める。
「……とりあえず、生き残りを全員連れて来ても環境や食べ物には当面どうにかなる奇跡は、貰える」
『本当ですか!』
全員に希望の笑顔が生まれる。
「ただ、その…」
奇跡の実現化には対価が必要だと、先に決めていた言葉を出す。それは皆覚悟してたのだろう。真剣な表情になる。
『肉体の一部を代償として神の供物とする』
「や、やっぱり…」
やはり生贄が必要なのか?。皆がそう思うが。
「あ、いや、一人でならともかく人数がいれば負担する部分も人数分になるから供物はさして多くなくなる、けど」
具体的に説明する。
「供物は『髪』なのですか?」
「うん、確保した人数の髪を指2本分ぐらいの長さを切って供物にすれば何とかしてくれるそうだよ」
ただし、切った髪はそれ以上伸びず数世代それは継続することになること。それが奇跡を願う代償だと。
「意外と軽いんですねぇ」
「私達からすると勝手に伸びる髪は煩わしいですが」
「神々からすると豊かに伸びる髪は幸せの象徴という認識だからだろうと、思う」
両族長と族姫二人から説明させる。ヴァンパイア族もダークエルフ族も「その程度の代償でよいなら軽いものです」全員納得した。
全員の意思が一致したところで僕とフェリスゥマグナとインティライミはここに流れてきた者達から生き残りの居場所を聞き迎えに行くことにする。
雪が吹きすさぶ中、情報だけを頼りにその場所まで進んでいく。二人の能力があればこの極寒の中でもある程度問題なく進めるのだがやはり完全には防げない。急ぎその場所まで向かう。
そこは、やはり氷山を削り穴とした場所だった。
中に入る。
『……』
沈黙だけがあった。
瞳は濁り虚ろで生命感が無く体はガリガリに痩せ細りただひたすらに耐えるだけ、そばには血痕と死体らしき物が転がっていた。骨も相当な数だった。これ以上の説明は残酷だろう。
彼らは僕らがここに入ってきたことさえ認識できてなかった。
「これは、また…」
「ちょっと、これは…」
二人とも想像以上の事態に言葉が出てこないようだ。そこにいたのは感情のない肉の塊であることに。急ぎ希望を与えなければ彼らは永遠に『生命』になれない。
「『白』色を生み出す御剣よ、迷い苦しむ生命に希望の光を与えよ」
石の短剣から白い光が生まれ洞窟内を照らし出す、それは洞窟内の生き残りに希望の光を与える。
『う、ううっ、わ、われら、は…』
どうやら少しばかり自我を取り戻したようだ、話したい内容も混ぜ込んでいるのでしばし待つことにする。
『こ、ここ、より、離れた、場所に、ら、楽園が、ある』
少しずつかれらに希望の意思が現れ始める。何人かがこちらを認識し始めた。それが徐々に広がっていく。
『楽園に住みたいか』
全員がこちらを認識したところでフェリスゥマグナとインティライミが問う。
全員が縋り付くかのように祈り出す。
『…じ、慈悲を、恵みを、た、食べ物を…」
僕は虚空庫から事前に用意してきた食料を取り出す。ドサドサ、と。焼けた肉や魚や野菜を山積みにする。彼らはそれを無心で腹の中に入れていく。
全員が食い終わったところで宣言する
「行くよ」
コクリ、と。首少しを縦に振る全員。極寒の外に出てコロニーまで辿り着かせなくてはならない。僕らはサインを使い彼らを守りながらコロニーまで向かう。
彼らはの状態は限界寸前なので歩みは遅い。それらを支えながら前に進む。
体力も残りわずかなため途中モンスターを狩って食い扶持とすること数回、何とかコロニーまで脱落者を出さず辿り着いた。
「病人はこちらで請け負う。各自同胞たちのために介護してあげて」
『はいっ』
何とか辿り着いたがかなりギリギリだった。一刻も早く休息を取らせる。食べ物を与えて体力も回復させる、わずかな備蓄もありったけ出した。
しばらくののち、何とか話が通じる状態まで回復し代表者たちと話し合う。
「代償を、差し出せ、ですか…」
「残念ながらこれだけの人数だとコロニーは維持できん。神々に代償を支払い、奇跡を嘆願するしか生き延びる方法は無い」
「我らは、ここに住まえると?それだけで十分です、いかようにでも受け入れましょう」
代償は指2本分の長さの髪を切り神に捧げること、それを聞いてすぐ皆が髪を切り落とした。それを居住区の広場に集める。
「よし、これだけあれば十分。後は任せて」
神々への祈りの儀式(そういうポーズをするだけ)、祈祷師のようだが手順など意味不明だ。要は神に願い祈り奇跡を望む、それだけ。
(我が愛しき御使いよ、奇跡の嘆願を望む、その意思受け取りましたよ)
そんな声が聞こえたような気がした。
すると、あれだけの髪がすぐさま消え去った。どうやら成功のようだ。どうやら僕は疲れていたようでいつの間にか眠ったようだ。
「ミソギ、おはようございます」
「よかったよぉ、目を覚まして」
フェリスゥマグナとインティライミの顔が見えた。
「う、奇跡の方は?」
どうなったのかを聞く。二人は僕の手を取って外を見に行くように引っ張る。
「これはまた、大盤振る舞いだね」
外にあったのはいくつもの巨大建造物だった。それも3階建てである。その中に案内されると莫大な食料があった。それ以外にも開拓に役立つ道具も数多い。この分だと居住空間も相当な広さになるだろう。
「これだけあれば、あれだけの住人を受け入れても当分は食べ物に困りませんわ」
「そうですね。さすが御使いミソギです。神々はまだ私達を見放してないという事ですね」
もうすでにヴァンパイア族やダークエルフ族たちは神々から与えられた品々のチェックをしているようだ。
岩盤を軽々と掘れる鍬や鋤、錆びつかない包丁や鎌、極寒の寒さの中でも健康に育つ植物の苗や種、その他色々な品々。
その日は宴となる。
新たにやってきた者らは居住区に住み代表者を選出し今後のことについて真剣に語り合う事になった。
「申し上げます。こちらに近づいてくる集団あり。同胞です。いかがいたしましょうか」
返ってきた調査隊の一員が族長らに報告する。
「数はどれほどだ」
「50ほどです」
「そのぐらいの数ならば受け入れても食料の配給は問題なかろう」
しかし、その中身が問題ありならばその限りではない、と。両族長は言葉を口にする。前の2回のように暴君が混じっていたり同胞を実験材料にするような思想の持ち主が混じっていた場合は即刻始末をつける。
ここでは危険思想を持つことは決して許されないのだから。
「それでよろしいでしょうか」
「わしらとて苦境に苦しむ同胞に手を差し伸べたいのじゃ」
「ま、別にいいんじゃないの。その程度の数ぐらいなら」
居住区も確保しているし食料も確保に問題ない、両族長も現実を理解しているし僕自身には反対の意見は出す気はない。
要は秩序を乱さなければいいだけ、ただそれだけ。
僕の同意を経て放浪している同胞達と連絡を取りコロニーへ迎え入れる。
「『白』色を生み出す御剣よ、病魔に苦しむ命を救いたまえ」
『おお!あれほどの苦痛をもたらす病が消えさった!ありがとうございます御使い様!』
僕の持つ石の短剣から白い輝きが発生し目の前のヴァンパイア族の少女の病を癒す。新たにやってきたヴァンパイア族とダークエルフ族は飢餓と病魔に苦しむ人数がとても多かった。
話を聞いたら洞窟に隠れ住んでいたが病魔に一斉に感染して追い出すしか方法が無かったようだ。ここに来る途中で何人も命を落としてしまったようだ。
もう生き残れれば満足、そんな感じである。
「危険思想をもってないのは幸いですわね」
「とはいえ、まだまだ同胞たちは苦境に立たされているわけです」
「うん、彼らが元気になったら詳しく話を聞いて迎えに行く必要があるかも」
彼らが元居た場所にも同胞たちが残っている。まだ中の状態は分からないがこの様子では苦渋の決断だったのだろうと思う。
病魔を全て取り除いた後食事の配給を行う。焼いた肉や魚などを素手で掴み涙を流しながら食べる様子は痛々しいことこの上なかった。
その後彼らにはこのコロニーで守るべき秩序を同胞達から説明される。もう共食いしなくても食料の配給があることに彼らは大喜びだった。
この後しばらく療養をして体力の回復を待ちつつ話を聞く。その後族長ら中心人物らで会議をする。
「話を聞いた限りでは生き残りは400人を超えるそうだよ」
「そんな人数、いきなり受け入れられませんわね」
「ええ、大人数すぎます。こちらとてギリギリなのですから」
「前回の連中とは違うと思うが馬鹿が現れんとも限らん」
「そうじゃな。助けたいのはやまやまじゃがしばらく放置するしかなかろう」
いくら僕でもそんな人数を保護できるほど万能ではない、ここに辿り着いた者達の分でさえ何とか捻出している状態なのにそんな大人数やってきたらやはり共食いをせざるを得ない。ここではそれは絶対に禁止なのだから。それは守らなければならない。
皆が僕の方を見る。
『何とかしてもらえないだろうか?』
その一心だ。
御使いならば、神の恩寵が使える。それならば可能では、そう考えている。こういう解決策はあまり好ましくないのだが今回の状況は予断を許さない。
まずは僕が崇める神に嘆願し重い代償を失わない範囲で可能な奇跡を考えてみることにした。
居住区で願い祈り奇跡の嘆願を行う(そういうポーズ)をして両種族を苦境から救う願いを進言する。神が答えてくれるのか分からないので僕の方で納得できるアイデアはあるのだ。
しばらくののち。
『ど、どうでしたか?』
皆が僕に視線を集める。
「……とりあえず、生き残りを全員連れて来ても環境や食べ物には当面どうにかなる奇跡は、貰える」
『本当ですか!』
全員に希望の笑顔が生まれる。
「ただ、その…」
奇跡の実現化には対価が必要だと、先に決めていた言葉を出す。それは皆覚悟してたのだろう。真剣な表情になる。
『肉体の一部を代償として神の供物とする』
「や、やっぱり…」
やはり生贄が必要なのか?。皆がそう思うが。
「あ、いや、一人でならともかく人数がいれば負担する部分も人数分になるから供物はさして多くなくなる、けど」
具体的に説明する。
「供物は『髪』なのですか?」
「うん、確保した人数の髪を指2本分ぐらいの長さを切って供物にすれば何とかしてくれるそうだよ」
ただし、切った髪はそれ以上伸びず数世代それは継続することになること。それが奇跡を願う代償だと。
「意外と軽いんですねぇ」
「私達からすると勝手に伸びる髪は煩わしいですが」
「神々からすると豊かに伸びる髪は幸せの象徴という認識だからだろうと、思う」
両族長と族姫二人から説明させる。ヴァンパイア族もダークエルフ族も「その程度の代償でよいなら軽いものです」全員納得した。
全員の意思が一致したところで僕とフェリスゥマグナとインティライミはここに流れてきた者達から生き残りの居場所を聞き迎えに行くことにする。
雪が吹きすさぶ中、情報だけを頼りにその場所まで進んでいく。二人の能力があればこの極寒の中でもある程度問題なく進めるのだがやはり完全には防げない。急ぎその場所まで向かう。
そこは、やはり氷山を削り穴とした場所だった。
中に入る。
『……』
沈黙だけがあった。
瞳は濁り虚ろで生命感が無く体はガリガリに痩せ細りただひたすらに耐えるだけ、そばには血痕と死体らしき物が転がっていた。骨も相当な数だった。これ以上の説明は残酷だろう。
彼らは僕らがここに入ってきたことさえ認識できてなかった。
「これは、また…」
「ちょっと、これは…」
二人とも想像以上の事態に言葉が出てこないようだ。そこにいたのは感情のない肉の塊であることに。急ぎ希望を与えなければ彼らは永遠に『生命』になれない。
「『白』色を生み出す御剣よ、迷い苦しむ生命に希望の光を与えよ」
石の短剣から白い光が生まれ洞窟内を照らし出す、それは洞窟内の生き残りに希望の光を与える。
『う、ううっ、わ、われら、は…』
どうやら少しばかり自我を取り戻したようだ、話したい内容も混ぜ込んでいるのでしばし待つことにする。
『こ、ここ、より、離れた、場所に、ら、楽園が、ある』
少しずつかれらに希望の意思が現れ始める。何人かがこちらを認識し始めた。それが徐々に広がっていく。
『楽園に住みたいか』
全員がこちらを認識したところでフェリスゥマグナとインティライミが問う。
全員が縋り付くかのように祈り出す。
『…じ、慈悲を、恵みを、た、食べ物を…」
僕は虚空庫から事前に用意してきた食料を取り出す。ドサドサ、と。焼けた肉や魚や野菜を山積みにする。彼らはそれを無心で腹の中に入れていく。
全員が食い終わったところで宣言する
「行くよ」
コクリ、と。首少しを縦に振る全員。極寒の外に出てコロニーまで辿り着かせなくてはならない。僕らはサインを使い彼らを守りながらコロニーまで向かう。
彼らはの状態は限界寸前なので歩みは遅い。それらを支えながら前に進む。
体力も残りわずかなため途中モンスターを狩って食い扶持とすること数回、何とかコロニーまで脱落者を出さず辿り着いた。
「病人はこちらで請け負う。各自同胞たちのために介護してあげて」
『はいっ』
何とか辿り着いたがかなりギリギリだった。一刻も早く休息を取らせる。食べ物を与えて体力も回復させる、わずかな備蓄もありったけ出した。
しばらくののち、何とか話が通じる状態まで回復し代表者たちと話し合う。
「代償を、差し出せ、ですか…」
「残念ながらこれだけの人数だとコロニーは維持できん。神々に代償を支払い、奇跡を嘆願するしか生き延びる方法は無い」
「我らは、ここに住まえると?それだけで十分です、いかようにでも受け入れましょう」
代償は指2本分の長さの髪を切り神に捧げること、それを聞いてすぐ皆が髪を切り落とした。それを居住区の広場に集める。
「よし、これだけあれば十分。後は任せて」
神々への祈りの儀式(そういうポーズをするだけ)、祈祷師のようだが手順など意味不明だ。要は神に願い祈り奇跡を望む、それだけ。
(我が愛しき御使いよ、奇跡の嘆願を望む、その意思受け取りましたよ)
そんな声が聞こえたような気がした。
すると、あれだけの髪がすぐさま消え去った。どうやら成功のようだ。どうやら僕は疲れていたようでいつの間にか眠ったようだ。
「ミソギ、おはようございます」
「よかったよぉ、目を覚まして」
フェリスゥマグナとインティライミの顔が見えた。
「う、奇跡の方は?」
どうなったのかを聞く。二人は僕の手を取って外を見に行くように引っ張る。
「これはまた、大盤振る舞いだね」
外にあったのはいくつもの巨大建造物だった。それも3階建てである。その中に案内されると莫大な食料があった。それ以外にも開拓に役立つ道具も数多い。この分だと居住空間も相当な広さになるだろう。
「これだけあれば、あれだけの住人を受け入れても当分は食べ物に困りませんわ」
「そうですね。さすが御使いミソギです。神々はまだ私達を見放してないという事ですね」
もうすでにヴァンパイア族やダークエルフ族たちは神々から与えられた品々のチェックをしているようだ。
岩盤を軽々と掘れる鍬や鋤、錆びつかない包丁や鎌、極寒の寒さの中でも健康に育つ植物の苗や種、その他色々な品々。
その日は宴となる。
新たにやってきた者らは居住区に住み代表者を選出し今後のことについて真剣に語り合う事になった。
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