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極寒の大陸編
同胞が現れるのだが……
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前回大物を狩ってきたので将来に備えて居住スペースの拡張を行う。とりあえず2区画分だ。
「『水』『雪』『氷』「岩」『堅』『築』『建』のサインよ。力を表せ」
吹きすさぶ雪がすぐさま水に変わり氷となり四角形の塊となる。それを目的の広さまで置き積み上げていく。結着材も水でいいので楽だ。
ドドドドド、と。すごい速さで氷の塊が積み上がっていく。
「ふぅーっ、すごいわね、これ。これが御使いの力、かぁ」
「御使いって一人の神に忠誠を誓う存在だけど、本当にすごいですねぇ」
フェリスウマグナとインティライミはすごい速さで建築が進んでいることに半ば呆れているようだ。2つ建物が終わったのでこれで十分だろう。
氷の扉を開けて通り中の各所に生命神のサインを刻む。
「?何か、聞きたいことでもあるの」
「刻んでるのは何ですか」
「神々の力を借りるための契約書、というか、サイン」
『え?!』
二人がとても驚いた。
「何を驚いてるの?」
「貴方、御使いなのに、その意味を理解してませんわね」
「そうです。神々のサインは容易には与えられないんですから」
二人の話を要約すると神々が持つサインは本人以外基本使用不可能であり完全にオリジナルの物らしい。極々稀にサインを有した子供が現れたり授かったりしたりするらしいが継承方法は無く一代限り。
ただ、何の神のサインにせよ強大な力を授けられるらしい。
ただし、サインを真似するのは不可能でサインを刻めるのは本人か直系の極々一部だけでサインを刻める本人が地上世界に降臨したなど自分らは知らないそうだ。
つまり、効果を持つサインを刻める自分は神の意志そのものであり世界がそれを肯定している、それに反する者はことごとく滅ぼしていいことになると。
「だから何なの、それだけでしょ」
「それだけって……いずれかの神の意志の執行者なのですよ。もっとどーんと構えてくださいですわ」
「私達なんかじゃ近づくことさえ出来る存在じゃありませんよ。なのに、貴方は相手と対等でありたいだけとは」
なぁ~んか、態度がよそよそしくなる。
「いいんだよ。それを条件でこうしてここにいるんだから」
「「ははぁっ!御身の傍近くに控える名誉、生涯を賭けてお誓い申し上げましょう!!」」
彼女達の方から勝手に頭を下げられ敬いの礼を取られる。なんか中世の騎士のようだが僕はあんまりいい思いではないな。
その後二人は僕から離れず何かヒソヒソ話をしていた
(神々の中でも極々一部だけしか刻むことが出来ないサインを刻めるってすごすぎるわ。もし、もしもよ。それを私達に刻んでくれたら現状を一気に変えられるわ)
(そうですよね。因果の戒めを断つためには明確な実力が不可欠だって明言していたし、それが叶えられたら夢物語どころじゃないですよね)
(でも、ミソギはあまり欲が強くないわよ。多分気に入らないなら誰が頼んでも追い返すだろうし逆に気に入られたとしても相手に道を間違わせるようなことは望んでいないわ。判断が難しいわね)
(相手といつでも対等となると明言してるから金塊を積み上げるなら同じように金塊を積み上げ権力で命じれば同じ権力を行使して拒否する。敵にしても味方にしても扱いづらいですね)
(ともかく、私達は彼だけが希望の道しるべ。サインについては何とかチャンスを見つけて食らいつくしかないわ)
(とはいうものの、超難関ですね。うまいこと事が運べばいいのですけど)
彼女達のヒソヒソ話は全てと対等になれる僕には丸聞こえだ。サインを与えて欲しいか。やろうと思えばいつでもできるが不必要な人物とは接点を持つなと忠告されている。彼女らが必要不可欠な人物になればその限りではないとも言えるが。
まだ様子見の段階だし、もうしばらく待ってみよう。
しばらくののち、大きな動きがあった。周辺の調査要員のヴァンパイア族から報告が来たのだ。
「申し上げます。こちらに近づいてくる集団あり、とのこと。数は300ほど」
「むっ。他種族か、同族らか」
「調べたところ同族です」
「ようやく生活区域を拡張したところで現れるとは」
「どういたしましょうか」
両族長はしばし考えを巡らす。
「受け入れるだけなら拡張した区画や建物で保護できるが食料事情となると厳しいな」
「とはいうが、久方ぶりに現れた同族を門前払いでは反発もあるだろうし」
二人の族長が懸念しているのは住民の誘導だ。これだけの人数が入るとこちらが少数派になり向こうが多数派になる。ここに来ている以上その状況は察してしまう。だからこそ、下手に動けないのだ。
こちらの行動に同意してくれるかどうか分からないしこの場所の環境を知って乗っ取ったり外部に報復の火種を撒き散らされては間違いなく敵はこちらにやって来てしまう。
両族長も争いにはかかわらず穏やかに人生を全うすればよいという考えなので穏健派だ。
「僕がここにいるのは不味いですね」
相手の考えが読めない以上他種族排他の考えもありうる。先に暮らしていた洞窟の方に身を隠すことにする。あの場所までは分からないだろうから。二人の族長はそれで僕の発言でその意図を察してしまった。
『同族達は受け入れたい。でも、ミソギがここにいては不都合がある』
ま、密かに協力はできるのでそれでいいとしよう。
「すまぬ。御使いをこちらから追い出すような形に成ってしまい」
「何とか争いの火種にならぬように努めるゆえ」
僕の存在は確信を持つまで教えないように厳命しておく。
そうして、300人を超える同族の難民を受け入れる決定を出す。さて、後のことはどうとでもなれだ。
まずは一旦拡張された建物に入れて食事を分配するが、保存食の備蓄も少ない中でこれだけの人数を受け入れたのだから先住民の反発がある。自分らだってギリギリ食っていけるだけなのに人を増やすのかと。
後から来たとはいえ同族への視線も厳しくなる。
彼らだって厳しい状況下でここまで来たので同情の余地はあるのだが感情的になりやすく怨恨を忘れない連中も当然混ざる。
何とか食料の配給でやりくりするが、当然ながら馬鹿はいるのだ。
「我らのためにもっと食料を出せ」
こういう手合いである。
フェリスゥマグナとインティライミが立ちはだかる。
「あなた、馬鹿ですか。こちらとて苦渋の決断で受け入れたのですわよ」
「お前だけ特別待遇は出来ません。実際食料の確保が厳しいのですよ」
「ふん、我にかかればそこらのモンスターなど一撃よ。小娘が」
ヴァンパイア族の豪傑とやらが声高に叫び周りがそれに続く。
(そうか。因果の戒めを不用意に断つとこういう多少力を付けた悪党が増長するから迂闊に使えないようにしてるんだわ。多分私達の因果の戒めを断った時にこいつらも同じようになった。で、突如強くなったことで思い上がり攻撃的に行動するようになったんですわね)
(私達だけではなく同族全てに効果が及ぶとこういう馬鹿が増長する。そいつらが好き勝手するから因果の戒めがあるんだ。そいつらを止めなかった同族らもその責任を問われるからこそ枷、全てに罪があるわけではないけど。私達は思い違いをしてたんだ)
神々が身勝手に因果の戒めを使っていたと考えていたが同胞たちの行いもまた罪でありそれを止めなかった、止められなかった原因があることにフェリスゥマグナとインティライミはここで気づかされる。
同時に、御使いであるミソギが手を貸してくれる範囲には限度があること。彼にとっては私らに滅ぶ原因があるのならば一切手を貸さないこと。こうした連中こそがミソギの真の敵であることに。
(こいつは駄目だ、どうしようもない。ミソギの助力を安易に頼めないことを理解できた以上、一刻も早く消さないと)
(やはりこうした連中が湧いてくることはミソギは想定済みという事ですね。この連中を野放しにしたら滅亡が加速するだけだわ)
ようやく、ようやく同族が息を吹き返そうという時にこうした連中が現れる。こいつらにとって苦渋の決断だった共食いの罪など何ともないのだろう。
なんという自分勝手極まる。
「さっさと返答しろ」
「自力で食料を確保できるのならばお願いしたいものですわ」
「ええ、是非とも。その雄姿をお見せください」
「貴様ら、我をなめておるのか。それぐらいいつでもやれるわ!」
なら、なんで食料を要求するのですか?当然の疑問をぶつける。
「い、今は体調不良と空腹で倒れそうなのだ」
はっ、実に都合のいい言い訳だな、ええ。ぶっちゃけ勝てないからだろうが!御使いミソギの戦闘に関する能力はステータスやスキルなどを相手と同じにするだけでしかない。じゃ、何で勝てるんだ。彼は答えた。
『ただ相手が想定してない可能性を探り当て実行しているだけ』
ただそれだけだ。いくら中身を同じにしても思考までは違う。彼は小賢しい知恵と狡賢い可能性を相手の思考の隙間に打ち込んでいるだけだと。
意図的に不可解な行動を起こし混乱を引き起こす。それでも勝ち続けられるのはそうした偶然を常に味方に出来る発想と行動力だ。けっして強いわけではない、むしろ弱い方だろう。
モンスターと相対する恐怖を感じないわけではない。守りたいもののために克服してるだけだ。そうした部分を見ると繊細であると思う。
ま、それでもかなり反則だが。
こいつとは器が違いすぎる。
他の連中の目もあるだろうから食料は最低限出してやる。だが、その後はこちらが言った通り食料確保に手を貸してもらう。ミソギが手を貸してくれない可能性がある以上宣言通り働いてもらう。
駄目だったら?その時はキッチリ始末を付けさせてもらう。同族らの眼前でね。何しろ人数が人数だ。意思を統一しないと本当に滅びがやってくるのだ。
先住民であるお父様や仲間らの反発も強い、それでもミソギはその決断を許してくれた。ここから私達の行動次第ではミソギはどこかに消えてしまうかもしれない。
実際、ミソギは誰分け隔てなく対等に付き合っているので同族からも信頼が厚い。彼を引き留めるのが私達の役目なのだから全力を尽くさないと。
「『水』『雪』『氷』「岩」『堅』『築』『建』のサインよ。力を表せ」
吹きすさぶ雪がすぐさま水に変わり氷となり四角形の塊となる。それを目的の広さまで置き積み上げていく。結着材も水でいいので楽だ。
ドドドドド、と。すごい速さで氷の塊が積み上がっていく。
「ふぅーっ、すごいわね、これ。これが御使いの力、かぁ」
「御使いって一人の神に忠誠を誓う存在だけど、本当にすごいですねぇ」
フェリスウマグナとインティライミはすごい速さで建築が進んでいることに半ば呆れているようだ。2つ建物が終わったのでこれで十分だろう。
氷の扉を開けて通り中の各所に生命神のサインを刻む。
「?何か、聞きたいことでもあるの」
「刻んでるのは何ですか」
「神々の力を借りるための契約書、というか、サイン」
『え?!』
二人がとても驚いた。
「何を驚いてるの?」
「貴方、御使いなのに、その意味を理解してませんわね」
「そうです。神々のサインは容易には与えられないんですから」
二人の話を要約すると神々が持つサインは本人以外基本使用不可能であり完全にオリジナルの物らしい。極々稀にサインを有した子供が現れたり授かったりしたりするらしいが継承方法は無く一代限り。
ただ、何の神のサインにせよ強大な力を授けられるらしい。
ただし、サインを真似するのは不可能でサインを刻めるのは本人か直系の極々一部だけでサインを刻める本人が地上世界に降臨したなど自分らは知らないそうだ。
つまり、効果を持つサインを刻める自分は神の意志そのものであり世界がそれを肯定している、それに反する者はことごとく滅ぼしていいことになると。
「だから何なの、それだけでしょ」
「それだけって……いずれかの神の意志の執行者なのですよ。もっとどーんと構えてくださいですわ」
「私達なんかじゃ近づくことさえ出来る存在じゃありませんよ。なのに、貴方は相手と対等でありたいだけとは」
なぁ~んか、態度がよそよそしくなる。
「いいんだよ。それを条件でこうしてここにいるんだから」
「「ははぁっ!御身の傍近くに控える名誉、生涯を賭けてお誓い申し上げましょう!!」」
彼女達の方から勝手に頭を下げられ敬いの礼を取られる。なんか中世の騎士のようだが僕はあんまりいい思いではないな。
その後二人は僕から離れず何かヒソヒソ話をしていた
(神々の中でも極々一部だけしか刻むことが出来ないサインを刻めるってすごすぎるわ。もし、もしもよ。それを私達に刻んでくれたら現状を一気に変えられるわ)
(そうですよね。因果の戒めを断つためには明確な実力が不可欠だって明言していたし、それが叶えられたら夢物語どころじゃないですよね)
(でも、ミソギはあまり欲が強くないわよ。多分気に入らないなら誰が頼んでも追い返すだろうし逆に気に入られたとしても相手に道を間違わせるようなことは望んでいないわ。判断が難しいわね)
(相手といつでも対等となると明言してるから金塊を積み上げるなら同じように金塊を積み上げ権力で命じれば同じ権力を行使して拒否する。敵にしても味方にしても扱いづらいですね)
(ともかく、私達は彼だけが希望の道しるべ。サインについては何とかチャンスを見つけて食らいつくしかないわ)
(とはいうものの、超難関ですね。うまいこと事が運べばいいのですけど)
彼女達のヒソヒソ話は全てと対等になれる僕には丸聞こえだ。サインを与えて欲しいか。やろうと思えばいつでもできるが不必要な人物とは接点を持つなと忠告されている。彼女らが必要不可欠な人物になればその限りではないとも言えるが。
まだ様子見の段階だし、もうしばらく待ってみよう。
しばらくののち、大きな動きがあった。周辺の調査要員のヴァンパイア族から報告が来たのだ。
「申し上げます。こちらに近づいてくる集団あり、とのこと。数は300ほど」
「むっ。他種族か、同族らか」
「調べたところ同族です」
「ようやく生活区域を拡張したところで現れるとは」
「どういたしましょうか」
両族長はしばし考えを巡らす。
「受け入れるだけなら拡張した区画や建物で保護できるが食料事情となると厳しいな」
「とはいうが、久方ぶりに現れた同族を門前払いでは反発もあるだろうし」
二人の族長が懸念しているのは住民の誘導だ。これだけの人数が入るとこちらが少数派になり向こうが多数派になる。ここに来ている以上その状況は察してしまう。だからこそ、下手に動けないのだ。
こちらの行動に同意してくれるかどうか分からないしこの場所の環境を知って乗っ取ったり外部に報復の火種を撒き散らされては間違いなく敵はこちらにやって来てしまう。
両族長も争いにはかかわらず穏やかに人生を全うすればよいという考えなので穏健派だ。
「僕がここにいるのは不味いですね」
相手の考えが読めない以上他種族排他の考えもありうる。先に暮らしていた洞窟の方に身を隠すことにする。あの場所までは分からないだろうから。二人の族長はそれで僕の発言でその意図を察してしまった。
『同族達は受け入れたい。でも、ミソギがここにいては不都合がある』
ま、密かに協力はできるのでそれでいいとしよう。
「すまぬ。御使いをこちらから追い出すような形に成ってしまい」
「何とか争いの火種にならぬように努めるゆえ」
僕の存在は確信を持つまで教えないように厳命しておく。
そうして、300人を超える同族の難民を受け入れる決定を出す。さて、後のことはどうとでもなれだ。
まずは一旦拡張された建物に入れて食事を分配するが、保存食の備蓄も少ない中でこれだけの人数を受け入れたのだから先住民の反発がある。自分らだってギリギリ食っていけるだけなのに人を増やすのかと。
後から来たとはいえ同族への視線も厳しくなる。
彼らだって厳しい状況下でここまで来たので同情の余地はあるのだが感情的になりやすく怨恨を忘れない連中も当然混ざる。
何とか食料の配給でやりくりするが、当然ながら馬鹿はいるのだ。
「我らのためにもっと食料を出せ」
こういう手合いである。
フェリスゥマグナとインティライミが立ちはだかる。
「あなた、馬鹿ですか。こちらとて苦渋の決断で受け入れたのですわよ」
「お前だけ特別待遇は出来ません。実際食料の確保が厳しいのですよ」
「ふん、我にかかればそこらのモンスターなど一撃よ。小娘が」
ヴァンパイア族の豪傑とやらが声高に叫び周りがそれに続く。
(そうか。因果の戒めを不用意に断つとこういう多少力を付けた悪党が増長するから迂闊に使えないようにしてるんだわ。多分私達の因果の戒めを断った時にこいつらも同じようになった。で、突如強くなったことで思い上がり攻撃的に行動するようになったんですわね)
(私達だけではなく同族全てに効果が及ぶとこういう馬鹿が増長する。そいつらが好き勝手するから因果の戒めがあるんだ。そいつらを止めなかった同族らもその責任を問われるからこそ枷、全てに罪があるわけではないけど。私達は思い違いをしてたんだ)
神々が身勝手に因果の戒めを使っていたと考えていたが同胞たちの行いもまた罪でありそれを止めなかった、止められなかった原因があることにフェリスゥマグナとインティライミはここで気づかされる。
同時に、御使いであるミソギが手を貸してくれる範囲には限度があること。彼にとっては私らに滅ぶ原因があるのならば一切手を貸さないこと。こうした連中こそがミソギの真の敵であることに。
(こいつは駄目だ、どうしようもない。ミソギの助力を安易に頼めないことを理解できた以上、一刻も早く消さないと)
(やはりこうした連中が湧いてくることはミソギは想定済みという事ですね。この連中を野放しにしたら滅亡が加速するだけだわ)
ようやく、ようやく同族が息を吹き返そうという時にこうした連中が現れる。こいつらにとって苦渋の決断だった共食いの罪など何ともないのだろう。
なんという自分勝手極まる。
「さっさと返答しろ」
「自力で食料を確保できるのならばお願いしたいものですわ」
「ええ、是非とも。その雄姿をお見せください」
「貴様ら、我をなめておるのか。それぐらいいつでもやれるわ!」
なら、なんで食料を要求するのですか?当然の疑問をぶつける。
「い、今は体調不良と空腹で倒れそうなのだ」
はっ、実に都合のいい言い訳だな、ええ。ぶっちゃけ勝てないからだろうが!御使いミソギの戦闘に関する能力はステータスやスキルなどを相手と同じにするだけでしかない。じゃ、何で勝てるんだ。彼は答えた。
『ただ相手が想定してない可能性を探り当て実行しているだけ』
ただそれだけだ。いくら中身を同じにしても思考までは違う。彼は小賢しい知恵と狡賢い可能性を相手の思考の隙間に打ち込んでいるだけだと。
意図的に不可解な行動を起こし混乱を引き起こす。それでも勝ち続けられるのはそうした偶然を常に味方に出来る発想と行動力だ。けっして強いわけではない、むしろ弱い方だろう。
モンスターと相対する恐怖を感じないわけではない。守りたいもののために克服してるだけだ。そうした部分を見ると繊細であると思う。
ま、それでもかなり反則だが。
こいつとは器が違いすぎる。
他の連中の目もあるだろうから食料は最低限出してやる。だが、その後はこちらが言った通り食料確保に手を貸してもらう。ミソギが手を貸してくれない可能性がある以上宣言通り働いてもらう。
駄目だったら?その時はキッチリ始末を付けさせてもらう。同族らの眼前でね。何しろ人数が人数だ。意思を統一しないと本当に滅びがやってくるのだ。
先住民であるお父様や仲間らの反発も強い、それでもミソギはその決断を許してくれた。ここから私達の行動次第ではミソギはどこかに消えてしまうかもしれない。
実際、ミソギは誰分け隔てなく対等に付き合っているので同族からも信頼が厚い。彼を引き留めるのが私達の役目なのだから全力を尽くさないと。
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