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番外編

城編 4

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「んー、はぁ……流石にきつい」

ベッドから立ち上がり背筋を伸ばすとボキボキとあちこちの骨が鳴る。あれから……濃厚な時間を過ごした後、バルトは眠たくてうとうとする俺にキスをして城へと帰っていった。
帰り際「疲れてるのに、ごめんね」と言うと、「疲れるどころか元気になったよ。ありがとう」と、ものすごい笑顔とキスでお礼を言われた。うん、絶対バルトは絶倫だ。間違いない。……俺の体、いつまでもつかな……。

俺は自分に『回復』をかけると服を着てリビングに繋がるドアを開けた。
まだ時間は朝早いので、アークも起きていない。俺はまた眠ろうかと考えたが目が覚めてしまったので朝ご飯を作ることにした。
冷蔵庫を開け、何を作るか考えた後材料を取り出し切っていく。鍋に水と野菜を入れ火にかけ、隣でフライパンを熱しベーコン、卵を入れる。その間にインベントリからパンを取り出しお皿に並べた。そろそろフライパンで焼いていた目玉焼きとベーコンが焼き上がる頃なのでの様子を見てお皿に盛った。次にコーヒーモドキの豆を引いたものをフィルターに入れ、魔法で作ったお湯を少し入れて素早く捨てる。その後すぐにお湯を入れて沈む前にまたお湯を入れる。ぼーとしながら匂いを堪能しているとアークが起きてきた。

「おはよう、いい匂い……だ、な……」

「おはようアーク。……どうしたの?」

目を丸くした後、目を瞑りバシッと額に手を当て天井を見上げるアークに俺は首を傾げた。

「アーク?」

アークは俺の肩に手を乗せ真剣な眼差しでゆっくり説得するように問う。

「ジン、今日、城に行くのは、やめよう」

「えっ、何で?」

「色気がダダ漏れだ!」

「色気?」

「そんな顔で行ったら、城の機能が停止するわ!」

「……意味わかんない」

子供のようにぷくっとほっぺを膨らましていると、アークが溜め息をついた後、苦笑いしながらポンポンと頭を叩いてきた。

「あー、昨日、バルトとヤっただろう?」

「……っ!どっ、どうして……」

「だから、色気ダダ漏れって言ったんだ。わかったか?」

カーと顔が赤くなり、両手で顔を隠しコクコクと頷いた。何度か呼吸を繰り返し冷静を保とうとするが収まらない。
恥ずかしくてアークと目が合わせられないよ。
俺は赤くなった顔を隠すように手で口許を覆い、視線を斜め下にずらす。

「っ!かっ……」

「アーク、顔洗ってくるから、ご飯お願い!」

アークが何か言いかけていたが、恥ずかしくてそれどころじゃなかった俺は、急いで洗面台に走っていったのだった。




暫くして冷静になった俺はアークと朝御飯を食べるべくテーブルについた。テーブルの上には、パンと目玉焼きとベーコン、野菜スープが置かれてあった。

「アークありがとう」

「あぁ、少しは落ち着いたようだな」

「ん、もう大丈夫……だよね?」

「あぁ、もうちょいな気がするが、さっきよりはましだな」

アークと朝食を食べながら雑談をしているとそろそろ城に行く待ち合わせの時間になった。朝食の片付けをし、支度を整えた後、『結界・指瞬転移』で城に飛んだ。

「ジーン!」

城に着いた途端アーガンが両手を広げ、近付いてきたのでアークの背後にササッと回り込む。

「ジ……ン……」

ガーンと言う効果音が聞こえてきそうなアーガンの顔が面白くて思わず笑う。

「ふはっ」

「っ!」

俺の笑顔を見たアーガンは先程と打って変わって満面の笑みになり嬉しそうに俺達を応接室に案内した。
席に着くといつの間にか部屋にいたマイヤがお茶とお菓子を出して部屋から出ていった。
あれ?今日は誰もいないんだな。いつもなら宰相と総騎士団長がアーガンの後ろにいるのに……。
不思議に思いながらもアーガンに視線を向けると、俺の前に一枚の紙を置いた。

「これが今後の計画になる。確認してくれ」

そこには昨日の内容にプラスして、付け加えた文が書かれてあった。
簡単に説明する。

その1、第1王子が見つかったことを国民に周知する。見つかった詳細については、総騎士団長が偶然寄った田舎町に、魔力が桁違いの多い青年を見つけ、もしかしたらと思い、本人に生い立ちを聞いてみると第1王子と一致した、と言うことにするらしい。あと、年齢に関しては伏せるみたいだ。
まぁ、36歳にしては貧相だし、幼いよな。

その2、お披露目パーティーまで、第1王子の宮殿で過ごし教養を受ける。それまでの人件費や経費、護衛騎士、報酬等などの諸々に関しては国王が全て受け持つ。

その3、教養後、4カ月前後にお披露目パーティーを開く。この時俺は何もしなくていい。ただ、パーティーを楽しんで欲しいの事が書かれてあった。
もっと時間をかけたかったが、4ヶ月ぐらいがガイヤードルが仕掛けてきそうな限界だそうだ。

その4は、これが全て終わった後もジンの宮殿は残すので、自分の家だと思い自由に使って欲しい。
俺の、第1王子の宮殿をそのまま残すことは周囲から怪しまれない為でもある。第1王子が見つかったのに、どこにもいないとなると色々と問題があるらしい。

「どうだ、ジンの要望はあるか?」

「ん、ある」

「だよな……言ってみてくれ」

「まずは、国民に周知させるのはいいが顔は出さない。終わったらまた街に住むからね」

「……わかった」

「あと、住むのは第1王子の宮殿じゃな……」

「ジン、ちょっと耳を貸せ」

アークがそう話を遮ってきたので、アークの方に耳を傾けると小声で教えてくれた。

「第1王子の宮殿は、第3騎士団の寮に近いぞ」

「っ!んん、第1王子の宮殿でいいです。ただし、人数は最低限でお願いします」

アーガンは不思議そうな顔をしながら「あぁ」と頷いた。

「あと、あー、教養の事なんだけど……」

言葉にしただけで、前世のイヤな記憶を思い出し、胸がキリキリと痛み出す。
母を拉致した糞貴族の家で幼い頃、教育と言う名の暴力を受けた。少しでも間違えば足を棒で叩かれ、出来るまで何度も何度もやらされた。それはもう、血へどを吐くまで。
ダンスも貴族の嗜みだと男女パートの両方を覚えさせられ、女性パートのところはドレスを着てあの家の子供達と一緒に踊らされた。間違えば笑い者にされ、上手くいけばスカートの裾を踏まれ転ばされたり、背中を蹴られたりした。
吐き気がする……。
眉間に皺を寄せ、胸辺りの服をぎゅっと掴む。

「ジン、大丈夫か?」

「何かあるのか?」

アーガンとアークを見ると心配そうな顔で俺を見ていた。2人の問いに俺は苦笑いを浮かべる。

「あー、一応、頑張ってみるけど、出来ないものは無理に要求しないで、欲しい……です」

「もちろんだ。無理な時は遠慮なく言ってくれ」

「ありがとう。それと、勇者達の事だけど……絶対に関わりたくないい。もし、夜見だとバレそうになっても、知らぬ存ぜぬでお願い。クラスメートだったけど、俺、めっちゃ嫌われてたから関わりたくないんだ」

アークとアーガンの体から、少量だがゆらりと魔力が漂う。アークが眉間に皺を寄せながら俺を見た。

「ジン、もしかして、勇者達に苛められていたのか?」

「よし、捕まえて牢屋に入れてやろう」

「ちょっ、やめて!……はぁー、俺さ、あの頃嫌われて当然だったんだよ。詳しく話すと長くなるけど、いい?」

俺は淡々と説明した。10歳頃から前世の夢を見続けていたせいで、現実と夢の区別がつかなくなったこと。召喚される前までそれがずっと続き、夜、眠らないようにゲームや本を読んでいたこと。そのせいで常に目の下にクマができ、精神がおかしくなったこと。

「だから、嫌われて当たり前だったんだよ」

苦笑する俺に対し、アークが問う。

「親はどうしたんだ?ちゃんといたんだろ?」

「んー、11歳の時に両親が離婚して放置、かな」

あははっと笑っていると隣からぎゅっと抱き寄せられた。

「無理に笑わなくていい。そんな親なんて忘れてしまえ。ジンには俺達がいる」

ポンポンポンと優しく背中を叩かれ、うっすらと目に涙が浮かぶ。

「ん、ありがとう」

目を瞑りアークの胸に頬を擦り寄せていると、その反対側からガバッと抱き締められた。

「ジン、もう大丈夫だ。私を父上と呼んで甘えてくれ!遠慮はいらない!」

「……遠慮します」

「なぜだ!」

「なぜと聞かれても……」

たぶん俺はもう、アーガンのことを父上と認めている……と思う。だけど、なんだろう……アーガンを父上と言うのは、気恥ずかしい?……呼んだ方がいいよな?
アーガンは苦笑いを浮かべながら、頭を傾げる俺の頭を手でポンポンと叩いた。

「まぁ、おいおいでいい」

俺を見つめるアーガンの優しいまなざし。俺はこれをよく知っている。アークが俺を見つめる時と同じ、家族愛の目だ。そして、前世の時もアーガンはその目で俺をよく見つめていた。
あぁ、そうか……前世の時からアーガンは、俺のもう一人の……。

「なぁ、ジン。誤解される前にこれだけは言っておく」

アーガンが真っ直ぐな視線、嘘偽りない表情で俺の目を見つめた。

「私はガイヤードルの計画を阻止する為に、ジンの周知やお披露目パーティーをしたい訳じゃないからな。私がジンにしてあげたいと思ったからするんだ。だから、ジンは何も考えずパーティーを楽しんで欲しい」

心からそう願っている事がアーガンの表情で見てわかる。愛情に満ちた優しい微笑みだ。
ん、今なら言える。

「ありがとう……父上」

「よかった……ん?ジン、今、私を父上と呼ばなかったか?私の空耳か?」

目を大きく見開き尋ねてくるアーガンに、俺は少し照れくさくて目線を斜め下に向ける。
俺の仕草で確信を得たのかアーガンは涙し喜んだ。目を瞑りながら、胸に手を当て、感動している仕草のアーガンに、俺は若干引きながらも話を進めるべく話に戻す。

「で、アーガン、俺はいつから始めればいい?」

「名前呼びに、戻った……」

シクシクと泣き真似をするアーガンに、アークが「しっかりしろ」とバシッと頭を叩いた。アーガンは叩かれた頭を擦りつつ、「すまん」とアークに謝った。

「そうだな……ジンの準備が終わり次第、いつでも大丈夫だ」

「ん、了解」

話が終わったっぽいので帰っていいのかな?とアークに視線をやると、手でちょっと待ての合図をされた。

「アーガン、他にジンに言うことがあるだろう?」

「あっ、そうだった。ジン、今日は時間あるか?」

「ん、あるよ」

「よし。じゃぁ、今日は衣装の採寸後、城内とジンの宮殿を案内しよう。マイヤ」

アーガンが呼ぶといつの間にいたのか、背後からマイヤの返事が聞こえた。

「マイヤ、ジンを頼む」

「御意。では、ジン殿下、参りましょうか」

俺はアーガンとアークに「また後で」と手を振り、マイヤの後を追い部屋をでていった。










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