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しおりを挟む「こんなもんかな」
インベントリのスクリーンを見ながら満足げに頷く。
久しぶりにバルトを見たお陰で気分が高揚し、薬草採取とついでにそこら辺にいた魔物達を20体ほど倒した。
この辺は冒険者見習いが来るところなので魔物は強くない。身体強化は使ったが危なげなくもなくサクッと狩れた。
なんとなく体がなれた気がするが思うように動かないのが現実。明日から筋トレと訓練をしよう、うん。
なんて考えている内にギルドに着き、依頼書の完了手続きを終えた。魔石と魔物は全部ではないが少し売ることにした。ちなみに売らなかった魔物はインベントリに入れておけば腐敗しない。俺が持っているインベントリは時間停止になっているので、出来立ての料理を入れれば熱いままだ。
今日の報酬で晩御飯代3人分ぐらいにはなったと思う。材料買って久しぶりに料理でもしようかな。よし、まずは買い物に行こう。
ギルドから出ようと踵を返した時だった。
「ジンさん!ちょっと待ってください!」
俺を呼び止める声に足を止めた。振り返るとギルド職員の一人が近付いてくる。
「あっ、ポチさん」
「違いますよ!ワンダーですよ!」
テンポよく返ってくる。何だか面白いな。
「そうでした。で、ワンさん、何かありましたか?」
「あってるけど、何かこう響きが違う気が……うー!」
「で、ワンさん、用事は?」
「あっ、そうだった。伝言です。ギルマスが上で待っているそうです」
何かあったかな?うーん、思いつかない。
「わかりました、いってみます。ありがとうございました」
軽くお辞儀をしギルマスがいる4階へ向かった。
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