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「ジン、休憩は終わりだ。さぁ、始めようか」

ピリリとアークの威圧を感じ、槍をさっと構える。
……まったく隙がない。だが、攻撃しなければ始まらない。まずはどこを攻めるかだ。俺の低身長を生かし、まずは……なんて考えている間に剣を持ったアークが切りかかってきた。
やべぇ!と咄嗟に槍で剣を下から上へといなした後、素早く持ち上げた槍をアークに向かって振り落とす。が、アークの剣で受け止められる。
グッと槍に力を入れると剣で弾かれ、その勢いを利用し、少し後ろへ下がったと同時に、勢いよく片手で槍を斜め上から下へとなぎ払う。
キーンと鉄と鉄の音が響き、アークがニヤッと笑ったかと思うと、槍を上へと弾き、俺の腹を剣で突いてきた。

「くっ!」

素早く槍を地面に突き刺し、剣を躱した後、槍を軸に空中を蹴り、右足をアークの頭めがけて蹴るが、ひょいっと躱される。
ふふふ、だよなぁ。
ふわりと闇の魔力が俺の周りを漂い、左手に魔力が集まると、前方にいたアークが目を更に細め威圧感を上げてきた。
ペロリと上唇をなめる。
楽しいと感じるとやってしまう前世からの癖だ。直さないといけないぁと思いつつも、口角が上がる。
あぁ、強い、ゾクゾクする。

「おぃおぃ、ジン。覚えてるか?魔力は身体強化だけだぜ」

「……あぁ、そうでした。すみません」

左手に集まっていた闇の魔力を消し、再度魔力を練り身体強化を上げる。
うん、まだまだ足りない。勝つためにはもっともっともっともっと……。
風と闇の魔力を体全体にいき渡せ身体を強化する。
きっと激痛の筋肉痛になるだろうな……と思いつつも、今が楽しいからいいやと自分自身を納得させる。
力強く地面を蹴り、アークの懐へと飛び込み、槍でつく。もちろん躱されるので、槍をくるりと回し、背を向けたまま、槍を押しつつくようにアークを狙う。

「はっ、やるな」

不意打ちに驚いた様子だったが、これも躱されるのは予想済み。
ただし、暇は与えねぇよっと。
体を翻し、素早く槍を斜め右上から振り落とし、そのまま左から右へ振る。シュッとアークの服にわずかに当たる。
よし。そのまま、刃が付いていない方で押し出すように突きさそうとするが……アークが面白そうに笑っている。
ヤバイ、逃げろ……と本能に感じたが既に遅し。
バキッと左肘が音と痛みを感じ、地面に叩きつけられ、ブラックアウトした。






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