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第2話 キャラ渋滞しすぎじゃない??
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俺は授業を聞き流しながら、今分かっている事をまとめることにした。
分かっている事
その①
墓参りをしていた俺は何故か高校に移動していた。
その②
俺は虎頭心火《ことうしんか》と周囲に認識されていること
その③
ツンデレの菜乃川という美少女と虎頭心火は仲がいい。
その④
ここにいる人たちは全員が美男美女で、髪型や顔立ちが派手な者がいる。
とまあ、こんな感じだろうか。
情報量はとにかく多い。
けれど、授業という特に俺が何するわけでもない時間があるので、頭の中は整理することができた。
何故こうなったのか、それは考えても仕方がない。
どれだけ考えても結論はでないし、帰れるわけではなさそうだからだ。
突拍子もない話だけど、俺が突然、虎頭心火という少年になってしまった。
もう、これはそういうことだ、と自分を納得させるしかなかった。
「では、今日はここまでです」
先生の合図とともに授業がようやく終わった。
ただ話を聞いていただけだが、大学の講義と違った雰囲気が懐かしく感じた。
授業が終わると、休み時間だ。
10分休みというやつか。
休み時間に突入すると、一気に教室は騒がしくなる。
たいていの奴は教科書をしまうと、友達と談笑しだす。
そしてそれは俺も、いや虎頭心火も同じなようだ。
「まーだ、眠そうな顔してる。昨日、ちゃんと寝た?」
隣にいた菜乃川がすぐさま話しかけてくる。
俺が高校生だった時、隣の女子から話しかけられることなんてそれはもうビッグイベントだ。
この様子だと、そんな大それたことをいつもやっている様子。
っく、羨ましい男だ。
「ね、寝たよ」
こんな日本人離れした美女と話すのに慣れているはずもなく、言葉をつっかえた。
虎頭心火はどう答えるのかわからんが、俺はまだこの状況に順応できているわけではない。
「ふーん。もし今日も眠れなかったら、私のこと家に呼んでよ」
ん? んんんんんんん?
彼女今なんて言った?
なんで寝付けなかったら呼ぶことになるのかはさておき、家にっていったか?
この2人、そんな関係性だったのか。
え、じゃあ、虎頭心火の彼女ということでいいのか?
「隣で子守唄歌いながら、一緒に寝てあげようか?」
なんともまあ、大胆なセリフを公共の場で。
冗談なのか本気なのか、真意は分からないがそれを言い合える仲なのは間違いない。
「は、はは」
苦い顔をしながらとりあえず笑っといた。
「遠慮してんの? 家隣なんだから、気にしなくたっていいのに」
あ、そういうことね。
家が隣ってことは、彼女っていうより幼馴染ということか。
いや、幼馴染だけどカップル??
どちらにしろ羨ましいことには違いない。
「おうおう、今日もあつあつだね~、バカップルさんよぉ」
俺が菜乃川におどおどしていると、横から男の声が入り込んできた。
そいつは、制服のネクタイを閉めずにダボッと着崩し、青髪でイケメンだった。うわ、高校生なのにピアスしてる。
「ち、違うから。私たちはただの隣人だから!」
隣人って、急に遠い関係性になったな。というか、やっぱり恋人ではないのか。
「ほほう? では、何故に菜乃川氏は顔が真っ赤なのかな??」
そいつの言った通り、菜乃川の顔は再び真っ赤になっている。赤面症なのか、リンゴ病なのか、とにかく一瞬で真っ赤に染まるようだ。
「こ、これは、顔を冷やさないように熱を溜めてるだけ」
なんだその言い訳。と、心の中で突っ込んだ。
「わっかりやすいやつ」
その男は菜乃川をからかい続けた。
青髪で不良みたいな見た目だけど、気さくで明るそうなやつだ。
同級生にこんなチャラついた奴はいなかったけど、昔読んだラブコメにはこんなやつがいたなぁ。
主人公の友達で、一見チャラそうだけど主人公をサポートしてくれる親友ポジションのイケメン的なやつだ。
「海利《かいり》くん、そんなにからかったら、春乃ちゃん蒸発しちゃうよ」
また新たな人物が会話に入り込んでくる。そして2人の名前も言ってくれたので、また情報を得ることができた。
その子はピンク色のロングヘアーという、まず見ることはない容姿をしていた。彼女もまた瞳が大きく青く輝いており、美少女だった。大人しそうで清楚な印象を受けた。
胸は巨乳と言うか爆乳? シャツのボタンがはじけ飛んできそうなほど、胸が膨らんでいる。
女子高生の発育超えているだろ。
「お、沙理弥じゃん。この2人見てるとついつい、いじりたくなるんだよ」
お、都合よく海利という男が名前を連呼してくれた。ナイスだ。今はとにかく情報が欲しい。
「唐石海利《からいしかいり》、あなたはそんなことだから、低俗なんですわ」
おいおい、また新キャラかよ。
虎頭心火の周りはどうなってるんだ。
唐石というイケメンに毒舌を吐いたのは、このメンツの中でも一番派手な女子生徒だった。
大きい目に尖りすぎのまつ毛が生えているので目力が凄かった。
皆日本人とは若干異なる風貌だけど、彼女は特に外国人感が強かった。
髪型が特に凄く、金髪の立体感のある巻き髪だった。
朝のセットに何時間かかるんだ、ってぐらい芸術的だ。
「おいおい、ルニールさんよ、それは聞き捨てならないな」
「さん? わたくしのことはルニール様とお呼びと言っているでしょう。わたくしはシュリビアス財閥の娘よ? もっと敬意をもって話しなさい」
お嬢様属性持ってるのかこの子は。てか財閥って規模のお金持ちなら、お嬢様学校に入学しろよ!
普通、同じ学校に通う人じゃないだろ。
「まあまあ、2人とも犬と猿みたいに喧嘩しないで」
バチバチに火花を散らしている2人の間に入った沙理弥という子が、優しい口調で罵倒していた。
「おいおい、犬って俺のことかよ。それはひどいワン」
調子づいた態度で、唐石海利が答える。
その際に、両手を広げて頭上に乗せて、犬耳の真似をしていた。可愛くはない。
「ちょっと、なんであなたが犬の方なんですの? 犬というのも心外ですけど、猿みたいなのはあなたの方でしょ?」
「おめぇなんか、服着たおサルさんだろ?? ほら、ウッキーっていてみな、ウッキーって」
「っウキーー。ほんっとに小うるさい奴ですわね」
ルニールと言うお嬢様は素なのか冗談なのか、唇をかみしめながら猿のような声を上げた。
なんだかんだ、この2人は仲がいいのか??
「どっちも、同じくらいにうるさいんじゃないかな。どんぐりの背比べ?っていうのかな」
沙理弥というこの子は、優しそうな見た目をして一番口が悪いな。目を細くして、にっこりと笑ってるのがまた怖い。
「皆、うるさい!」
怒ったのはようやく顔のほてりがとれた菜乃川だった。最初はツンデレでややこしい奴かと思ったけど、他の三人を見ていると一番まともな奴に見えてきた。
4人はそのまま楽しく?会話を続けた。
なんて濃い休み時間だろうか。
分かっている事
その①
墓参りをしていた俺は何故か高校に移動していた。
その②
俺は虎頭心火《ことうしんか》と周囲に認識されていること
その③
ツンデレの菜乃川という美少女と虎頭心火は仲がいい。
その④
ここにいる人たちは全員が美男美女で、髪型や顔立ちが派手な者がいる。
とまあ、こんな感じだろうか。
情報量はとにかく多い。
けれど、授業という特に俺が何するわけでもない時間があるので、頭の中は整理することができた。
何故こうなったのか、それは考えても仕方がない。
どれだけ考えても結論はでないし、帰れるわけではなさそうだからだ。
突拍子もない話だけど、俺が突然、虎頭心火という少年になってしまった。
もう、これはそういうことだ、と自分を納得させるしかなかった。
「では、今日はここまでです」
先生の合図とともに授業がようやく終わった。
ただ話を聞いていただけだが、大学の講義と違った雰囲気が懐かしく感じた。
授業が終わると、休み時間だ。
10分休みというやつか。
休み時間に突入すると、一気に教室は騒がしくなる。
たいていの奴は教科書をしまうと、友達と談笑しだす。
そしてそれは俺も、いや虎頭心火も同じなようだ。
「まーだ、眠そうな顔してる。昨日、ちゃんと寝た?」
隣にいた菜乃川がすぐさま話しかけてくる。
俺が高校生だった時、隣の女子から話しかけられることなんてそれはもうビッグイベントだ。
この様子だと、そんな大それたことをいつもやっている様子。
っく、羨ましい男だ。
「ね、寝たよ」
こんな日本人離れした美女と話すのに慣れているはずもなく、言葉をつっかえた。
虎頭心火はどう答えるのかわからんが、俺はまだこの状況に順応できているわけではない。
「ふーん。もし今日も眠れなかったら、私のこと家に呼んでよ」
ん? んんんんんんん?
彼女今なんて言った?
なんで寝付けなかったら呼ぶことになるのかはさておき、家にっていったか?
この2人、そんな関係性だったのか。
え、じゃあ、虎頭心火の彼女ということでいいのか?
「隣で子守唄歌いながら、一緒に寝てあげようか?」
なんともまあ、大胆なセリフを公共の場で。
冗談なのか本気なのか、真意は分からないがそれを言い合える仲なのは間違いない。
「は、はは」
苦い顔をしながらとりあえず笑っといた。
「遠慮してんの? 家隣なんだから、気にしなくたっていいのに」
あ、そういうことね。
家が隣ってことは、彼女っていうより幼馴染ということか。
いや、幼馴染だけどカップル??
どちらにしろ羨ましいことには違いない。
「おうおう、今日もあつあつだね~、バカップルさんよぉ」
俺が菜乃川におどおどしていると、横から男の声が入り込んできた。
そいつは、制服のネクタイを閉めずにダボッと着崩し、青髪でイケメンだった。うわ、高校生なのにピアスしてる。
「ち、違うから。私たちはただの隣人だから!」
隣人って、急に遠い関係性になったな。というか、やっぱり恋人ではないのか。
「ほほう? では、何故に菜乃川氏は顔が真っ赤なのかな??」
そいつの言った通り、菜乃川の顔は再び真っ赤になっている。赤面症なのか、リンゴ病なのか、とにかく一瞬で真っ赤に染まるようだ。
「こ、これは、顔を冷やさないように熱を溜めてるだけ」
なんだその言い訳。と、心の中で突っ込んだ。
「わっかりやすいやつ」
その男は菜乃川をからかい続けた。
青髪で不良みたいな見た目だけど、気さくで明るそうなやつだ。
同級生にこんなチャラついた奴はいなかったけど、昔読んだラブコメにはこんなやつがいたなぁ。
主人公の友達で、一見チャラそうだけど主人公をサポートしてくれる親友ポジションのイケメン的なやつだ。
「海利《かいり》くん、そんなにからかったら、春乃ちゃん蒸発しちゃうよ」
また新たな人物が会話に入り込んでくる。そして2人の名前も言ってくれたので、また情報を得ることができた。
その子はピンク色のロングヘアーという、まず見ることはない容姿をしていた。彼女もまた瞳が大きく青く輝いており、美少女だった。大人しそうで清楚な印象を受けた。
胸は巨乳と言うか爆乳? シャツのボタンがはじけ飛んできそうなほど、胸が膨らんでいる。
女子高生の発育超えているだろ。
「お、沙理弥じゃん。この2人見てるとついつい、いじりたくなるんだよ」
お、都合よく海利という男が名前を連呼してくれた。ナイスだ。今はとにかく情報が欲しい。
「唐石海利《からいしかいり》、あなたはそんなことだから、低俗なんですわ」
おいおい、また新キャラかよ。
虎頭心火の周りはどうなってるんだ。
唐石というイケメンに毒舌を吐いたのは、このメンツの中でも一番派手な女子生徒だった。
大きい目に尖りすぎのまつ毛が生えているので目力が凄かった。
皆日本人とは若干異なる風貌だけど、彼女は特に外国人感が強かった。
髪型が特に凄く、金髪の立体感のある巻き髪だった。
朝のセットに何時間かかるんだ、ってぐらい芸術的だ。
「おいおい、ルニールさんよ、それは聞き捨てならないな」
「さん? わたくしのことはルニール様とお呼びと言っているでしょう。わたくしはシュリビアス財閥の娘よ? もっと敬意をもって話しなさい」
お嬢様属性持ってるのかこの子は。てか財閥って規模のお金持ちなら、お嬢様学校に入学しろよ!
普通、同じ学校に通う人じゃないだろ。
「まあまあ、2人とも犬と猿みたいに喧嘩しないで」
バチバチに火花を散らしている2人の間に入った沙理弥という子が、優しい口調で罵倒していた。
「おいおい、犬って俺のことかよ。それはひどいワン」
調子づいた態度で、唐石海利が答える。
その際に、両手を広げて頭上に乗せて、犬耳の真似をしていた。可愛くはない。
「ちょっと、なんであなたが犬の方なんですの? 犬というのも心外ですけど、猿みたいなのはあなたの方でしょ?」
「おめぇなんか、服着たおサルさんだろ?? ほら、ウッキーっていてみな、ウッキーって」
「っウキーー。ほんっとに小うるさい奴ですわね」
ルニールと言うお嬢様は素なのか冗談なのか、唇をかみしめながら猿のような声を上げた。
なんだかんだ、この2人は仲がいいのか??
「どっちも、同じくらいにうるさいんじゃないかな。どんぐりの背比べ?っていうのかな」
沙理弥というこの子は、優しそうな見た目をして一番口が悪いな。目を細くして、にっこりと笑ってるのがまた怖い。
「皆、うるさい!」
怒ったのはようやく顔のほてりがとれた菜乃川だった。最初はツンデレでややこしい奴かと思ったけど、他の三人を見ていると一番まともな奴に見えてきた。
4人はそのまま楽しく?会話を続けた。
なんて濃い休み時間だろうか。
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