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何故、俺の些細な願いのせいで……?
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「神だの仏だの天使だのと云う人間に都合の良い空想の産物が実在しており……そして、私がその一員であったならば……」
数十年ぶりに俺の元にやって来た「ヤツ」は、そう説明した。
「『その願いが叶った瞬間、貴方は自分が好きで選んだ仕事を楽しく喜ばしいものと思えなくなるぞ。それでも良いのか?』と忠告したでしょう。しかし、私は、あくまでも悪魔でございますので……自分の利益になるのなら、お客様の人生など……いや、それどころかお客様の願いの副作用で、国が一つ滅び、罪の無い無関係な人間がいくら死のうと『知った事か』でございます。では……御選択を」
俺の目に映っているのは……廃墟と化した京都。……東京、大阪、名古屋、広島、博多、仙台、札幌……他の大都市も似たような状況だろう。
俺は……涙と鼻水で顔をグチャグチャにしながら……約束の言葉を唱えた。
歴史学者としての道を選んだのは……「太い実家」……良くも悪くも、ちょっとした「金持ちだが旧弊な『地方の名家』」の本家の息子……それも、合せて5人居る兄と姉婿が全員死なねば「跡継ぎ」には成れそうにない境遇だったからだ。
計5人の兄と姉婿の誰か……一番、顔が良くて口が巧いの……が政治家としての地盤を継ぎ……もう1人の誰か……経営者としての実務能力が有るヤツ……が会社の経営を継ぐだろう。
残念ながら、俺は、産まれた順番も、顔も、一番下で……高校の頃には、成績は良いが、性格も才能も経営者向きでも政治家向きでも無い事が判明していた。
しかし、ウチの実家には、「一番下のドラ息子」に好きな事をさせるぐらいの金の余裕が有った。……後にして思えば、幸か不幸か……。
理系の研究者でも食ってくのにカツカツの御時世だった。ましてや文系の学者は……。
俺よりも優秀な先輩・後輩・同期が、あるいは脱落し……あるいは研究よりも生活の為のバイトを優先せざるを得ない中……俺は、着々と論文を書いていった。
だが、指導教官が俺の論文を読んでいる時の表情は……「合格ラインよりは上だが、平均よりは下」とでも言いだけなモノだった。
複雑な気持ちだった……。俺が研究者を続けていられるのは……自分の才能や努力や実力のお蔭ではなく……単に、俺の「産まれ」と「今の時代の状況」のせいに過ぎなかった。
単なる気分転換のつもりだった。……ひょっとしたら……と云う気持ちも有った。
SNSで知り合った知人から教えてもらった……昔のヨーロッパの「魔導書」。
自宅のキッチンのテーブルの上に置いたA3の紙に魔方陣を描き、それに載っていた呪文を唱え……。
当然ながら……何も起きない。
「駄目か……やっぱり……」
次の朝、勤務先の研究機関に出勤し、自分のオフィスに入ると……。
「どうも……お初に御目にかかります。昨晩、呼び出していただいた悪魔です」
蝙蝠の翼。
先端がV字状になった尻尾。
こめかみには角。
赤黒い肌。
硫化水素の臭い。
いかにもな姿なのに、妙に丁寧な口調の悪魔が俺に割り当てられた個室タイプのオフィスに居た。
「なるほど……研究者としての御自身の才能に疑問を抱いている……と」
「ええ……このままじゃ研究者として行き詰まる気がして」
よもや悪魔に人生相談をする羽目になるとは思わなかった。
「では……御希望は……?」
「全知です。……但し……歴史学に関して……」
「はぁ……叶えられますが……」
「何か問題でも……」
「では……魂を頂く条件は……ゲーテの『ファウスト』の逆ではどうでしょうか?」
「へっ?」
「『素晴らしい。このまま時間が止まってしまえば良いのに』ではありきたりですので、貴方が、御自分の願いのせいで『もう、うんざりだ。俺の願いを無かった事にしてくれ』と思われた時に魂を頂戴すると云うのは……気が効いていると思うのですが」
えっと……そうかな?
論文のテーマにした事の「正解」はすぐに判るようになっていった。その根拠となる文献その他が、どこに有る何なのかも……。
だが、論文執筆の効率は上がったにも関わらず……論文の本数は減り……評価は下がっていった。
何故なのかは判らない。
気付いた時には、論文よりも一般向けの新書の方を精力的に執筆するようになっていた。
俺は……一般にはそこそこ有名になったが……学者としては凡庸だと見られるようになっていった。
「なぁ……勇太くん……ちょっと、これに関して根拠となる資料が欲しいんだが……」
結構な額の印税が懐に入り続けていた……。多分、俺が、今、所属している研究機関のトップより、俺の方が年収が多いだろう。
だが、実家の資産に比べれば誤差の範囲内だ。
俺は……悪魔との「約束の言葉」を何度も言いそうになっていた。
そんな時、二番目の姉の旦那から、変な頼み事をされた。俺の親の地盤を継いで政治家になった男だった。
渡されたモノは……隣国との歴史認識問題に関する我が国の主張を書いたモノだった……。
悲しい事に……我が国の主張の方が間違っている事はすぐに判った……。あの悪魔からもらった能力のお蔭で……嫌な真実も真実だと云う事だけは判ってしまう。
いや……だが……。
「はい……何とかなりますよ。ちょっと調べてみます」
そうだ……。例えば裁判だって、真実は1つだろうが……原告に有利な証拠も、被告に有利な証拠も、裁判所に提出される。誰1人、証拠の捏造などやっていないにも関わらず。
歴史学も同じようなモノだ。
「定説」を補強する証拠も、否定する証拠も有る。両方を長い間かけて検証して、ようやく「定説」が生まれるのだ。
俺には「真実」を裏付ける証拠を消し去るのは無理でも……「真実」と矛盾する証拠がどこに有る何かを知る事は出来た。……そう、あの悪魔からもらった能力のお蔭で。
若い頃、歴史学者を目指していた俺は、気付いた時には、歴史修正主義に手を染めていた。
姉の旦那から与党の政治家に紹介され……様々なプロパガンダを手伝い……傍から見れば、人生の絶頂なのに、何度も、俺は悪魔との「約束の言葉」を言いそうになった。
自分では嫌悪感しか感じないのに、手放すには余りに惜しい生活を何年も続け……。
気付いた時には……隣国との軋轢は頂点に達していた。
日本国内では日本を支持している国が大半だ……と報道されていたが、真実は逆だった。
だが、いつしか、与党の政治家達は、自分達がやったプロパガンダを自分で信じるようになっていた。
そして……それに手を貸したのは……俺だった……。ほんの少しでは有るが……。
やがて、日本は、とっくに国力で日本を追い抜いている隣国に戦争を仕掛け……。
「何故、この時代の日本は、普通に考えれば、あっさり負ける事が判りそうな戦争を自分から仕掛けたのか?」
その疑問は……次の世代の歴史学者に新しい研究テーマを与えてくれるだろ……しまった……そうだ。
俺は……全知と引き換えに「疑問」を失なっていたのだ。研究者にとって、最も大切なモノを。
「も……もう、うんざりだ。俺の願いを無かった事にしてくれ」
俺は……若い頃に呼び出した悪魔にそう言った。
「では、御約束通り貴方の魂を頂戴します。私にとっては、非常に喜ばしゅうございます。……頂戴出来た貴方の魂に、ほんの微かとは言え良心が残っていましたので」
何故……何故……こんな簡単な事に気付かなかったんだ……。若い研究者だったら……一度は夢想する願いは……叶った瞬間に研究者生命を絶つモノである事に。
そして……それに気付かなかったせいで……俺は……愛している自分の国を滅ぼす事に手を貸してしまったらしい……。
数十年ぶりに俺の元にやって来た「ヤツ」は、そう説明した。
「『その願いが叶った瞬間、貴方は自分が好きで選んだ仕事を楽しく喜ばしいものと思えなくなるぞ。それでも良いのか?』と忠告したでしょう。しかし、私は、あくまでも悪魔でございますので……自分の利益になるのなら、お客様の人生など……いや、それどころかお客様の願いの副作用で、国が一つ滅び、罪の無い無関係な人間がいくら死のうと『知った事か』でございます。では……御選択を」
俺の目に映っているのは……廃墟と化した京都。……東京、大阪、名古屋、広島、博多、仙台、札幌……他の大都市も似たような状況だろう。
俺は……涙と鼻水で顔をグチャグチャにしながら……約束の言葉を唱えた。
歴史学者としての道を選んだのは……「太い実家」……良くも悪くも、ちょっとした「金持ちだが旧弊な『地方の名家』」の本家の息子……それも、合せて5人居る兄と姉婿が全員死なねば「跡継ぎ」には成れそうにない境遇だったからだ。
計5人の兄と姉婿の誰か……一番、顔が良くて口が巧いの……が政治家としての地盤を継ぎ……もう1人の誰か……経営者としての実務能力が有るヤツ……が会社の経営を継ぐだろう。
残念ながら、俺は、産まれた順番も、顔も、一番下で……高校の頃には、成績は良いが、性格も才能も経営者向きでも政治家向きでも無い事が判明していた。
しかし、ウチの実家には、「一番下のドラ息子」に好きな事をさせるぐらいの金の余裕が有った。……後にして思えば、幸か不幸か……。
理系の研究者でも食ってくのにカツカツの御時世だった。ましてや文系の学者は……。
俺よりも優秀な先輩・後輩・同期が、あるいは脱落し……あるいは研究よりも生活の為のバイトを優先せざるを得ない中……俺は、着々と論文を書いていった。
だが、指導教官が俺の論文を読んでいる時の表情は……「合格ラインよりは上だが、平均よりは下」とでも言いだけなモノだった。
複雑な気持ちだった……。俺が研究者を続けていられるのは……自分の才能や努力や実力のお蔭ではなく……単に、俺の「産まれ」と「今の時代の状況」のせいに過ぎなかった。
単なる気分転換のつもりだった。……ひょっとしたら……と云う気持ちも有った。
SNSで知り合った知人から教えてもらった……昔のヨーロッパの「魔導書」。
自宅のキッチンのテーブルの上に置いたA3の紙に魔方陣を描き、それに載っていた呪文を唱え……。
当然ながら……何も起きない。
「駄目か……やっぱり……」
次の朝、勤務先の研究機関に出勤し、自分のオフィスに入ると……。
「どうも……お初に御目にかかります。昨晩、呼び出していただいた悪魔です」
蝙蝠の翼。
先端がV字状になった尻尾。
こめかみには角。
赤黒い肌。
硫化水素の臭い。
いかにもな姿なのに、妙に丁寧な口調の悪魔が俺に割り当てられた個室タイプのオフィスに居た。
「なるほど……研究者としての御自身の才能に疑問を抱いている……と」
「ええ……このままじゃ研究者として行き詰まる気がして」
よもや悪魔に人生相談をする羽目になるとは思わなかった。
「では……御希望は……?」
「全知です。……但し……歴史学に関して……」
「はぁ……叶えられますが……」
「何か問題でも……」
「では……魂を頂く条件は……ゲーテの『ファウスト』の逆ではどうでしょうか?」
「へっ?」
「『素晴らしい。このまま時間が止まってしまえば良いのに』ではありきたりですので、貴方が、御自分の願いのせいで『もう、うんざりだ。俺の願いを無かった事にしてくれ』と思われた時に魂を頂戴すると云うのは……気が効いていると思うのですが」
えっと……そうかな?
論文のテーマにした事の「正解」はすぐに判るようになっていった。その根拠となる文献その他が、どこに有る何なのかも……。
だが、論文執筆の効率は上がったにも関わらず……論文の本数は減り……評価は下がっていった。
何故なのかは判らない。
気付いた時には、論文よりも一般向けの新書の方を精力的に執筆するようになっていた。
俺は……一般にはそこそこ有名になったが……学者としては凡庸だと見られるようになっていった。
「なぁ……勇太くん……ちょっと、これに関して根拠となる資料が欲しいんだが……」
結構な額の印税が懐に入り続けていた……。多分、俺が、今、所属している研究機関のトップより、俺の方が年収が多いだろう。
だが、実家の資産に比べれば誤差の範囲内だ。
俺は……悪魔との「約束の言葉」を何度も言いそうになっていた。
そんな時、二番目の姉の旦那から、変な頼み事をされた。俺の親の地盤を継いで政治家になった男だった。
渡されたモノは……隣国との歴史認識問題に関する我が国の主張を書いたモノだった……。
悲しい事に……我が国の主張の方が間違っている事はすぐに判った……。あの悪魔からもらった能力のお蔭で……嫌な真実も真実だと云う事だけは判ってしまう。
いや……だが……。
「はい……何とかなりますよ。ちょっと調べてみます」
そうだ……。例えば裁判だって、真実は1つだろうが……原告に有利な証拠も、被告に有利な証拠も、裁判所に提出される。誰1人、証拠の捏造などやっていないにも関わらず。
歴史学も同じようなモノだ。
「定説」を補強する証拠も、否定する証拠も有る。両方を長い間かけて検証して、ようやく「定説」が生まれるのだ。
俺には「真実」を裏付ける証拠を消し去るのは無理でも……「真実」と矛盾する証拠がどこに有る何かを知る事は出来た。……そう、あの悪魔からもらった能力のお蔭で。
若い頃、歴史学者を目指していた俺は、気付いた時には、歴史修正主義に手を染めていた。
姉の旦那から与党の政治家に紹介され……様々なプロパガンダを手伝い……傍から見れば、人生の絶頂なのに、何度も、俺は悪魔との「約束の言葉」を言いそうになった。
自分では嫌悪感しか感じないのに、手放すには余りに惜しい生活を何年も続け……。
気付いた時には……隣国との軋轢は頂点に達していた。
日本国内では日本を支持している国が大半だ……と報道されていたが、真実は逆だった。
だが、いつしか、与党の政治家達は、自分達がやったプロパガンダを自分で信じるようになっていた。
そして……それに手を貸したのは……俺だった……。ほんの少しでは有るが……。
やがて、日本は、とっくに国力で日本を追い抜いている隣国に戦争を仕掛け……。
「何故、この時代の日本は、普通に考えれば、あっさり負ける事が判りそうな戦争を自分から仕掛けたのか?」
その疑問は……次の世代の歴史学者に新しい研究テーマを与えてくれるだろ……しまった……そうだ。
俺は……全知と引き換えに「疑問」を失なっていたのだ。研究者にとって、最も大切なモノを。
「も……もう、うんざりだ。俺の願いを無かった事にしてくれ」
俺は……若い頃に呼び出した悪魔にそう言った。
「では、御約束通り貴方の魂を頂戴します。私にとっては、非常に喜ばしゅうございます。……頂戴出来た貴方の魂に、ほんの微かとは言え良心が残っていましたので」
何故……何故……こんな簡単な事に気付かなかったんだ……。若い研究者だったら……一度は夢想する願いは……叶った瞬間に研究者生命を絶つモノである事に。
そして……それに気付かなかったせいで……俺は……愛している自分の国を滅ぼす事に手を貸してしまったらしい……。
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