冒険者ギルド「が」追放されたんで、別ギルドに移籍してランキング1位を目指します!!

蓮實長治

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第1章:ミッドナイト・ライダー

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 鏡なんか見なくても、自分がゲンナリした表情になってるのが判るような状態で、トイレから2階のベランダ席に戻ると、ローアとシュネが変な表情かおで僕を出迎えた。
 シュタールは……黙々と酒を飲んでる。
「あ……あのさ……それ……」
「どうしたの?」
 シュネの顔色は……北方系白肌人種が「魔法の美容整形」で改造された偽エルフだって事を考慮しても……白過ぎる。
 ローアは……やれやれと言いたそうな感じの表情。
「おい、お前に取り憑いてる奴ら……食ってもいいか?」
 口調からして、僕がトイレに行ってる間に「本物かつ魔物」の人格に切り替わったらしい。
「へっ?」
 次の瞬間……。
 轟ォッ‼ 業ォッ‼
 僕の体から……黒い煙のようなモノが出て……それがローアの口に吸い込まれる。
「うがあああ……」
「げええええ……」
「うきゃきゃきゃきゃあ~ッ‼」
 そして、ローアの口元で、その黒い煙みたいなモノは、次々と……人の顔の形になり……悲鳴をあげ……そしてローアの口の中に消えていった。
 ちょっと待て……。
 ……あれ、幻じゃなかったのッ?
「おめえさ……悪党に向いてねえよ」
「え……?」
「おめえが、人殺しても何とも思わねえような極悪人や、人を殺す事の何が悪いのか判んねえような、この2人みたいな阿呆なら……」
「シュネ、阿呆じゃないもん」
「うるせえ」
「○×△◇⁉」
 いつものように「猿ぐつわ」の魔法が発動。
「あの手のモノは、逆に、極悪人や阿呆には取り憑かねえ。けど、おめえは中途半端だ。バレずに悪事をやるのが現実的だとイキがってる癖に、心のどこかでは、今までやってきた事を気に病んでやがる。だから、あの手のを引き付けちまう。こんな調子じゃ……いつか、あたしらのパーティーが殺した奴らの怨霊を1人で引き受けて、り殺される羽目になるぞ」
「は……はぁ……」
「ひょっとしたら、私らが冒険者ランキング1位になれる日が来るかも知れねえけど……その頃にはおめえ脳味噌おつむはブッ壊れてるぞ、死んでなきゃな」
「あ……あの……この馬鹿小説、ジャンルが追放モノに変るの?」
「悪い事はこたあ言わねえ。田舎帰ってマトモな仕事やれ」
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