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第二章:Fair Game

スカーレット・モンク(7)

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「こっちが『はずれ』っすか~ッ⁉」
「言いたい事は判るけど、人間を『はずれ』扱いすんじゃないよッ‼」
 あたし達は、応援に来た3人……「鬼」系の「正義の味方」である「ビンガーラ」、そして獣化能力者である「ハヌマン・シルバー」「ハヌマン・エボニー」の車に分乗し……たまでは良かったが、重大問題が発生。
 敵の「クリムゾン・サンシャイン部隊スクワッド」が乗っていた車が自動操縦か遠隔操縦の爆弾付きの車だったのだ。
 あたし達は、保護対象を2台の車に分けて乗せ……当然、敵も分かれて追ってきた。
 ただし、てると女の子が乗った車を追ってるのが1台。あたしと男の子と「保護者」が乗った車を追ってるのが3台。
 その3台の内の1台は、あたしが乗ってる車の横に。別の1台は前に。最後の1台は背後うしろ
 敵の車の破壊につながる真似は……出来ない。少なくとも近くに人が居る可能性が有るか、民家その他が近くに有る場所では。
「どうすんですか?」
「とりあえず、あたしらの車は基山きやまの、『ワンワン』と『ニャンコ』の車は筑紫野のキャンプ場に敵の車を誘き寄せて……」
「どっちも、結構、遠くないっすかッ⁉」
「プランAも有るけど、望み薄なんで、最初からプランB」
「どう云うプランっすかッ⁉」
『すまん、「プランA」用の小型ドローンが足りない。その車に積んでる重量が五〇〇g以下のヤツを全部放て。ただし、大型のヤツはいい』
 その時、瀾師匠より連絡
了解Affirm。おっちゃん、そこの箱取って」
「えっと……どれですか?」
「その緑のヤツ。窓開けて下さい」
了解Affirm
 あたしは箱の中の小型ドローンのスイッチを入れ窓から放り出す。
「あっ♪ あ……♪ あ~……」
 宙を舞うドローンを見て最初は喜んでた男の子だが……遠くに離れていくにつれて残念そうな顔になり……。
「あ~っ‼ あ~っ‼ あ~っ‼ あ~っ‼」
 「精神操作」への「抵抗」は、基本的に、ある意味で「抵抗」と云う言葉からイメージされるモノとは違う。
 どちらかと言えば「受け流す」に近い。
 しかし……これは……。
 操られる事は無いが……脳内でとんでもない音量の雑音が鳴り響いてるような感じだ。
「あ~、判ったッ‼ 後で似たようなの買ってやるッ‼ だからやめろ~ッ‼」
「あああああ~ッ‼」
 男の声が、お化けでも見たかのような恐怖に満ちたものに変る。
「あんた……今……何やった?」
「すいません……うっかり……『呪詛返し』を……」
「馬鹿野郎。話をややこしくすんじゃないよ」
「後で買うのはいいんですけど……」
「おっちゃん、何が言いたいの?」
「私達に『後』って有るんですか?」
「……努力する……」
「すいません……私……TCAあっちにカミさんと子供が……」
「判った、判った。何とか努力するから……」
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