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第二章:Fair Game
シルバー・ローニン(6)
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私はしゃがみながら鎌型短刀を抜き、周囲に居る連中の足に切り付ける。
周囲に居る連中は飛び退き……私に銃口を向ける。
だが、いいモノが、たまたま、すぐ近くに有った。
先程、串刺しにした連中の3人の死体の内の1つ。
それを刺さっている即席の槍を柄にして持ち上げ……。
「うおおおおッ‼」
死体を盾兼鈍器にして、振り回す。
だが、何人かが私に構わず、背を向けて……。
旭が放つ「魔法」が敵兵士に次々と命中し、敵兵士の装甲に防御魔法らしき光輝く紋様が浮かび上がる。
どうやら……旭の「魔法」では、何発か当てないと防御魔法を撃ち破れないらしく、敵兵士達は気にも止めていない。
「うわああああッ‼」
主に脚部を中心に痛み。
過剰反応……いわゆる「火事場の馬鹿力」のせいで、自分の力で自分の筋肉組織が破壊されている。
だが、高速治癒能力によって、破壊されるそばから筋肉組織は再生される。
古代の超人種族「古代天孫族」に限りなく近い「第一世代強化兵士」……私の「故郷」の呼び名では「人造純血種」……として作られた者だからこそ可能な真似だ。
それによって、瞬時に時速数十㎞まで加速。もちろん、人間の目で追える速度だが……予備動作なしに一瞬で加速したせいで、私を銃で狙っていた兵士達は対応出来ない。
旭達を狙っているのは、残り9体の内4体。
内2体の延髄に背後から鎌型短刀を突き刺し……更に1体の頭部に「細波」を撃ち込む。
装甲の防御力を無視し、直接相手の内臓を「揺す」打撃技だ。そして……本来は、胴体に撃ち込み、相手を気絶させるか戦闘能力を奪う為のモノだ。
しかし、元から常人以上の身体能力を持つ者が、「火事場の馬鹿力」を発揮した状態で、相手の「脳」を「揺せ」ば何が起きるか?
「細波」を撃ち込んだ相手は糸の切れた操り人形のように崩れ堕ちる。
ようやく私に気付いた残り1体の背後に回り込み……首に腕を回して、そいつの体を残り5体に向け、銃弾を避ける盾代りに……。
いや……馬鹿な……残り……6体だ。
足から血を流している者。
片腕がおかしな方向に曲っている者。
そして……私が勝手に死んだか、少なくとも戦闘能力は奪ったと勘違いしていた……腹に開いた穴から大量の血を流している者。
奴らは、仲間が蜂の巣になるのにも構わず……私に向けて銃弾を放ち始めた……。
が……ほぼ同時に、3つの「風」が私の横を通り過ぎた。
黒と銀と青の「風」が。
周囲に居る連中は飛び退き……私に銃口を向ける。
だが、いいモノが、たまたま、すぐ近くに有った。
先程、串刺しにした連中の3人の死体の内の1つ。
それを刺さっている即席の槍を柄にして持ち上げ……。
「うおおおおッ‼」
死体を盾兼鈍器にして、振り回す。
だが、何人かが私に構わず、背を向けて……。
旭が放つ「魔法」が敵兵士に次々と命中し、敵兵士の装甲に防御魔法らしき光輝く紋様が浮かび上がる。
どうやら……旭の「魔法」では、何発か当てないと防御魔法を撃ち破れないらしく、敵兵士達は気にも止めていない。
「うわああああッ‼」
主に脚部を中心に痛み。
過剰反応……いわゆる「火事場の馬鹿力」のせいで、自分の力で自分の筋肉組織が破壊されている。
だが、高速治癒能力によって、破壊されるそばから筋肉組織は再生される。
古代の超人種族「古代天孫族」に限りなく近い「第一世代強化兵士」……私の「故郷」の呼び名では「人造純血種」……として作られた者だからこそ可能な真似だ。
それによって、瞬時に時速数十㎞まで加速。もちろん、人間の目で追える速度だが……予備動作なしに一瞬で加速したせいで、私を銃で狙っていた兵士達は対応出来ない。
旭達を狙っているのは、残り9体の内4体。
内2体の延髄に背後から鎌型短刀を突き刺し……更に1体の頭部に「細波」を撃ち込む。
装甲の防御力を無視し、直接相手の内臓を「揺す」打撃技だ。そして……本来は、胴体に撃ち込み、相手を気絶させるか戦闘能力を奪う為のモノだ。
しかし、元から常人以上の身体能力を持つ者が、「火事場の馬鹿力」を発揮した状態で、相手の「脳」を「揺せ」ば何が起きるか?
「細波」を撃ち込んだ相手は糸の切れた操り人形のように崩れ堕ちる。
ようやく私に気付いた残り1体の背後に回り込み……首に腕を回して、そいつの体を残り5体に向け、銃弾を避ける盾代りに……。
いや……馬鹿な……残り……6体だ。
足から血を流している者。
片腕がおかしな方向に曲っている者。
そして……私が勝手に死んだか、少なくとも戦闘能力は奪ったと勘違いしていた……腹に開いた穴から大量の血を流している者。
奴らは、仲間が蜂の巣になるのにも構わず……私に向けて銃弾を放ち始めた……。
が……ほぼ同時に、3つの「風」が私の横を通り過ぎた。
黒と銀と青の「風」が。
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