君と夜に咲く

朝のお仕事

学校について、私はまず職員室に向かいます。

生徒会室の鍵が職員室にあるので、取りに行かないと…。

コンコンコン

「失礼します。２年４組の河織です。生徒会室の鍵を借りに来ました。」

三回ノックして、中に入ります。

「はい、どうぞ。」

そんな私に、職員室にいる田辺先生が鍵を手渡してくれました。

「あっ、ありがとうございます。」

田辺先生はいつも、私が中に入るとすぐに反応してくれるので助かってます。

田辺先生がいないときは、結構待たないと反応返って来ないので、こちらも反応に困るんですよね…。

「朝から頑張るねー。」

そんな風に思っていると、えらいえらい、といった風に田辺先生に頭を撫でられました。

「まあ、ちょっと。」

そんな田辺先生に苦笑いを浮かべます。

「ね、河織さん。…昨日、なんかあった？」

「………なんでですか？」

そしたら、田辺先生は突然私にそう聞きました。

私はそれに少し慌てつつ、なんにもない風を装って首をかしげます。

さすがに、旭先生とのアレコレを人に知られるわけにはいきませんから。

「んー、気づいてない？」

そんな私に、戸惑ったように田辺先生は首をかしげます。

「…ここ、ついてるよ。」

そして、私の首筋に手のひらを優しく添えてそういいました。

「…えっと、何が？」

「………………キスマーク。」

問いかけた私に、凄く複雑そうな顔で、言いずらそうに、田辺先生は答えてくれました。