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「…大好き!」~雪side~

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「へ?」

 だよね?やっぱり里央もそういう反応するよね。
 私、自分がおかしくなったのかと思った。

 間抜けな顔をした…いや、正確には私が間抜けな顔をさせた里央は『開いた口が塞がらない』という感じで続ける。

「で、雪はどうしたの?」
「緊張した空気のなか3人で1時間を過ごして、帰りますつって斉藤さんのマンションを出たら、そのコが追いかけて来て近所のカフェで話した」

 以前、斉藤さんは私のことを宇宙人だと言った。でも、私からしてみれば斉藤さんの方が宇宙人みたいだ。

 ことの始まりは、昨晩のこと。

 晋吾を吹っ切るために斉藤さんとの関係を深める決心をした私は、水曜夜8時に張り切って彼のマンションへと向かう。もちろん事前に連絡済みだったし、初エッチの可能性もあったのでとっておきの下着に身を包んで行ったのだ。

 まだ片手で数える程しか訪れたことのない『今カレ』の部屋。心臓をドキドキさせながらチャイムを押すと、何故か応答してくれたのは女性で。斉藤さん、裏声でも出してるのかな?まあ、なんて芸達者なの!…と自分で自分を誤魔化していたら、やっぱり中から出て来たのは女性だった。そして言葉を交わすまでもなく、その人は奥にいる斉藤さんの名を呼んだのである。

「タッちゃん、お客さんみたいだよ~!」
「え、ああ、深田雪さんだよ、挨拶して」

 あまりにも堂々としているので、てっきり親戚のコかと思ったのに。

「私、タッちゃんの元カノで中村恵津ナカムラ エツといいます。同棲中の彼氏からDVを受けたので、ココに匿ってもらってるの」

 『は?』と思ったけど、それは声にならなかったので改めてこう訊ねた。

「いつからココに?」
「うーんともう3日目かな」

 元カノを3日間も泊めているの?そんな意味を込めて彼を見つめると、『困ったときはお互い様だし』と悪びれない。いや、待て。この人は本当に善人で、私という彼女もいるんだからいくら元カノとは言え手出しなんかするワケない。

 そんな願いも虚しく、斉藤さんの鎖骨あたりにキスマークらしきモノを発見。それもワイシャツを着れば隠れるけど、部屋着だと見えてしまうという絶妙な位置だ。アナタなかなかの玄人だね、なんて他人事みたいに称賛しながら元カノを凝視する。そのうち喉にネットリと何かが貼り付いた感じになって、何も話せなくなってしまった。

 そんな私の気持ちを知ってか知らずか、なぜか斉藤さんは私のことを自慢しだす。明るくて、誰からも愛される人気者なのだと。いつでも人を笑わせる素敵な女性なんだよと。ここで漸く私は『帰ります』と告げた。

 斉藤さんはたぶん、本気で言ったのだろう。

 >誰からも愛される。

 その言葉が、いまの私にはキツかった。晋吾も、斉藤さんも、結局はそんなに私を好きじゃなくて、簡単に他の女性を選んでしまったから。…ていうかさ、あの男達ハズレじゃない?!この私には、釣り合ってないっつーの。ああ、もう、ちくしょ、泣いてなんかないもん。

 夜道を歩いていると後ろから誰かが追いかけて来て、トントンと肩を叩かれたせいで思わず『ヒイッ!』と声が出た。振り向くと斉藤さんと元カノが立っていて、何故か斉藤さんではなく彼女の方が話し始める。

「雪さんと2人きりで話がしたいの。そこに24時間営業のカフェがあるから行きましょう。あ、タッちゃんは離れた席で待機しててね」

 『はい』とも『いいえ』とも答えていないのに、いつの間にかその店へ行く流れになっていて、夜10時に今カレの元カノとコーヒーを飲む私。目の前のそのヒトは気が強そうな美人で、世の中のことをなんでも知っていそうな、そんな雰囲気を醸し出していた。

「…今から話すのは、斉藤達広の取扱説明書。えっと、先に私のこともサラサラッと話します。中学時代にたまたま隣の席になって、お互いよく似た境遇…私の方は、両親が借金で夜逃げして、叔父夫婦の家で世話になってたの。それで家に居づらくなって、タッちゃんのアパートに入り浸るようになり、そのまま付き合い出したのね。

 しばらくは順調だったんだけど、私が高2になった頃、両親が帰ってきて。普通の生活に戻った途端、『俺はもう用無しだから』と言われて破局しちゃった。要するにタッちゃんは困ってる人としか付き合わないの。えっと、もしかして雪さんも悩み事とか相談したんじゃない?」

 私はコクコクと頷く。確かに晋吾とのことを延々と愚痴った後、急に付き合おうと言われたっけ。

「あとね、彼にとってセックスはツールでしかありません」
「ツ、ツール??」

「慰めるための、『道具』。愛情を確認するとか、そういう意味なんて無い」
「ど、道具…」

「だから誰かと交際中でも、平気な顔して他のオンナとヤッちゃうの。ねえ、試しに訊いてみて。私、昨夜タッちゃんと寝たから。本当はDVの彼氏なんて嘘だけど、困ってると伝えると、抱いてくれる。雪さん、アナタはそれに耐えられるのかな?…あの人は、『普通』を知らない。孤独な環境で培った、誰からも干渉されない特異なルール。それをが彼にとっての『普通』なの。

 もし耐えられないと思うのなら、早目に彼から離れてちょうだい。タッちゃんは誰かを傷つけたくて、そんなことを繰り返しているんじゃない。誰かを助けたくて、ううん、自分を必要として欲しくて、自分の存在を確かめるために誰かと付き合うの。平気で他の女と寝る彼氏なんて、無理だと思って当然よ。罪悪感なんか抱く必要は無い、むしろ早めに彼から離れてあげて」



 …残念ながら、答えは決まっていた。

 『救って欲しい』と言いながら実は救いたかったんだね、斉藤さん。でも、やり方を間違えているせいで、結局何も解決しない。

 そこにあるのは闇だけだ。

 ごめんね斉藤さん。すごく好きな相手なら頑張るけど、むしろ『好きにならなくちゃ』とさえ思っていて。そんなアナタのために頑張ることは出来ないです…。

「分かりました、私は斉藤さんと続ける自信がありません。今から彼にそのことを伝えます」

 静かに私たちは立ち上がり、L字型になっている店内の端の方へと進む。隠れて見えなかった席に座る斉藤さんは真剣な表情で誰かと話し中で、よくよく見るとその人は…

「なッ、なんでココにいるの?!」

 …晋吾だった。

「なんでって、斉藤さんに電話したら、雪と一緒にこの店にいるって。だからタクシーを飛ばして来たんだけど」

 驚いて斉藤さんの顔を見ると、苦笑いしながらゆっくりとこう言った。

「晋吾、俺に『雪を返してくれ』ってさ」

 その言葉が意外すぎて、晋吾の顔をジッと見る。素早く逸らされたがそれでも見つめ続けると、バツが悪そうに私と視線を合わせた。

 更に斉藤さんの話は続く。

「『雪以外じゃダメ』だって。『雪のことが涙が出るほど好き』なんだってさ」

 きゅ────ん。

 心臓の音が高らかに鳴り響く。初めて見る晋吾の照れた表情に、もう胸のドキドキが止まらない。その後、何度『バカ』と口にしただろうか。

「バカバカバカバカ、なんで直接私に言ってくれないの?」
「…雪」

「私ばっかり好きだって、晋吾は私のことそんなに好きじゃないって、ずっとずっと苦しかったんだよ!」
「…なあ、雪」

「私、電話するたび言ったよね?『好きだよ、ねえ晋吾は私のこと好き?』って。あれに『うん』って答えてくれるだけで、それだけで安心したんだよ。なのに…」

 私たちの他は誰もいない店内で晋吾は立ち上がり、通路の中央で泣きじゃくる私を抱き締めた。

 そしてそのまま、そっと耳元で囁く。

「…『うん』」
「バ…バァカ。遅いよ」

「うん」
「そんなに私のこと、好きなの?」

「うん」
「一番好き?他の誰よりも好き?」

 一瞬だけ顔を離したかと思うとクシャッとはにかんで笑い、それからまた耳元で小さく呟く。

「…うん、大好き」

 ああ、もう、ちくしょ。全部全部、吹っ飛んだ。怒ってたのに、何を怒ってたのかさえも忘れた。

「俺達はさ、簡単に付き合い始めて、そして簡単に別れた。だからヨリを戻すのも簡単だって、そう思ってたんだ。こんなに難しいなんて知ってたら、別れたりしなかったよ。もう間違えないから。

 お前のことばかり考えて、仕事ミスったり、
 お前のこと忘れたくて、他の女と付き合ったり、
 お前が忘れられなくて、その女と別れたり。

 あのな俺、気持ち悪いくらい雪が好きなんだ。だからお願いだから戻って来て」


 仕方ない。
 だって、仕方ない。

 どうしてか、なぜだか、この男が好きなんだ。

 全然優しくないし、感情にもムラがあるし、
 自分勝手で私のことをすぐバカにする。

 なのに、好きなんだ。

 その何気ない仕草に、その表情に、
 いちいち、いちいちドキドキする。

 プライドとか、虚栄心とか、駆け引きとか。そんなゴテゴテした感情をすべて吹き飛ばし、素の私に戻してしまうのは晋吾だけ。形振り構わず『好き』って言える相手も、晋吾だけなんだよ?

 …ひとしきり泣いたら少し落ち着いて、ゆっくりとその方向を見ると斉藤さんが座ったまま手招きする。

 その表情は、穏やかだ。

 斉藤さんと元カノが並んで座るその正面に、私と晋吾がおずおずと腰を下ろす。いつの間にか二杯目のコーヒーが置かれていて、全員が一口飲んだ後で斉藤さんが口を開く。

「晋吾、安心しろ。雪ちゃんには手を出していないから」
「斉藤さん…あの、そんなワケなんで…」

「もういいよ、お互い好き同士なんだもんな。雪ちゃんのそんな顔、久々に見たよ。そんなに愛されて幸せ者だな、お前」
「すんません、いろいろ振り回しちゃって。どうしてだか俺、こいつのことがメチャメチャ好きで。なんかもう止まらないんですよ、いろいろと」

 そう言って人目も憚らず、晋吾が私の手をギュウギュウと握ってくる。だから負けじと私も握り返した。

「ちくしょ、雪、可愛いなお前。後で覚えてろよ、グッチョグチョにしてやるからな!」
「うん、してして!」

 はっ、いけない。一瞬、2人だけの世界になった気がして思わず睦言を交わしてしまったが、目の前では斉藤さんと元カノが困っている。

「ほんと、いいなあ晋吾は。そんなに愛されて、本当にいいなあ…。いつか俺も、そんな日が来るといいなあ」

 その言葉を聞いた元カノが、斉藤さんの袖を引っ張り『わたしわたし』と自分を指さす。

「酷いよタッちゃん。私の気持ち、分かってて言ってる??中学時代からタッちゃんひと筋で、ずっとずっと変わらず好きなのに」
「へ?だって恵津、お前には彼氏が…」
「いるワケないじゃん、あんなの大嘘だよ。タッちゃん以外を好きになるはずない。ねえ、タッちゃん、もう私だけを見てよ」

 斉藤さんが驚いているが、それでもグイグイと元カノは迫り続ける。…っていうか、初めて会った私でさえ彼女が斉藤さんのことを好きだと分かるのに、なんで当の本人はソレに気づかないの?

「だって恵津、俺のこと…。ほら、お前の両親が戻ってきたときに『もうタッちゃんは必要ない』って…」
「えっ、違…。そういう意味じゃない、そんなふうに言ってないよ!!」

 斉藤さんは、まるで迷子みたいに心細そうに呟く。

「俺はすごくすごく傷ついたんだぞ」
「あのときは先にタッちゃんが『恵津は寂しいから俺と一緒にいるだけだ』って、そう言ったから。『私はそんなに弱くない。寂しさを紛らすためだけに、一緒にいる人なんか必要ない』って返事したんだよ。…でしょ?」

 コクンと斉藤さんが頷くと、元カノは愛おしそうにその髪を撫でた。

「寂しいから一緒にいるんじゃなくて、…好きだから。タッちゃんのことが好きだから、一緒にいたの。私、そう伝えたかったのに」

 軽く目を見開いた斉藤さんをジッと見つめて、元カノはいきなり笑い出す。

「なあんだ、だからなんだね?いきなり私を避け始めたのは。私の前で他の女とイチャイチャしたり、『もうアパートに来るな』と言ったのも。そっか、だからだったんだ、なんだあ」

 …言葉足らずで、不器用で。
 誤解して、思い込んで、突っ走って。

 そうして私たちは恋を失う。

 でも、ねえ、諦めないで。
 シャツのボタンと同じなの。

 1つ掛け間違えると、全部ダメになるけど、
 気付いたのなら、また留め直せばいい。
 何度でもやり直せるんだよ。

 そう、何度でも。


「…ごめん、恵津」

 蚊の鳴くような声で斉藤さんが呟くと、元カノはまた笑って答えた。

「いいの、私の言い方も悪かったんだもん。ねえタッちゃん、ずっとずっと好きだったよ。そろそろこの気持ちを受け取ってくれない?あとさ、…もう私以外の女に触れないで」
「…恵津」

「もう、他の女に触っちゃ、やだ。もし私と付き合ってくれるんなら、私以外の女には触れないと約束して。お願い、私だけを幸せにして。そしたら、タッちゃんも幸せにしてあげる」

 きっと返事は決まってる。

 だから私は晋吾と目配せして、
 邪魔にならぬようそっとそっと店を出た…。





 …………
 長い長い話を終えて里央の顔を見ると、少し呆れたようにこう言った。

「なあんだ、それで結局ヨリを戻したんだね。もう、本当に人騒がせなんだから」
「うん、ごめん。って、私じゃないよ。全部、晋吾が悪いんだから」

「って、俺?俺は悪くないもん。そうだろ、允」
「お前なあ、そういうトコがダメなんだって。『全部自分が悪いです』って言っておけば、ケンカにならないのに」

 彼女もいない允に、そんな偉そうな説教をされたくないよとかなんとか晋吾が言い。なぜか復縁祝いだと里央がワインをボトルで注文してくれて、それを4人で飲むことになった。

「雪のせいでまた休日出勤だよ。コイツ、何でも気楽に返事してくるけど、今回の納品、保証書に日付印が必要で。それが全部で890個だぜ?」
「ああ、例の大口ユーザーか。雪と共同作業で頑張ってるアレだろ?」

 允が何気なく言った『共同作業』という言葉が、まるで結婚式のケーキ入刀の謳い文句みたいで。少しだけ嬉しくなって、2人に隠れてそっと晋吾の手を握る。

 うふふ。ぎゅっぎゅっぎゅ。

「本当に雪は、考えなしで、適当で、大雑把で」

 一瞬だけ目を合わせてきたので『えへへ』と笑うと、愚痴を言っていた晋吾の頬が緩む。

「(もごもご)ああ、もう。世界イチ、可愛い」

 それを聞いた允と里央が、豪快にワインを吹く。

「なによソレ?」
「このバカップルめ!あのさ、絶対また別れて、そんでくっつくだろ、お前たち」

 允の言葉に、2人揃って首を横に振る。

「別れないよ」
「うん、別れない」

 あれから晋吾とじっくり話し合ったんだ、続けていくためにはどうすればいいかって。ケンカしたり、すれ違ったり、感情が『うわあっ』てなったら頭の中でこう繰り返すの。

 >私たちは鏡。
 >冷たくすれば、冷たくされる。
 >優しくすれば、優しくしてもらえる。

 >自分の気持ちを伝えれば、
 >相手も気持ちを伝えてくれる。

 だから恥ずかしがらずに『好き』だと言おうって。

「えへへ。晋吾、大好き」
「ばあか、俺も大好き」

 目の前で里央と允が、真っ赤になって俯いた。それを平然とした顔で眺めながら、私たちはシミジミと呟く。

「愛って奥深いよねえ」
「ほんとほんと」


 …愛なんて正直、よく分からない。

 でも、この人にだけ湧いてくるこの感情を
 何と呼べばいいのだろう?

 この甘い痛みを何と呼べばいい?

 ねえ、晋吾、何と呼べばいいのかな?
 ねえ、教えてよ……。





 --END--


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