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…したい(志季視点)
しおりを挟む※そんなワケで今回も志季sideです。
何故なら向こうは年齢相応の恋愛経験を積んでいるのに対して、俺の方は全然だ。キスですら大人と子供くらいスキルが違ったのに、この先に進んだら多分もっと格差がハッキリするに違いない。
「志季さん、良かったら今度の日曜日は一緒に映画でも観に行きませんか?」
「ゴメン、俺、映画とか好きじゃないから」
だって、それってデートだろ?
奈月ちゃんの元カレたちは完璧なエスコートをしてキミを楽しませただろうが、俺に同レベルの扱いを求めても無理なんだよ。
あんなお坊ちゃまたちと比べないでくれ。
いや、一応俺の父親もそこそこの会社の社長だけど、育ちが違うと言うか、普通のお坊ちゃまは肉体労働やバーテンのバイトなんかしないし。
俺自身、お坊ちゃまだとは思っていないから。
ガッカリさせることは分かっているんだ。
だったら嫌われる前に突き放した方がいい。
お願いだからこれ以上、好きにさせないでくれ。そんな甘い香りで、愛くるしい笑顔で、白くてムチムチした太腿で、サラサラの髪で、長くて綺麗な指で、プルプルの唇で、誘うなよ!!
「奈月ちゃん、…キスして欲しい」
うおっ、アホか俺ッ。
誘惑に負けて自分からおねだりすんな!!
「いいですよ」
うおおおっ、ふあああっ、唇、やわらか~。
んあ、舌、絡めて、来た…。
その日、明恵は友人の家に外泊するとかで。朝まで2人きりだという状況が俺のオスの部分を盛り立て、そしてそこに奈月ちゃんの視線が注がれてしまう。襲い来る激しいまでの羞恥心。しかし今さら隠すことも出来ずひたすら俯く。
「嬉しい、私なんかに興奮してくれて」
「『なんか』って…」
だって奈月ちゃんは誰が見ても完璧で、キミが誘えばどんな男でも夢中になるし、実際にこの俺だって必死に抗ってるけどこうしてアリ地獄みたく引き込まれているというのに。
「私、してもいいですよ。したい?志季さん」
「……」
無言でいると、俺の耳朶にキスしながら奈月ちゃんは微かに震える声で囁く。
「好き」
ビン!って痛いくらいに俺のオスがその言葉に反応し、それを見た彼女が再びその質問をする。
「したい?志季さん」
「…したい」
なんかもう、他の男と比べられるのは嫌だとか、飽きたら捨てられるとか、そういう卑屈な感情がどこかに飛んでしまい。
自分の中で何かが爆発した。
そしてとうとうこの晩、俺と奈月ちゃんは一線を越え、これに味を占めた俺はそれ以降も頻繁に奈月ちゃんの体を求めるのである。
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