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47.衝撃の事実

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 残念だ、とっても残念だ。
 
 だって、生まれて初めて彼氏の父親にご挨拶するというシチュエーションを味わえるというのに。残念ながら化粧はしていないし、髪も濡れたまま。しかも着古したトレーナーにレギンス姿だなんて。(※希代さん、それ以前に裸を見られていますヨ)
 
 しかし、気を取り直して私は挨拶する。何故なら堤家の両親の品格が、この私を通して伝わるのだから。イエス!希代は堤家代表です。お父さん、お母さん、私を育ててくれて有難う。希代はこんな立派に成長しましたッ!…という思いを込めて、私はペコリとお辞儀する。
 
「先程は大変失礼いたしました。私は圭さんとお付き合いさせて頂いている、堤希代と申します」
 
 
 シ───ン。
 

 へ、返事は?
 おーい、圭パパ、私の声が聞こえていますか?
 
 その姿は髪で顔の大半が隠れているため、まるでオールドイングリッシュシープドッグのようだ。一文字に結ばれていた唇が、ようやっと弧を描く。
 
「…圭、やっぱり血は争えないもんだな」
 
 振り返ればそこに圭くんがいて、苛立ちを隠そうともせずに言う。
 
 「は?何がだよッ」
 
 表情が確認出来ないというのは実に厄介で、圭パパの感情はその口元と声色でしか読み取ることが出来ない。
 
「あのな、お母さんにソックリだよ、この子」
「は?!ど、どこがだよッ。希代のどこが…」
 
 それは無理が有るでしょう?!だって、圭ママはイギリスと日本のハーフでっ。
 
「お前、母親の顔を忘れちゃったのか?どちらかと言えば日本人っぽくて、正にこういう感じの骨格だぞ。お祖母ちゃんもよく似た雰囲気だし、きっと御門家の男は揃いも揃ってこういうタイプの女性が好きなんだろうなあ。うーん、DNAって怖い」
 
 へ?えっと、ちょっと待って。私、てっきり圭くんはクォーターだから美形…つまり、母親似なんだと思い込んでいたのに、本当は父親似だったということ?
 
 私の疑問に答えるかのように圭パパが髪を掻き毟ると、御尊顔が曝け出された。ぎょぎょっ、圭くんにクリソツ。まるでアダルト圭くんだわ。
 
「もう分かったって。俺たち会うのが久々で、時間が勿体無いから自室に行くよ!」
「うん、どうぞどうぞ」
 
 久々って、2週間やそこらなんですけど。私なんかより圭パパの方がもっと会えていなかったはず…という表情で圭くんを睨めば、気づかないフリをされてしまう。
 
「とにかく俺の部屋に行こう」
「えっ?あ、でもっ」
 
 腕を掴まれて強引に連れ去られる私。その傍で圭パパは、バイバイと陽気に手を振っていた。
 
 
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