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第1部

*セックス ー8ー

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沢海は宮原の股座に顔を埋めると口を閉ざしているアヌスにフッと息を吹き掛け、可愛らしく窄まる様子を見詰めた。

陰部に感じる熱を孕んだ息遣いとじっくりと観察をするような探る視線に宮原は沢海の腕を掴むと、爪を立て引っ掻く。
沢海は子猫の爪に似た柔らかい感触に宮原の手首を押さえると、薄い血管の通る内側に口付けを施していく。
口唇を軽く開き、柔らかい肉を食むとそのままチュッと緊く吸い上げ、所有の印を残す。

「オレんのだから…
…オレだけの、だから…
ーーー宮原…
…宮原…
宮原・・・」

浮かせたままの腰骨の下に沢海は自らの膝を入れ、更に宮原の下肢を持ち上げると内腿を開き、股間を大きく曝け出す。
両足を広げるとアヌスが真上を向く羞恥心を煽る体勢を取らされ、宮原は目を見開き、歯を鳴らした。

「ーーーや……いや……
…いやっ!
こわ、い・・・怖いよ……
…やめて…
沢海、せんぱ…い……お願い…
ーーーやめて、よぉ…」

黒曜石のような眸に涙が溢れ、目尻から一筋零れ落ちる様子が分かると、沢海は大切に愛しむように宮原の目蓋に指先で触れる。
睫毛に止まる透明な滴を払うと強張る頬を包み込み、優しく撫でる。

ーーーこの身体はまだ覚えているんだろうか。
宮原の記憶の全てを壊そうとする自分の存在を受け入れてもらいたい。
ーーーこの身体はまだ覚えているんだろうか。
宮原の身体の全てを傷付けようとする自分の指先を拒絶しないでもらいたい。
ーーーこの身体はまだ覚えているんだろうか。
宮原の内奥を抉じ開けようとする、火照る程に焼き付いた自分の身体を感じて、受け入れてもらいたい。

心も身体も同時に傷付けられる痛みに耐え切れず、宮原がどれだけ泣いても、叫んでも、暴れても、自分を止める事は出来ない。

自分自身への勝手な我儘だと分かっていても、それでも宮原が欲しいのだと、宮原を求めていたいのだとーーー宮原と一緒にいたいのだと思う。

宮原の隣でいつも一緒に歩いていたい。
ーーー好きだよ……
宮原と同じ目線でいつも一緒に笑っていたい。
ーーー好きだよ……
宮原が安心して眠れるようにいつも一緒に傍にいて、抱き締めていたい。
ーーー好きだよ……

大切な言葉を組み合わせてみても、届かずに伝え切れない感情をどうしたら宮原に分かってもらえるのだろうか。

「ーーー好きだ……
宮原・・・大好きだよ……
…泣かないで…
大丈夫。
ーーー大丈夫だから。
宮原・・・見て。
…オレだよ。
オレを見てよ」

シーツを握り締めていた手を解くと、沢海は自分の指と宮原の指を絡め、手を握り締める。
離さないように、離れないように緊く指を捉え、手首に残る鬱血した痣に舌で触れる。

「ーーーそう、み…せんぱ、い……」

沢海は弛緩した宮原の身体をもう一度抱え直すと、無防備な後孔を舌を伸ばして舐め、皺の隙間から唾液を注ぎ込む。
舌先で肉輪の縁を擽り、沢海はそのまま大きく口を開けると唾液を乗せた舌を宮原のアヌスに挿入させていく。

一切の峻拒をしているアヌスが沢海の舌と唾液で柔らかく膨らみ、温かく解されていく愛撫に宮原は腰をくねらせながら甘い喘ぎ声を上げる。

「…あぁっ……んっ…
ぅ……はぁ・・・はあ、んっ…
……そ、み……せん…ぱぁ…い…」

アヌスに舌を這わせ、抉じ開けるように蠢かすと直腸へと流れ込んでいた精液が中から滲み出し、沢海の目を楽しませる。
口を開閉するアヌスから会陰に精液が溢れてくると沢海は一滴も残さないように吸い上げ、咽喉を潤し、何度も嚥下した。

「ーーー宮原……
もっと身体の力、抜いてごらん。
…支えてあげるから…」
「……ダ、メ・・・
ーーーで…出来な、い……
出来ない、よぉ…」

ベッド上での沢海の命令に宮原は混乱し、落ち着かない呼吸のまま緩く首を横に振ると、涙目で訴えてくる。
処女のように掏れていない仕草に沢海は目元を和らげると、喜悦に満ちた笑みを作る。

沢海は無意識に全身を強張らせてしまっている宮原の胸に手を伸ばすとピンと立ち上がっている乳首を摘み、指先で揉み込む。
ぽってりと柔らかかった乳首が意地悪な愛撫を受け止めた為にまた固く痼り、その直接的な反応に沢海は楽しんだ。

「…はあぁっ……あぁ…
ん…あ……やぁ・・・」

宮原が肺胞からゆっくりと息を吐き出し、全身が弛緩した瞬間を見計らい、沢海は口を開け、緩んだアヌスに舌を捩じ込む。
躊躇いもなく前舌を蠢かし、慰撫するように優しくそして、濃厚に施していく。

ちゅぷん、と水音を鳴らしながら沢海の舌が宮原の胎内に入り込むと、再びアヌスが口を閉ざさないように同時に人差し指も挿入していく。
肉襞に沿わせながら舌を這わせ、周囲を指でぐるりと旋回する。

沢海は口内に含んだ唾液を溜めると宮原のアヌスへ直接注ぎ込み、胎内に残ったままの精液と撹拌させる。
キュッと窄まるアヌスは沢海の人差し指を咥えたまま入口を塞ぎ、まるで沢海の唾液と自らの精液を美味しそうに飲み込んでいるようにも見える。

宮原の中に入ったままの指を直腸の襞に触れながら、第二関節まで一気に埋めていく。

「っあ!!
……ふ、ぁっ……や、だぁ…
ぬ……抜い、てぇ・・・
ーーーなか……やぁ……」
「…宮原…
大丈夫だから・・・
ーーー感じてみてよ…
ほら…」

直腸の中でペニスの裏側を探るように動かすと指先に前立腺の膨らみに触れ、宮原の肢体がビクッと跳ね上がる。
中枢神経に直接触れてくるような激しい刺激は全身を鳥肌で総毛立たせ、鼓動が変則的に乱れてしまう。

宮原は両腿を内股に閉じ、自分の身体を小さく竦めようとするが、前立腺の場所を確認するように沢海の指が胎内で自在に蠢く。

「ひゃぁ、んっ!……
や、やぁっ!
……な、何っ?
それ・・・やだ…
ーーーやめ、てっ!」
「ここ、だね。
見付けた……宮原の感じるところ。
ねぇ…ここでしょ?」

前立腺の膨らみを直腸越しに指先でなぞられ、宮原の勃起したペニスがピュッと精液を噴き上げる。
沢海が指先でコリコリと触れる同じタイミングで何度も立て続けに射精し、宮原は堪らずにシーツを掻き毟る。

前立腺の大きさを探るように指先で強く押して引っ掛け、直腸が蠕動をすると弱く撫でるように触れていく。
繰り返されていく愛撫を貪欲に求め続け、快楽に没頭し、爆ぜる瞬間に溺れる。

強制的に射精を促されていくと宮原の腰が上下に緩く動き、無意識に沢海の指を自分の最も感じる箇所に擦り付けていく。

宮原は自らの止まらない精液を腹に、胸に、顔に浴びてしまい、汚れていく淫らな肢体を沢海は夢中で見入ってしまう。

「ーーーあっ……あぁっ…
と、止まんないっ!…
……いやっ……見ない、で……
見ないで…よぉ…」

沢海は前立腺から更に直腸の内奥に指を押し込むと少し左右に動かし、精嚢の器官を探す。
前立腺の痼から指を僅かに逸らしながら、直腸を擦り上げるように揉まれていくと射精管を突き抜ける程の鋭い刺激が宮原のペニスに走る。

沢海の腕の中で窮屈に身体を折り曲げられ、真上に向いたアヌスを穿られているこの状態で、宮原は気が触れるような快感に逃げる事も、自らの精液に汚れる身体を隠す事も出来ずにいた。

「……や……や、ぁ……
止まん…ない・・・
ーーー止まんない、よぉっ…!
も、う……やぁ……
…やめて…
それ…もう、やめてっ!
・・・やだぁ…」

沢海は長い指を器用に動かすと前立腺と精嚢を交互に擽り、性感帯を直接愛撫される感触にビクビクと身体を撓らせる。
その純粋で無垢な肢体に沢海は忘我し、何度も宮原の直腸の中で指を蠢かしながら、空いた片手でだらしなく伸びた陰嚢を揉む。

「ーーーほら、ね…
まだ、精液が出て来るよ。
…宮原のここ、いっぱい精子が詰まっているね…
もっと……もっと…
全部、出しちゃいなよ…」

沢海は宮原の抱えていた両足をベットに下ろすとベットガートに宮原の背を齎せ、力の抜けた足首を広げ、M字に開脚させた。

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