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君は思う
君は思う
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席が隣同士になった。
「 じゃあ一時限目の準備をするようにじゃあ号令。」
委員長が号令し先生が教室を出て行くと、 クラスの子達が一斉に西条の元に集まってきた。
「ねえ、ここに来る前どこにいたの?」
「髪きれい、何使っているの?」
男子も男子で、
「誕生日いつ?」
などといろいろあった。
西条はみんなの質問に答えていく、答えたくない質問の時は、うまくかわしていた。こういうのは一種の才能だと思った。
ただ一つだけ気になることがあった。
それは、
「僕この街初めてなのなので色々教えて下さいね」
時折言葉遣いがおかしくなっていた。それが違和感として残る。
そしてお昼になった。この学校には学食がないためみんなお弁当持参しなければならない。
僕自身はお昼はあまり食べないのでパンだけだ。
「ねぇ君ってば。」
僕が声の方を向くと西条が不審げに見つめている。
「声かけてたんだけど。」
「ごめん。」
全く気付かなかった何に集中していたんだろう僕は 。
「何か用かな?」
「お昼一緒に食べよう。」
クラスがどよめく
「何で?」
「 みんなと仲良くしたいから。」
西条は微笑みながら返す。
「これも契約の実技だよ。」
と小声で言われる。
「いいよね。」
契約なら仕方ない。
「わかった。」
「じゃあ決まりねそれにしても君・・・神城君だっけ?食べる量少ないね。」
西条は人を惹きつけるカリスマでも持っているだろうかあんなにどよめいていたクラスがいつもの日常に戻っている。
「お昼はそんなに食べないんだよ。」
「それはだめだよ。よしじゃあ。これをあげる。」
西条は自分のお昼からきんぴらごぼうをパンの袋の上に置く。
「これ。」
「 気にしなくていいから。」
そういわれたしまぁもらったからいいか。僕は常に受け身なのだ。
「これは・・・美味しい。」
甘めの味付けでとても美味しかった。
「良かった僕の舌がおかしい訳じゃなくて 、
実は私が作ったんだそのきんぴらごぼう。」
クラス中の視線が一斉にこちらを向く。
「料理上手なんだ。」
僕はその視線に気づかないふりをする。
「これで証明されたね。」
何の証明なのだろうか。
放課後になった。
西条はみんなと話していた。
・・・帰るか。
下駄箱を開けると一枚の紙があった。
そこにはたった一文で
「旧校舎に来い」と書かれてあった。僕は誰が書いたかすぐにわかった。
でも、どうしようかな。
正直なところ行きたくない、しかし行かないと面倒なことに後々なるのは分かっていた
「はぁー、ついてないなぁ。」
僕はそのままの足で旧校舎に向かった。
「来たか。」
僕のことを呼び出したのは、僕と同じクラスの風刀
「何の用かな?」
もうほんとめんどくさい
「なに、一つ気になることがあるんだよ。」
絶対にめんどくさいことだ。
「未琴。お前西条さんとどんな関係なんだよ。」
「はい?」
そんなことを聞かれると思わなかった。
「だから西条さんとどんな関係だって聞いてんだよ。」
イライラすると彼はすぐに手が出るといっても足技が多いのだが。
「さっさと答えろよ。」
「別になんでもないよ本当に。」
「そうかそれならもういいやもう帰っていいぞ。」
実にあっさりと解放される
そんなことで殴るなよ。
僕はそう思ってしまう
ちなみに 風刀はバスケ部のエースでクラスの人気者だが裏では、弱い者いじめをしてお金を巻き上げたりしている。しかもそれを言わせないように気の弱い相手にしか行われないようにしている。
「屋上の確認してみるか。」
僕は屋上の様子を見るために階段を登っていく。
最初は死ぬために登った。でも死ねなかった。
「開いた。」
さすがに一日では扉は治せないようだ。
「やっぱり来たんだ。」
扉の先には西条がいた。
「校則違反だよ西城さん。」
「 あなたも同じでしょ。神城君。」
あれ?雰囲気が違うような。
「正直疲れたわ、友達になるなら演技もいらないわよね。」
「あの・・・西条さん?」
雰囲気の違いの僕は戸惑ってしまう。
「これも契約よまずはお友達になりましょう。もしかしたら始めから私達は出会う運命だったのかも。同じ名前でもあるし、 もともと人に対しては明るくて妹っぽくて一人称が僕っていうキャラを演じたかったんだけどね、君の前では僕って言うはずが私って言っちゃったし。」
まるで別人のようだった。
ここまで性格が変わるとはと言うかあれは演技だったのか。
僕はそこに驚いた。
「とりあえずここを離れようよまた先生に見つかったらめんどくさいし。」
「 分かったわ。」
僕たちはとりあえず階段まで行く。
ギギギ
扉も閉めておく。
「まず一つ気になることがあるんだけど?」
「何かしら?」
「西条美琴さんだよね?」
これで違うかったら誰?っていうはなしだけど。
「私は西条美琴よ。君を知っている西条美琴よ。」
ギャップありすぎだろ本当に。
だが同時に、あの時感じていた違和感にも納得がいった。
「そうなんだ。」
「そうなのよ。」
本当に別人だな誰だよこいつ。
「私の顔に何がついているかしら?」
どうやら僕はずっと西条を見ていたらしい 何ももうなんかもういいいや。
「いや。なんでもない。友達って何をするの?」
「まずは名前で呼び合うこと そこから始めましょう。」
「ほんとに?」
正直かなりまずいことになったと思う
ついさっき風刀にどんな関係かと聞かれてなんでもないと答えたのだ。
それなのに名前で呼び合ったりなんてしたら
「あの・・・それ二人の間ではだめですかね?」
「どうしてかしら?」
「それは言えないかな。」
さすがに言えない。
風刀の思惑通りの人なのだと思う。
「お願いします何でもします本当に。」
とんでもないことを行ってしまった気がする。
「分かったわ二人の間ではね名前で呼びましょう。でもさんとかそういうのは無し 分かったかしら?」
「分かった。」
「私はみっくんって呼ぶわ。あだ名ってことね。」
なんかそれずるい気がするぞ
「なんかみっくんってやだな。」
「あら、あなたが私のことみーちゃんと呼ぶ?」
抵抗をしてみたが西条には全く効果がなかった。
「みーくんでいいです。」
「じゃあ決まりね、じゃあよろしくねみぃーくん。」
「・・・。」
名前を呼ぶのが正直すごく恥ずかしい。
「 みーくん。」
いや本当に
「みーくん」
「・・・。」
「 みーくん。」
まさかこの人僕が美琴というまで言い続けるつけるつもりなのか。
「そうだね・・・み・・・みこと。」
恥ずかしい
「えぇ、よろしく で何でもするって言ったわよね。」
言ってしまっていた 。やっぱりやばいんじゃないかとんでもないことを言われるんじゃないだろうか。
「そうだわこれからは毎日一緒に下校しましょう。それぞれ予定がある場合は仕方ないけれど、それ以外は毎日帰りましょう。これ契約のためです。」
なんでもするといってしまった限り、従うしかない。まぁ。契約だしね。
「さすがに一緒に帰るっていうのは・・。」
「どうしてよ?」
「一緒に帰ると噂とかになるからさそれは君に迷惑をかけるんじゃないかなーって。」
普通に考えてそうは思われないと思うが毎日一緒だとさすがに怪しいと考える人も出てくるかもしれない。
「・・・。」
「あ・あのー。」
「二人の時は美琴って約束もう忘れたの?」
これは、僕のミスだった。
「美琴に迷惑がかかるんじゃないかなって」
君のところを美琴と言い直す。
「別に迷惑じゃないわでもそうね・・・ じゃあ待ち合わせをしましょう そうね待ち合わせ場所は学校の近くにあるあの喫茶店なんてどうかしら。」
確かにあの場所はクラスの子達はあんまり近づいて来ない。
待ち合わせ場所には最適だと思う、
「 分かった。」
「じゃあ明日からねそれじゃあ。」
そういうと美琴は言ってしまった。
本当いったい何だったんだ。
家に早く帰ろう
小さな頃しか家で家族の会話がなかった。姉弟同士は仲良かったが、家族が集まるということがなかった。姉さんが飛び降りてからこの家で家族の会話というものはテレビの中だけとなった。
「ただいま。」
返事はない、それはいつもの事なので気にはしなかった。
「お姉ちゃんただいま」
僕は帰ってまず着替えてから姉の前に行く。 姉は飛び降りたが意識は取り戻した しかし、 飛び降りた時のショックが大きくよく暴れるなどという事があった。そのため病院側は親と相談し姉さんに大量の鎮静剤を打った。
その結果、姉さんは全く動かなくなった。 現在姉さんは車椅子で過ごしている。
僕は、今日の話をしていた。
「姉さん あのね 昨日話していた女の子とこれから毎日帰ることになったんだ放課後デートみたいだなんて思っちゃった。まぁ僕も彼女もそんなつもりはないと思うけどね。」
それからはいろいろなことをしゃべった。 それでも・・・。
「姉ちゃんなんで僕をひとりにしたの死ぬなら僕も連れてって欲しかった。もう1回元気な声聞かせてよあの時だって相談してくれてもよかったのに。」
姉はいじめにあっていた。それを僕は知らなかったし相談されされなかった。どころか僕はお姉ちゃんにずっと色々な相談していた。僕のことは頼りにならなかったのだろうか。
「お姉ちゃん。」
一通り話し終わり時計を見ると晩御飯の時間になった 僕は早く食べお風呂に入りベッドに入り寝る。
夢を見た昔の夢だった。
「お姉ちゃん 心に残る言葉って何だろう?」
「急にどうしたの?」
昨日思い出していた一幕だった 。
「よくテレビで言ってるじゃん名言とかでって言葉が出てくるでしょでも言葉にその力があるのかなって。」
「どうしてそんなこと思うの?」
「僕にはそういった経験がないから。
「そうなの。未琴あのね・・・。」
ピピピピピピ
「目が覚めちゃったか。」
でも、僕は夢の中だけでも姉さんの声を再び聞けて嬉しかった。
「早く学校に行かないと。」
僕は急いで支度をして学校へ行くもちろん姉への挨拶忘れていない。学校に着くとなぜかみんなこっちを見てくる一体何があったのだろう。
「おはよう未琴。」
少し困っていたら小学校の頃からの友達の霧城政矢が声をかけてきた。
「政矢なんか視線を感じるんだけど。」
「 多分それは西条美琴の親衛隊だな。」
転校して1日でもう親衛隊がいるのか。すごいな。
その親衛隊の皆さんに僕何かしたかな。
「お前、二日前に西条さんと会ったか?」
「あぁ。」
「どうやらそれを見たやつがいたらしいんだよ。」
視線の理由はわかった。しかしこれはとても面倒くさい。風刀はこれをどう捉えるだろう。
「どうした?」
「いや別になんでも。しかし、なんかめんどくさい。」
「おはよう神城くんどうしたの?」
美琴が入ってきた。しかもよりによってこのタイミングでやってきた。
「ひどいな。ただ挨拶しただけで驚かれるなんて思わなかったよ。」
「悪かった。」
びっくりした話題の人物が近くに来るとここまで人ってびっくりするんだ。
「ねぇ。今日も一緒にお昼どう?」
「いいけど?」
正直この状況で一緒に食べるのはまずいかもしれないがこの現状を美琴に知られる方が大変な気がする。
「そのお昼は俺達も参加していい?」
政矢が美琴に訪ねる。
「いいよ。でも達ってことは一人じゃないよね。っていうことはあと誰が来るの?」
「彼女連れてくる?」
政矢には現在付き合っている恋人がいる。「マジかよ僕あの人苦手なんだけど。」
「なんでだよ。」
「それは・・・。」
「それは何だって言うのかしら。」
本日2度目の驚かしをくらった。今度に関しては心臓が口から飛び出すかと思った。 「か・楓。 何か用?」
「政矢、ひどいと思わないかい。未琴のやつ私のこと嫌いだって言うんだよ。」
無視かよ。
「苦手とは言ったけど嫌いではない」
一応僕は言い返す。
「じゃあ好き?」
「いや嫌いだよ。」
「ほらやっぱり。」
僕はどういうウソがつけないらしい。
彼女の名前は豊穣楓、政矢の彼女で僕たちの同学年だ。
「楓今日はこの四人でお昼ご飯食べようぜ。」
「わかったわ私もあなたと話をしたいと思っていたの。」
多分僕に拒否権はないんだろうな。
楽しい時間は早く過ぎるのと同じで嫌な事へのカウントダウンも早く過ぎるものだ あっという間にお昼になった。
「お昼だー。」
美琴はそう言うと僕のもとにやってきたこれで逃げられなくなった。
「今日はねオムライスなんだ。」
箱を開けて美琴は中身を見せてくる。
「そうなんだ。」
「ねえ君はまたパンなの?」
「今回は違うよ。」
今日は二十四時間経営全国チェーン店のお惣菜を買った
のだが・・・。
「君もオムライスなの。」
まさかかぶってしまうとは。
「飯だ飯だ。」
「二人とも同じご飯なのね。」
政矢と楓もやってきた。
「なんかお前ら色々被ってるなぁ。」
「じゃあテストしてみましょう。」
二人がニヤニヤしている。
「じゃあ俺達が質問するから答えてくれ。」
「二人同時に答えるのよ。」
なんかすごくいい顔しているな二人とも。「ではスタート。」
「好きな色は?」
「「赤」」
「好きな料理は?」
「「オムライス」」
「山と海好きなの方は?」
「「山」」
「好きな季節は?」
「「夏」」
「得意なことは?」
「「料理」」
「文系・理系?」
「「文」」
ここまで来るとさすがに気持ちが悪いな。 「じゃあ最後よ誕生日は?」
「「七月七日」」
嘘だろう。誕生日まで一緒かよ。
「こりゃすごいな。」
「ほんとよねここまで一緒だと運命を感じるわ。」
二人が今までに見たことないぐらいにニヤニヤしている。
僕にはその顔が悪魔に見えてきた。
そのニヤニヤは昼休みずっと続いていた。放課後になった。
今日から一緒に下校をする僕は先に待ち合わせ場所の喫茶店に行く 。
それから数分後・・。
「お待たせしたわ」
「いや。待ってないよ。」
コーヒーを飲んでいたらあっという間だった。
「 今日から一緒に帰るけどどこに行きましょう?」
「えっ。」
帰るだけじゃないの。
「一緒に帰るんだものも寄り道とかそういうことをしたいじゃない。そういうのって学生の楽しみよ。」
そんなのあるんだ
「どこか行きたいところあるかしら?」「特にないなぁ。 」
基本的に僕はまっすぐ家に帰ってきていた人だ 。
そのために、どこに行きたいなんてものはない 。
「でも買い物行きたいな。」
「いいわねそれ 他にあるかしら?」
僕は考える
「特にないなぁ。」
「そうじゃあ今日はこの場所でお茶をしましょう。」
いや聞いた意味
「分かった。」
僕は基本的に受け身の姿勢を貫いている。 「マスター私はシフォンケーキとコーヒーみっくんは何か食べるかしら?」
「いや食べない。でも、コーヒーおかわりしようかな マスター コーヒーのおかわり。」
マスターを一礼をして作り始める。
「そういえば今日の昼の件だけど。」
「あそこまで一緒だとある意味すごいよね。」
思い出しても少し気味が悪い
「まあそれもそうですけど 。」
なんか変なことでもあったかな
「みっくん あなた本当に料理得意なの?」
「そうだけど?」
何か変かな
「だって二日ともお昼はパン屋オムライスのお惣菜だったしイメージないもの。」
失礼なのかな・・・。いや失礼な気がするな 。
「料理が得意なのは両親ともに働いていて姉が致命的に料理ができないから必然的に僕が作っている内にそうなったんだよ。」姉の料理は一言で言ってしまえば何かが違うという感じなのだ。
普通はまずかったり明らかに下手ならまだ分かりやすいのだが、姉さんの料理はまずくない。それに見た目は完璧である。
けれど絶対的に何かが違うと思わせるものがある。
これは僕だけではなく両親それに政矢でさえもそう言っていた。
「では何故お昼お弁当にしないのよ?」
「後片付けが面倒だからだよ。」
「そこを惜しんじゃダメよ。」
後片付けほど面倒なものはない。
「あなた四人家族の弟なんだ。しかも、お姉さんがいるんだね。」
しまった余計な情報を与えてしまった。 僕は本当に勝手に予想だけど、美琴はすぐに行動に移す人だからこちらの事情をあまり悟らせないようにしないといけない。
「そんなに意外だった?」
「いいえそんなことはないわ。ただお兄さんがいると思ったわあんまり女の子慣れしてないから。」
たぶんそれはあの人いるからだろうな。
「クシュン」
「どうした楓?もしかして風邪か?」
「もしかしたら誰かが私の噂をしているのかもね、それより政矢早く帰りましょう。」
そうだな きっとそうだ。
「今誰を考えていたんですか?」
「いえ特に誰も。」
勘が鋭すぎてやばい何かは分からないが言葉選びは気をつけないといけない。
あとの時間は今日あったことなどを話した。
「もう時間だわ帰りましょう。」
僕は姉さんの言葉を思い出していた。
「ここは払うよ。」
「いいわよ私が誘ったんだから。」
「いいからいいから。」
僕は会計に行く
お会計千二百円になります。
喫茶店てこんな高いんだ
「またお越し下さい。」
お金を払って外に出ると綺麗な夕焼けが見れる
「ありがとうお金払ってくれて」
「姉の言葉を思い出してね。」
~~~
「いい未琴。女の子と遊ぶ時は過度は駄目だけど奢ってあげるって事が大事なのよ。自分から進んでよ、けんかになりそうならやめてもいいけどね、わかった。」
~~~
まさか自分がこんなことを実践するなんて思ってもみなかった。
「だから気にしなくていいよ。」
「明日は商店街に行きましょう。」
商店街付近は学生が多いから不安だなぁ。
「嫌かしら?」
「 いや わかった契約だから。」
「そうよ契約だからね。」
「今日はありがとうまた明日学校でね。」
「うん バイバーイ。」
いきなりクラスでの演技のキャラに戻る。 「急に学校のキャラに戻るのやめて欲しいんだけど。」
調子が狂う。
「練習も兼ねてるんだけどな僕自身あんまり自分の素はあまり好まないんだ。」
そんなことがあるんだと僕は軽い気持ちで捉える。
「改めて。それじゃあバイバーイ。また明日。」
家に帰ると珍しく母がいた
「ただいま。」
「お帰りなさい。」
さらに珍しいことに母が返事してくれた。それが僕にとってかなり嬉しかった。
「仕事は?」
「今日は泊まり込みで作業しないといけないから着替えを取りに来ただけよ。 母さんすぐ出かけるから。」
僕が自室で着替えてると母は出て行ってしまった。
けれど話せたことは嬉しかった。
「お姉ちゃん久しぶりに母さんと話したよ。」
僕の両親は科学者として第一線で活躍している小学校の頃までは時間を取って遊んでくれたりしていたが姉さんが小学五年生になる時には忙しくなりまず家に帰らなくなった。
「今日はね久しぶりに政矢達とご飯を食べたんだ。」
そこからは今日の出来事を話して自分自身の中でお開きにした。
「それじゃあお姉ちゃん、おやすみ。」
今日はいつもよりぐっすり眠れた気がした。
そんな生活も二週間が過ぎた。
その間何度か商店街に行ったがとってもヒヤヒヤした。
今日はどこに行くんだろう
この期間も結局僕からは提案したことが一回もない。
「はぁーめんどくさい。」
下駄箱に紙が入っていた。ということは 封筒からのお呼び出していうことだ。
念のため財布とスマホは下駄箱に入れておく。
「よく来たな。」
今日はすでにイライラしていた。
「あの何でしょうか。」
「前回俺は聞いたこと覚えてるよな」
どういう関係だってやつだっけな。
この時、僕はもうすでに嫌な予感がしていた。
「その時お前何て答えた。」
「何でもないと。」
「そう言ってたよなぁ。」
グフッ
腹に一撃を食らう僕は思わずうずくまってしまう
「未琴、俺に嘘ついたな。」
「な・なんのことでしょう。」
「惚けてんじゃねぇー。」
今度は脇腹に一撃をもらう。うずくまっていたからかダメージを少しだけ軽減できた。
「ここ二日間放課後何してた。」
「なにって普通にしてただけですよ。」
何が言いたいか分かった見つかったのだろう。
「嘘ついてんじゃねぇー、調べはついてんだよ。」
ここまで来たら嘘を喋るか。
「確かにここ二日放課後に西条さんと遊んびました。でも、理由があるんです。」
「理由って何だ言ってみろよ。」
理由はどうしようかな。仕方ないあいつの名前使おう。
「豊穣楓って知ってる?」
すると風刀は何か怯えるような態度をとる。
「西条さん、豊穣さんと仲良くなりたいらしくてその相談を受けてたんだ。
「そ・そうかそれは仕方ない。」
僕は一瞬呆気にとられる
「お前に命令を出す。」
話に脈略がない。
命令かそれはまた面倒なことだ。
「これからお前美琴と話すな。」
「それは無茶だろ。」
「なんだ。反抗する気か。」
「普通に考えてみろ。授業はどうするのさ向こうから話しかけてたら?」
「そんなことそっちで考えろ。」
そういうと風刀は立ち去った。
くっそあいつ容赦ないな。
今もズキズキする。
もう帰るか。
さすがに待っていないだろうそう言い訳を自分の中でして帰る。
「ただいま。」
誰もいない当たり前な家
「姉ちゃん今日いじめられている子に友達の一人と話すなって降り立った多分そのいじめっ子は友達のことが好きなんだと思う。」
まぁ美琴は美人だから分からなくもないけど。
今日はいつもより話した気がする。
翌日
僕はいつもの時間に学校に行く正直あまり美琴に会いたくないら
「あっ神城君おはよう。」
見つかった。と言っても席が隣だからどのみち会うんだけど。
僕は顔を隠してその場をすぐに去るそして教室に入ると寝たふりをする休み時間を過ごす昼休みがトイレに行った授業中も寝たふりをしたそして急いで帰る。
そんな慌ただしい生活を二週間もしたそして一か月もすればその出来事が当たり前のように出来るようになった。
そして季節が変わり六月になった。
美琴はその間もずっと話しかけてきてくれた。良心が痛むが、殴れたりするのは嫌だからな。
パラッ
下駄箱に行くと風刀の呼び出しの紙があった。
何もしていないのにと思いながら僕は向かった。
「今日からお前と西条さんと話すのを許可する。」
何の風の吹き回しか突然そんなことを言い出した。
「それともう一つ。」
すると風刀は少しこちらに近づく。
もしこの計画にお前が乗ってくれるなら思呼び出さないと誓うよ。
「契約の内容を教えて欲しい。」
話を詳しく聞くと体育祭の日に告白をするするから成功する準備をしろということだった。
本番まであと二週間ぐらいだ。
これは僕にとってとてもありがたい話だった。
しかし一ヶ月以上無視を続けたんだ。なんて言って話せばいいのだろうそれを翌日学校に行くまで考えていただが結局、何をしていいかわからなかった。
どころか、顔を見るだけで逃げてしまった。 そうこうしているうちに放課後になってしまった。
僕は勇気をだして喫茶店へ行く。 店に入ると美琴が待っていた。
すると、後ろから声が聞こえる。
「なぁ。あの女の子さ。いつもこの時間になると、ここにいて待っているよな。」
「よく見ると美人だよな。俺声掛けようかな。」
「やめといたほうがいいって。」
僕はそのとてつもなく後悔した僕はなんてことをしていたんだ。僕は自分のことを優先した契約よりも自分のことを優先ししまったんだ
今、僕の命はそしてこの一年は僕一人のものじゃないのに。
僕は美琴の前に座る。
「本当に申し訳なかった。」
「・・・。」
美琴はこっち向いて黙ったままだ。
僕は頭を下げることしかできなかった。
その状況が三分ぐらい続いたと思う。
「はぁー。本当にあなたは何をしているのかしら?」
美琴が口を開きだした。
「本当にすまない。」
「本当よ契約を忘れたの?」
「はい美琴さんの言う通りです。」
結局そこからずっと説教された。僕「はいそうです」「申し訳ない」「その通りです」この三つぐらいしか言えなかった。 「もう許してあげましょうただしもう一つ条件を追加します。」
「何でも構いません。」
「じゃあ明日あなたの家に行きたいわ。それが条件っていうことでいいわね。」
「はいわかりました。」
「そう。じゃ楽しみにしているわね」
こうして何とか仲直りには成功した。
しかし困ったなぁ。
「とりあえず今日はこの辺にしておきましょうではさようならまた明日ね。」
僕も家に帰り姉に報告をする。
「姉さん。友達と仲直りできたよ休みの日にその友達が来るから紹介するね。」
でも、僕はあまり乗り気ではなかった。
というよりも僕はまだ自身のために行動している。昨日のあの話が成功したら彼女との契約は終わる。結果的に彼女を救うことになる。
そう自分に言い訳をしていた。本当にひどいと思う
翌日
僕はなぜかとても緊張していた。よく考えてみると、僕は自分の家に女の子を呼んだ試しがない。
ピーンポーン
チャイムが鳴った
ガチャ
「いらっしゃい。」
「今日は約束通り遊びに来たわ。」
美琴の私服姿を今日が初めて見る。
「私 何か変かしら?」
「いや。別に。」
そこは似合ってるとか言うべきだったのだろうか。
ただなぁー。
美琴の私服はまさかのゴスロリ衣装だった。
これに対して似合うというのもなんか失礼な気がする。
「それなら良かったわ。」
「上がってお茶菓子も用意してあるから。」
僕は美琴を中に入れる。
「へぇー。ここがみっくんのお家か。やけに静かねぇー。ご両親と姉さんは?両親はともに仕事中で姉はここには。」
美琴はいいと言っていないのに勝手に部屋は探検し始める。しかも最初に開けた部屋は。
「・・・。」
「あぁー。ばれちゃっか。」
最初に開けた部屋それは姉の部屋だった。
「 お姉ちゃんこの人が昨日紹介するって言ってたお友達の西条美琴さんだよ。」
一度政矢に言われたことがある。どうやら僕は姉ちゃんと会話する時だけ完全に別人見たくなるらしい僕自身あまり自覚がないが美琴がとても驚いた顔をしていたので多分そうなのだと思う。
「お姉さんはいつから?」
挨拶を終えて現在僕は僕の部屋にいる。
「一年ぐらい前かな。」
ああーダメだ。暗い雰囲気になりつつある。
「それよりさお菓子食べようよ美味しいんだよ。」
「本当だわ。これおいしいわね。」
「そうでしょ。」
また無言になった。
「何かゲームでもする 。」
「ではトランプをしましょう。私と罰ゲームあり
私、いいゲームをしているの。」
ルールはこうだった。ジョーカーを1枚 J・Kの赤黒1枚ずつをそれぞれ手札にして。ジョーカーは黒に勝ち、黒は赤に勝ち、赤はジョーカーに勝つ。
とここまではトランプでするじゃんけんみたいなものだがここでもルールがもう二つある黒のJ・Kだった場合Kが勝利する。赤のJ・Kだった場合Jが勝利するのだ。
そこが少し変わったところである。
「では私から。」
そう言うとカードを裏に向けてセットする。その表情には余裕そうだった。
「なにを出そうかな。」
なにを出そうかな。
まず確率を出してみた。全体が15通りあるこのゲーム、ジョーカーは2/15で勝利する黒のJは2/15、Kが3/15、赤のJは2/15、赤のKは1/15だから黒のKが一番勝率がある。だからジョーカーを出すのが普通だ。がそれは美琴もわかっているはずだ
だからあえて赤のKをおいているかもしれないその場合は黒のKがいい。これを呼んでジョーカーを置いていることも・・。ジョーカーなら負ける確率が低い。僕は決めた
「いくよせーの!」
僕は赤のK
美琴が出したのは赤のKだった。
「もう1回行くよ。」
今度は僕が先におく。
美琴は少し考えてカードをおく。
「せーの。」
僕も美琴もジョーカーだった。
それから十回やったが同じカードだった。 「よく考えたらさ色々と好みや考え方がかぶってるんだから 同じカードになるよね。」
さすがに不正を疑うぐらいの被り方をしているけど。
「では適当に裏側にしてシャッフルして一枚枚選びましょう。」
簡単に言えば運ゲーにしたのである。
分かった 僕たちはそれぞれ1枚おく。
「せーの。」
僕は黒のKで美琴はジョーカーだった。
「私の勝ちね。」
「くそ。」
こういう時に負けるのか僕は。
このゲームを純粋に楽しんでいる僕がいた。
「じゃあ罰ゲームの発表ね 。」
そうだった罰ゲームがあったんだった。
「罰ゲームは私の質問に答えるか一つ命令を実行するわ。」
なんか面倒な罰ゲームだな。
「みっくんはどちらをやりのかしら。」
「 質問で。」
そっちの方が簡単だろう。
「じゃあお姉さんの名前は。」
これに何の意味があるんだろう
「ことみ 神城琴美。」
「琴美に未琴って似ているわね。」
本当にそう思う感じだ
「漢字は君の字と一緒だよ。」
あの日、僕は名前も驚いたが漢字についても驚いていた。
「そうだったの。ますます私たちが出会ったのが運命みたいだわ運命の神様いるのかしら。」
「運命の神様なんているのかな。」
「あなた運命を信じてないのね?」
「違うよ。でも運命の神様っていうのは信じてないかな。」
神様なんて存在しない。
そこから僕たちは九回勝負したが結局僕は一回も勝てなかった。僕は、質問に答え続けた。
内容は家族や生い立ちに関してばかりだった
「じゃあこれでラストにしましょう。もう時間だわ。」
「分かった。」
シャッフルの結果、僕はジョーカーだった 味方のカードを置く 。
せめて一勝はしたいな。
「いきますよ。せーの!」
美琴は黒のJだった。
「やった。勝った。」
「負けちゃったわ。」
美琴は少し悔しそうだった。
「じゃあ。質問か命令か?」
「質問ね。」
このゲームの罰ゲームが始まってからずっと聞きたかったことがある。
「なんで一緒に死ぬなんて言ってくれるの。似ているからって心中する必要ないよね 。」
「やっぱり命令で 。」
美琴は何か隠しているでも教えてはくれないようだ「じゃあ1年後教えて。」
「あなたは1年後には全て話すわ。」
これでお開きになった。
ここである事件が起きた。それは玄関先でのことだった。
美琴が靴を履き立ち上がろうとした時、美琴は立ちくらみなのかフラフラとなり、倒れそうになった。僕はそれを支えようと手を伸ばしたところ足を滑らして一緒に倒れ込んでしまう。
「大丈夫?」
「あの。」
ガチャ
突然扉が開いた。
開けたのは母だった。 第三者視点から見ると僕が美琴を押し倒したように見える状態にある。
「あっごめん。大丈夫だった。足元滑っちゃったみたいでほんとごめんね。」
僕は飛び退く。
「私は大丈夫です。神城君こそ大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。」
母を横目に見る。
母はなんがなんだかわからないという顔をしていた。
「あのー。こちらは誰ですか?」
「僕の母親だよ。」
いつも帰ってこないのにこういう時に限って帰ってくんだよ。
「初めまして西条美琴です。神城君とは仲良くさせてもらっています。」
礼儀正しく美琴は挨拶をした。
「未琴のことを頼むはね」
たった一言そう言ってお母さんは入っていった
「ごめんね。母親口下手なんだ。」
「 別に気にしないわよ。改めて帰るわね今日は楽しかったわまた学校で会いましょう。」
「また学校で。」
結局その後すぐ母も出て行った。
体育祭まであと二日になった。
その間もアピールをする。競技決めの結果僕は二人三脚になった相手は、
「神城君頑張ろうね。」
「そうだね西条さん。」
美琴だった。
くじだからあれだけど風刀が怖いなぁ。
ちなみに風刀は百メートル走だった。
「右からスタートで行くよ。」
僕たちの息は合うようで思ったより早い「良い調子だ。これなら勝てそう。」
この二人三脚は政矢・楓ペアも出ることになっていた 。
「しかしまだ足りないなぁ。」
ここまで一度もあのペアに勝てていなかった。
「なんか掛け声必要かな?」
僕たちに掛け声は一・二という普通のものに対して二人は声を出さずに走っていた。 「いいんじゃないか。」
僕たちにはそのやり方ができなかった。
「やっぱ二文字の方が分かりやすいよね 足は二本なんだから 。」
二人で何かないか考えた。
しかしなかなか決まらなかった
もう別の方法を探そうと思ったその時ら 「あっ。そうだ。」
美琴は何か思いついたリアクションを取る大変なんだろうなと思う。
どうしたのか聞く。
「いいの思いついたんだよ。」
それを美琴は説明してくれた
「これは確かに僕たちらしい掛け声だね。」
その掛け声は一・二によりも分かりやすい。
そして僕たちは体育祭当日を迎えたり
クラス対抗で行われる体育祭は盛り上がった風刀が百メートル 走で陸上部の子達を抜いて優勝したときは、特に盛り上がった。
そして・・。
「 プログラム十一番 全校生徒に寄ります二人三脚です。」
僕たちの番が来た。
僕たちはこの競技でアンカーを務めることになっている。
「いよいよだね。」
「ついに対決する時が来たわね。」
政矢・楓ペアもアンカーだった。
「それでは位置について、よーい。」
パァン
銃声が鳴る。
勝負は接戦だった。
そしてアンカーの僕たちの番がきた。二組が同じ時にパスが繋がる。
「いくよ せーの!」
僕たちの掛け声それは
「僕たちの名前にもついてる「みこと」にしようよ。」
「ちょうど二文字だし。僕たちらしい」
三文字より二文字の方がテンポが揃いやすい
そのため早くなった。
今日はこのかけ声で勝負をした。
「二人三脚ですが二組早い組がいます。二年三組の神城・西条ペアそして二年四組霧城・豊穣ペアです。実力は互角。
さぁ最終コーナーを越え最後の直線差し掛かったさあどちらが勝利を掴むことが出来るのか。
息を合わせることに集中してた。
「全員がゴールしました。さては順位はどうなったのでしょうか。」
「結果発表!」
順位がだんだんと告げられていく。
頑張って練習したんだ。
僕達二人とも両手を合わせて祈る
「第二位二年四組そして第一位二年三組!」
「やったー。」
嬉しかった努力が報われたと思った。
「やったね神城君。
美琴もバンザイしてる
「勝てると思ったのに悔しいわ 。」
「おめでとう。」
政矢と楓もおめでとうと言ってくれた。
そして体育祭終わった。
僕たちのクラスは大健闘の結果、三位になったみんなとても盛り上がっていた。
そしてその後打ち上げが放課後の学校の教室で行われた。
僕たち二人の事が気になったため打ち上げに参加した。
少ししたら美琴と風刀が離れていった。僕はこっそりと二人の後を追うことにした。 二人は 二つ隣の空き教室に来た。僕は扉の陰に隠れている。
「風刀くんどうしたの?」
「あの。俺ずっと前から言おうと思ったことがあるんだ。」
なんか緊張してきたとりあえず解放されるなこれで
「俺ずっと好きでした俺と付き合ってください」
これであの契約は終了だ
彼は基本的には高スペックだ。付き合って損はない。これで彼女の僕のためじゃなくて彼のために時間を取ってくれる彼女も一緒に死ななくて良くなる。僕は一安心と思い帰ろうと立ち上がった時、
「気持ちは嬉しいけどごめんなさい。あなたとは付き合えません。」
僕は耳を疑ったり信じられなかった
「どうしてか理由聞いていい?」
それは僕も気になった。
「それはその・・。」
「未琴だろ。」
「えっ。」
風刀は少し怒っている声出す。
「 いいことなんだろうあんな根暗で地味なやつのどこがいいんだよ 」
「もしかしてあいつに弱味握られてゆのんのか。そうだよな、分かった。あいつから守ってやる。」
まあ普通に考えたらそうだよな。そんな事実はないけど 。
「ははははは。」
美琴が急に笑いだした。
「あなたは本当に愚かね。風刀雷刃君。」 僕の見たことのない美琴になっていた。
「私が断ったのは神城未琴が好き嫌いとかそういうことじゃないのよあなたのことが嫌いだったからよ。」
「あのー西条さん?」
風刀は戸惑ってる。
「 私ね見たんだよ。あなたが私の大切な友達のみっくんをいじめてるの。」
僕は断ったことよりもそっちの方が驚いた。
「 転校してきた初日に見たんだみっくんが助けるを求めるまで待ってたけどもう待てない。私の怒りにあなたを触れた。ちょうどいい機会だから言うね 。」
すると美琴は怖い顔をする。
「 二度と私の友達に手を出すなこれは忠告じゃない命令だ。もしも命令を破ったら。」
「だった私たちが殺すわ。」
どこにいたのか楓がいた。
「私の友達に手をあげるなんて許すわけないでしょ美琴ちゃん暴力はダメだって言うから抑えているけど私の怖さは十分知ってるわよね。」
外にいてもたとえ鈍くても殺気が伝わってくる。当人としてはちびりそうなぐらい怖と思う
「言いたいことは言ったわそれじゃあさようなら。」
そういうと美琴はこっちに向かってやってきた。
僕は慌てて会場に戻る。
「あっ。神城君 お疲れ様楽しんでる?」会場に戻った美琴は演技モードになっていた。
女子の怖さを改めて思い知った。
とともに僕は同じことで同じように後悔をしているそんな自分が嫌いになる
「今日楽しかったね。」
「うんそうだね、あのさ・・西条さん。」
「なに?」
綺麗な目だ。
「ありがとう。」
「なんかよくわかんないけど・・・どういたしまして。」
こうして体育祭は幕を閉じた
後日談
その後風刀はこちらに喋らなくなった。
そして政矢に楓について聞いた
あの殺気はただものではない。そしたら何と豊穣家は昔からヤのつく家らしかった。 その話を聞いてから少し楓のことが僕は怖くなった。
「 じゃあ一時限目の準備をするようにじゃあ号令。」
委員長が号令し先生が教室を出て行くと、 クラスの子達が一斉に西条の元に集まってきた。
「ねえ、ここに来る前どこにいたの?」
「髪きれい、何使っているの?」
男子も男子で、
「誕生日いつ?」
などといろいろあった。
西条はみんなの質問に答えていく、答えたくない質問の時は、うまくかわしていた。こういうのは一種の才能だと思った。
ただ一つだけ気になることがあった。
それは、
「僕この街初めてなのなので色々教えて下さいね」
時折言葉遣いがおかしくなっていた。それが違和感として残る。
そしてお昼になった。この学校には学食がないためみんなお弁当持参しなければならない。
僕自身はお昼はあまり食べないのでパンだけだ。
「ねぇ君ってば。」
僕が声の方を向くと西条が不審げに見つめている。
「声かけてたんだけど。」
「ごめん。」
全く気付かなかった何に集中していたんだろう僕は 。
「何か用かな?」
「お昼一緒に食べよう。」
クラスがどよめく
「何で?」
「 みんなと仲良くしたいから。」
西条は微笑みながら返す。
「これも契約の実技だよ。」
と小声で言われる。
「いいよね。」
契約なら仕方ない。
「わかった。」
「じゃあ決まりねそれにしても君・・・神城君だっけ?食べる量少ないね。」
西条は人を惹きつけるカリスマでも持っているだろうかあんなにどよめいていたクラスがいつもの日常に戻っている。
「お昼はそんなに食べないんだよ。」
「それはだめだよ。よしじゃあ。これをあげる。」
西条は自分のお昼からきんぴらごぼうをパンの袋の上に置く。
「これ。」
「 気にしなくていいから。」
そういわれたしまぁもらったからいいか。僕は常に受け身なのだ。
「これは・・・美味しい。」
甘めの味付けでとても美味しかった。
「良かった僕の舌がおかしい訳じゃなくて 、
実は私が作ったんだそのきんぴらごぼう。」
クラス中の視線が一斉にこちらを向く。
「料理上手なんだ。」
僕はその視線に気づかないふりをする。
「これで証明されたね。」
何の証明なのだろうか。
放課後になった。
西条はみんなと話していた。
・・・帰るか。
下駄箱を開けると一枚の紙があった。
そこにはたった一文で
「旧校舎に来い」と書かれてあった。僕は誰が書いたかすぐにわかった。
でも、どうしようかな。
正直なところ行きたくない、しかし行かないと面倒なことに後々なるのは分かっていた
「はぁー、ついてないなぁ。」
僕はそのままの足で旧校舎に向かった。
「来たか。」
僕のことを呼び出したのは、僕と同じクラスの風刀
「何の用かな?」
もうほんとめんどくさい
「なに、一つ気になることがあるんだよ。」
絶対にめんどくさいことだ。
「未琴。お前西条さんとどんな関係なんだよ。」
「はい?」
そんなことを聞かれると思わなかった。
「だから西条さんとどんな関係だって聞いてんだよ。」
イライラすると彼はすぐに手が出るといっても足技が多いのだが。
「さっさと答えろよ。」
「別になんでもないよ本当に。」
「そうかそれならもういいやもう帰っていいぞ。」
実にあっさりと解放される
そんなことで殴るなよ。
僕はそう思ってしまう
ちなみに 風刀はバスケ部のエースでクラスの人気者だが裏では、弱い者いじめをしてお金を巻き上げたりしている。しかもそれを言わせないように気の弱い相手にしか行われないようにしている。
「屋上の確認してみるか。」
僕は屋上の様子を見るために階段を登っていく。
最初は死ぬために登った。でも死ねなかった。
「開いた。」
さすがに一日では扉は治せないようだ。
「やっぱり来たんだ。」
扉の先には西条がいた。
「校則違反だよ西城さん。」
「 あなたも同じでしょ。神城君。」
あれ?雰囲気が違うような。
「正直疲れたわ、友達になるなら演技もいらないわよね。」
「あの・・・西条さん?」
雰囲気の違いの僕は戸惑ってしまう。
「これも契約よまずはお友達になりましょう。もしかしたら始めから私達は出会う運命だったのかも。同じ名前でもあるし、 もともと人に対しては明るくて妹っぽくて一人称が僕っていうキャラを演じたかったんだけどね、君の前では僕って言うはずが私って言っちゃったし。」
まるで別人のようだった。
ここまで性格が変わるとはと言うかあれは演技だったのか。
僕はそこに驚いた。
「とりあえずここを離れようよまた先生に見つかったらめんどくさいし。」
「 分かったわ。」
僕たちはとりあえず階段まで行く。
ギギギ
扉も閉めておく。
「まず一つ気になることがあるんだけど?」
「何かしら?」
「西条美琴さんだよね?」
これで違うかったら誰?っていうはなしだけど。
「私は西条美琴よ。君を知っている西条美琴よ。」
ギャップありすぎだろ本当に。
だが同時に、あの時感じていた違和感にも納得がいった。
「そうなんだ。」
「そうなのよ。」
本当に別人だな誰だよこいつ。
「私の顔に何がついているかしら?」
どうやら僕はずっと西条を見ていたらしい 何ももうなんかもういいいや。
「いや。なんでもない。友達って何をするの?」
「まずは名前で呼び合うこと そこから始めましょう。」
「ほんとに?」
正直かなりまずいことになったと思う
ついさっき風刀にどんな関係かと聞かれてなんでもないと答えたのだ。
それなのに名前で呼び合ったりなんてしたら
「あの・・・それ二人の間ではだめですかね?」
「どうしてかしら?」
「それは言えないかな。」
さすがに言えない。
風刀の思惑通りの人なのだと思う。
「お願いします何でもします本当に。」
とんでもないことを行ってしまった気がする。
「分かったわ二人の間ではね名前で呼びましょう。でもさんとかそういうのは無し 分かったかしら?」
「分かった。」
「私はみっくんって呼ぶわ。あだ名ってことね。」
なんかそれずるい気がするぞ
「なんかみっくんってやだな。」
「あら、あなたが私のことみーちゃんと呼ぶ?」
抵抗をしてみたが西条には全く効果がなかった。
「みーくんでいいです。」
「じゃあ決まりね、じゃあよろしくねみぃーくん。」
「・・・。」
名前を呼ぶのが正直すごく恥ずかしい。
「 みーくん。」
いや本当に
「みーくん」
「・・・。」
「 みーくん。」
まさかこの人僕が美琴というまで言い続けるつけるつもりなのか。
「そうだね・・・み・・・みこと。」
恥ずかしい
「えぇ、よろしく で何でもするって言ったわよね。」
言ってしまっていた 。やっぱりやばいんじゃないかとんでもないことを言われるんじゃないだろうか。
「そうだわこれからは毎日一緒に下校しましょう。それぞれ予定がある場合は仕方ないけれど、それ以外は毎日帰りましょう。これ契約のためです。」
なんでもするといってしまった限り、従うしかない。まぁ。契約だしね。
「さすがに一緒に帰るっていうのは・・。」
「どうしてよ?」
「一緒に帰ると噂とかになるからさそれは君に迷惑をかけるんじゃないかなーって。」
普通に考えてそうは思われないと思うが毎日一緒だとさすがに怪しいと考える人も出てくるかもしれない。
「・・・。」
「あ・あのー。」
「二人の時は美琴って約束もう忘れたの?」
これは、僕のミスだった。
「美琴に迷惑がかかるんじゃないかなって」
君のところを美琴と言い直す。
「別に迷惑じゃないわでもそうね・・・ じゃあ待ち合わせをしましょう そうね待ち合わせ場所は学校の近くにあるあの喫茶店なんてどうかしら。」
確かにあの場所はクラスの子達はあんまり近づいて来ない。
待ち合わせ場所には最適だと思う、
「 分かった。」
「じゃあ明日からねそれじゃあ。」
そういうと美琴は言ってしまった。
本当いったい何だったんだ。
家に早く帰ろう
小さな頃しか家で家族の会話がなかった。姉弟同士は仲良かったが、家族が集まるということがなかった。姉さんが飛び降りてからこの家で家族の会話というものはテレビの中だけとなった。
「ただいま。」
返事はない、それはいつもの事なので気にはしなかった。
「お姉ちゃんただいま」
僕は帰ってまず着替えてから姉の前に行く。 姉は飛び降りたが意識は取り戻した しかし、 飛び降りた時のショックが大きくよく暴れるなどという事があった。そのため病院側は親と相談し姉さんに大量の鎮静剤を打った。
その結果、姉さんは全く動かなくなった。 現在姉さんは車椅子で過ごしている。
僕は、今日の話をしていた。
「姉さん あのね 昨日話していた女の子とこれから毎日帰ることになったんだ放課後デートみたいだなんて思っちゃった。まぁ僕も彼女もそんなつもりはないと思うけどね。」
それからはいろいろなことをしゃべった。 それでも・・・。
「姉ちゃんなんで僕をひとりにしたの死ぬなら僕も連れてって欲しかった。もう1回元気な声聞かせてよあの時だって相談してくれてもよかったのに。」
姉はいじめにあっていた。それを僕は知らなかったし相談されされなかった。どころか僕はお姉ちゃんにずっと色々な相談していた。僕のことは頼りにならなかったのだろうか。
「お姉ちゃん。」
一通り話し終わり時計を見ると晩御飯の時間になった 僕は早く食べお風呂に入りベッドに入り寝る。
夢を見た昔の夢だった。
「お姉ちゃん 心に残る言葉って何だろう?」
「急にどうしたの?」
昨日思い出していた一幕だった 。
「よくテレビで言ってるじゃん名言とかでって言葉が出てくるでしょでも言葉にその力があるのかなって。」
「どうしてそんなこと思うの?」
「僕にはそういった経験がないから。
「そうなの。未琴あのね・・・。」
ピピピピピピ
「目が覚めちゃったか。」
でも、僕は夢の中だけでも姉さんの声を再び聞けて嬉しかった。
「早く学校に行かないと。」
僕は急いで支度をして学校へ行くもちろん姉への挨拶忘れていない。学校に着くとなぜかみんなこっちを見てくる一体何があったのだろう。
「おはよう未琴。」
少し困っていたら小学校の頃からの友達の霧城政矢が声をかけてきた。
「政矢なんか視線を感じるんだけど。」
「 多分それは西条美琴の親衛隊だな。」
転校して1日でもう親衛隊がいるのか。すごいな。
その親衛隊の皆さんに僕何かしたかな。
「お前、二日前に西条さんと会ったか?」
「あぁ。」
「どうやらそれを見たやつがいたらしいんだよ。」
視線の理由はわかった。しかしこれはとても面倒くさい。風刀はこれをどう捉えるだろう。
「どうした?」
「いや別になんでも。しかし、なんかめんどくさい。」
「おはよう神城くんどうしたの?」
美琴が入ってきた。しかもよりによってこのタイミングでやってきた。
「ひどいな。ただ挨拶しただけで驚かれるなんて思わなかったよ。」
「悪かった。」
びっくりした話題の人物が近くに来るとここまで人ってびっくりするんだ。
「ねぇ。今日も一緒にお昼どう?」
「いいけど?」
正直この状況で一緒に食べるのはまずいかもしれないがこの現状を美琴に知られる方が大変な気がする。
「そのお昼は俺達も参加していい?」
政矢が美琴に訪ねる。
「いいよ。でも達ってことは一人じゃないよね。っていうことはあと誰が来るの?」
「彼女連れてくる?」
政矢には現在付き合っている恋人がいる。「マジかよ僕あの人苦手なんだけど。」
「なんでだよ。」
「それは・・・。」
「それは何だって言うのかしら。」
本日2度目の驚かしをくらった。今度に関しては心臓が口から飛び出すかと思った。 「か・楓。 何か用?」
「政矢、ひどいと思わないかい。未琴のやつ私のこと嫌いだって言うんだよ。」
無視かよ。
「苦手とは言ったけど嫌いではない」
一応僕は言い返す。
「じゃあ好き?」
「いや嫌いだよ。」
「ほらやっぱり。」
僕はどういうウソがつけないらしい。
彼女の名前は豊穣楓、政矢の彼女で僕たちの同学年だ。
「楓今日はこの四人でお昼ご飯食べようぜ。」
「わかったわ私もあなたと話をしたいと思っていたの。」
多分僕に拒否権はないんだろうな。
楽しい時間は早く過ぎるのと同じで嫌な事へのカウントダウンも早く過ぎるものだ あっという間にお昼になった。
「お昼だー。」
美琴はそう言うと僕のもとにやってきたこれで逃げられなくなった。
「今日はねオムライスなんだ。」
箱を開けて美琴は中身を見せてくる。
「そうなんだ。」
「ねえ君はまたパンなの?」
「今回は違うよ。」
今日は二十四時間経営全国チェーン店のお惣菜を買った
のだが・・・。
「君もオムライスなの。」
まさかかぶってしまうとは。
「飯だ飯だ。」
「二人とも同じご飯なのね。」
政矢と楓もやってきた。
「なんかお前ら色々被ってるなぁ。」
「じゃあテストしてみましょう。」
二人がニヤニヤしている。
「じゃあ俺達が質問するから答えてくれ。」
「二人同時に答えるのよ。」
なんかすごくいい顔しているな二人とも。「ではスタート。」
「好きな色は?」
「「赤」」
「好きな料理は?」
「「オムライス」」
「山と海好きなの方は?」
「「山」」
「好きな季節は?」
「「夏」」
「得意なことは?」
「「料理」」
「文系・理系?」
「「文」」
ここまで来るとさすがに気持ちが悪いな。 「じゃあ最後よ誕生日は?」
「「七月七日」」
嘘だろう。誕生日まで一緒かよ。
「こりゃすごいな。」
「ほんとよねここまで一緒だと運命を感じるわ。」
二人が今までに見たことないぐらいにニヤニヤしている。
僕にはその顔が悪魔に見えてきた。
そのニヤニヤは昼休みずっと続いていた。放課後になった。
今日から一緒に下校をする僕は先に待ち合わせ場所の喫茶店に行く 。
それから数分後・・。
「お待たせしたわ」
「いや。待ってないよ。」
コーヒーを飲んでいたらあっという間だった。
「 今日から一緒に帰るけどどこに行きましょう?」
「えっ。」
帰るだけじゃないの。
「一緒に帰るんだものも寄り道とかそういうことをしたいじゃない。そういうのって学生の楽しみよ。」
そんなのあるんだ
「どこか行きたいところあるかしら?」「特にないなぁ。 」
基本的に僕はまっすぐ家に帰ってきていた人だ 。
そのために、どこに行きたいなんてものはない 。
「でも買い物行きたいな。」
「いいわねそれ 他にあるかしら?」
僕は考える
「特にないなぁ。」
「そうじゃあ今日はこの場所でお茶をしましょう。」
いや聞いた意味
「分かった。」
僕は基本的に受け身の姿勢を貫いている。 「マスター私はシフォンケーキとコーヒーみっくんは何か食べるかしら?」
「いや食べない。でも、コーヒーおかわりしようかな マスター コーヒーのおかわり。」
マスターを一礼をして作り始める。
「そういえば今日の昼の件だけど。」
「あそこまで一緒だとある意味すごいよね。」
思い出しても少し気味が悪い
「まあそれもそうですけど 。」
なんか変なことでもあったかな
「みっくん あなた本当に料理得意なの?」
「そうだけど?」
何か変かな
「だって二日ともお昼はパン屋オムライスのお惣菜だったしイメージないもの。」
失礼なのかな・・・。いや失礼な気がするな 。
「料理が得意なのは両親ともに働いていて姉が致命的に料理ができないから必然的に僕が作っている内にそうなったんだよ。」姉の料理は一言で言ってしまえば何かが違うという感じなのだ。
普通はまずかったり明らかに下手ならまだ分かりやすいのだが、姉さんの料理はまずくない。それに見た目は完璧である。
けれど絶対的に何かが違うと思わせるものがある。
これは僕だけではなく両親それに政矢でさえもそう言っていた。
「では何故お昼お弁当にしないのよ?」
「後片付けが面倒だからだよ。」
「そこを惜しんじゃダメよ。」
後片付けほど面倒なものはない。
「あなた四人家族の弟なんだ。しかも、お姉さんがいるんだね。」
しまった余計な情報を与えてしまった。 僕は本当に勝手に予想だけど、美琴はすぐに行動に移す人だからこちらの事情をあまり悟らせないようにしないといけない。
「そんなに意外だった?」
「いいえそんなことはないわ。ただお兄さんがいると思ったわあんまり女の子慣れしてないから。」
たぶんそれはあの人いるからだろうな。
「クシュン」
「どうした楓?もしかして風邪か?」
「もしかしたら誰かが私の噂をしているのかもね、それより政矢早く帰りましょう。」
そうだな きっとそうだ。
「今誰を考えていたんですか?」
「いえ特に誰も。」
勘が鋭すぎてやばい何かは分からないが言葉選びは気をつけないといけない。
あとの時間は今日あったことなどを話した。
「もう時間だわ帰りましょう。」
僕は姉さんの言葉を思い出していた。
「ここは払うよ。」
「いいわよ私が誘ったんだから。」
「いいからいいから。」
僕は会計に行く
お会計千二百円になります。
喫茶店てこんな高いんだ
「またお越し下さい。」
お金を払って外に出ると綺麗な夕焼けが見れる
「ありがとうお金払ってくれて」
「姉の言葉を思い出してね。」
~~~
「いい未琴。女の子と遊ぶ時は過度は駄目だけど奢ってあげるって事が大事なのよ。自分から進んでよ、けんかになりそうならやめてもいいけどね、わかった。」
~~~
まさか自分がこんなことを実践するなんて思ってもみなかった。
「だから気にしなくていいよ。」
「明日は商店街に行きましょう。」
商店街付近は学生が多いから不安だなぁ。
「嫌かしら?」
「 いや わかった契約だから。」
「そうよ契約だからね。」
「今日はありがとうまた明日学校でね。」
「うん バイバーイ。」
いきなりクラスでの演技のキャラに戻る。 「急に学校のキャラに戻るのやめて欲しいんだけど。」
調子が狂う。
「練習も兼ねてるんだけどな僕自身あんまり自分の素はあまり好まないんだ。」
そんなことがあるんだと僕は軽い気持ちで捉える。
「改めて。それじゃあバイバーイ。また明日。」
家に帰ると珍しく母がいた
「ただいま。」
「お帰りなさい。」
さらに珍しいことに母が返事してくれた。それが僕にとってかなり嬉しかった。
「仕事は?」
「今日は泊まり込みで作業しないといけないから着替えを取りに来ただけよ。 母さんすぐ出かけるから。」
僕が自室で着替えてると母は出て行ってしまった。
けれど話せたことは嬉しかった。
「お姉ちゃん久しぶりに母さんと話したよ。」
僕の両親は科学者として第一線で活躍している小学校の頃までは時間を取って遊んでくれたりしていたが姉さんが小学五年生になる時には忙しくなりまず家に帰らなくなった。
「今日はね久しぶりに政矢達とご飯を食べたんだ。」
そこからは今日の出来事を話して自分自身の中でお開きにした。
「それじゃあお姉ちゃん、おやすみ。」
今日はいつもよりぐっすり眠れた気がした。
そんな生活も二週間が過ぎた。
その間何度か商店街に行ったがとってもヒヤヒヤした。
今日はどこに行くんだろう
この期間も結局僕からは提案したことが一回もない。
「はぁーめんどくさい。」
下駄箱に紙が入っていた。ということは 封筒からのお呼び出していうことだ。
念のため財布とスマホは下駄箱に入れておく。
「よく来たな。」
今日はすでにイライラしていた。
「あの何でしょうか。」
「前回俺は聞いたこと覚えてるよな」
どういう関係だってやつだっけな。
この時、僕はもうすでに嫌な予感がしていた。
「その時お前何て答えた。」
「何でもないと。」
「そう言ってたよなぁ。」
グフッ
腹に一撃を食らう僕は思わずうずくまってしまう
「未琴、俺に嘘ついたな。」
「な・なんのことでしょう。」
「惚けてんじゃねぇー。」
今度は脇腹に一撃をもらう。うずくまっていたからかダメージを少しだけ軽減できた。
「ここ二日間放課後何してた。」
「なにって普通にしてただけですよ。」
何が言いたいか分かった見つかったのだろう。
「嘘ついてんじゃねぇー、調べはついてんだよ。」
ここまで来たら嘘を喋るか。
「確かにここ二日放課後に西条さんと遊んびました。でも、理由があるんです。」
「理由って何だ言ってみろよ。」
理由はどうしようかな。仕方ないあいつの名前使おう。
「豊穣楓って知ってる?」
すると風刀は何か怯えるような態度をとる。
「西条さん、豊穣さんと仲良くなりたいらしくてその相談を受けてたんだ。
「そ・そうかそれは仕方ない。」
僕は一瞬呆気にとられる
「お前に命令を出す。」
話に脈略がない。
命令かそれはまた面倒なことだ。
「これからお前美琴と話すな。」
「それは無茶だろ。」
「なんだ。反抗する気か。」
「普通に考えてみろ。授業はどうするのさ向こうから話しかけてたら?」
「そんなことそっちで考えろ。」
そういうと風刀は立ち去った。
くっそあいつ容赦ないな。
今もズキズキする。
もう帰るか。
さすがに待っていないだろうそう言い訳を自分の中でして帰る。
「ただいま。」
誰もいない当たり前な家
「姉ちゃん今日いじめられている子に友達の一人と話すなって降り立った多分そのいじめっ子は友達のことが好きなんだと思う。」
まぁ美琴は美人だから分からなくもないけど。
今日はいつもより話した気がする。
翌日
僕はいつもの時間に学校に行く正直あまり美琴に会いたくないら
「あっ神城君おはよう。」
見つかった。と言っても席が隣だからどのみち会うんだけど。
僕は顔を隠してその場をすぐに去るそして教室に入ると寝たふりをする休み時間を過ごす昼休みがトイレに行った授業中も寝たふりをしたそして急いで帰る。
そんな慌ただしい生活を二週間もしたそして一か月もすればその出来事が当たり前のように出来るようになった。
そして季節が変わり六月になった。
美琴はその間もずっと話しかけてきてくれた。良心が痛むが、殴れたりするのは嫌だからな。
パラッ
下駄箱に行くと風刀の呼び出しの紙があった。
何もしていないのにと思いながら僕は向かった。
「今日からお前と西条さんと話すのを許可する。」
何の風の吹き回しか突然そんなことを言い出した。
「それともう一つ。」
すると風刀は少しこちらに近づく。
もしこの計画にお前が乗ってくれるなら思呼び出さないと誓うよ。
「契約の内容を教えて欲しい。」
話を詳しく聞くと体育祭の日に告白をするするから成功する準備をしろということだった。
本番まであと二週間ぐらいだ。
これは僕にとってとてもありがたい話だった。
しかし一ヶ月以上無視を続けたんだ。なんて言って話せばいいのだろうそれを翌日学校に行くまで考えていただが結局、何をしていいかわからなかった。
どころか、顔を見るだけで逃げてしまった。 そうこうしているうちに放課後になってしまった。
僕は勇気をだして喫茶店へ行く。 店に入ると美琴が待っていた。
すると、後ろから声が聞こえる。
「なぁ。あの女の子さ。いつもこの時間になると、ここにいて待っているよな。」
「よく見ると美人だよな。俺声掛けようかな。」
「やめといたほうがいいって。」
僕はそのとてつもなく後悔した僕はなんてことをしていたんだ。僕は自分のことを優先した契約よりも自分のことを優先ししまったんだ
今、僕の命はそしてこの一年は僕一人のものじゃないのに。
僕は美琴の前に座る。
「本当に申し訳なかった。」
「・・・。」
美琴はこっち向いて黙ったままだ。
僕は頭を下げることしかできなかった。
その状況が三分ぐらい続いたと思う。
「はぁー。本当にあなたは何をしているのかしら?」
美琴が口を開きだした。
「本当にすまない。」
「本当よ契約を忘れたの?」
「はい美琴さんの言う通りです。」
結局そこからずっと説教された。僕「はいそうです」「申し訳ない」「その通りです」この三つぐらいしか言えなかった。 「もう許してあげましょうただしもう一つ条件を追加します。」
「何でも構いません。」
「じゃあ明日あなたの家に行きたいわ。それが条件っていうことでいいわね。」
「はいわかりました。」
「そう。じゃ楽しみにしているわね」
こうして何とか仲直りには成功した。
しかし困ったなぁ。
「とりあえず今日はこの辺にしておきましょうではさようならまた明日ね。」
僕も家に帰り姉に報告をする。
「姉さん。友達と仲直りできたよ休みの日にその友達が来るから紹介するね。」
でも、僕はあまり乗り気ではなかった。
というよりも僕はまだ自身のために行動している。昨日のあの話が成功したら彼女との契約は終わる。結果的に彼女を救うことになる。
そう自分に言い訳をしていた。本当にひどいと思う
翌日
僕はなぜかとても緊張していた。よく考えてみると、僕は自分の家に女の子を呼んだ試しがない。
ピーンポーン
チャイムが鳴った
ガチャ
「いらっしゃい。」
「今日は約束通り遊びに来たわ。」
美琴の私服姿を今日が初めて見る。
「私 何か変かしら?」
「いや。別に。」
そこは似合ってるとか言うべきだったのだろうか。
ただなぁー。
美琴の私服はまさかのゴスロリ衣装だった。
これに対して似合うというのもなんか失礼な気がする。
「それなら良かったわ。」
「上がってお茶菓子も用意してあるから。」
僕は美琴を中に入れる。
「へぇー。ここがみっくんのお家か。やけに静かねぇー。ご両親と姉さんは?両親はともに仕事中で姉はここには。」
美琴はいいと言っていないのに勝手に部屋は探検し始める。しかも最初に開けた部屋は。
「・・・。」
「あぁー。ばれちゃっか。」
最初に開けた部屋それは姉の部屋だった。
「 お姉ちゃんこの人が昨日紹介するって言ってたお友達の西条美琴さんだよ。」
一度政矢に言われたことがある。どうやら僕は姉ちゃんと会話する時だけ完全に別人見たくなるらしい僕自身あまり自覚がないが美琴がとても驚いた顔をしていたので多分そうなのだと思う。
「お姉さんはいつから?」
挨拶を終えて現在僕は僕の部屋にいる。
「一年ぐらい前かな。」
ああーダメだ。暗い雰囲気になりつつある。
「それよりさお菓子食べようよ美味しいんだよ。」
「本当だわ。これおいしいわね。」
「そうでしょ。」
また無言になった。
「何かゲームでもする 。」
「ではトランプをしましょう。私と罰ゲームあり
私、いいゲームをしているの。」
ルールはこうだった。ジョーカーを1枚 J・Kの赤黒1枚ずつをそれぞれ手札にして。ジョーカーは黒に勝ち、黒は赤に勝ち、赤はジョーカーに勝つ。
とここまではトランプでするじゃんけんみたいなものだがここでもルールがもう二つある黒のJ・Kだった場合Kが勝利する。赤のJ・Kだった場合Jが勝利するのだ。
そこが少し変わったところである。
「では私から。」
そう言うとカードを裏に向けてセットする。その表情には余裕そうだった。
「なにを出そうかな。」
なにを出そうかな。
まず確率を出してみた。全体が15通りあるこのゲーム、ジョーカーは2/15で勝利する黒のJは2/15、Kが3/15、赤のJは2/15、赤のKは1/15だから黒のKが一番勝率がある。だからジョーカーを出すのが普通だ。がそれは美琴もわかっているはずだ
だからあえて赤のKをおいているかもしれないその場合は黒のKがいい。これを呼んでジョーカーを置いていることも・・。ジョーカーなら負ける確率が低い。僕は決めた
「いくよせーの!」
僕は赤のK
美琴が出したのは赤のKだった。
「もう1回行くよ。」
今度は僕が先におく。
美琴は少し考えてカードをおく。
「せーの。」
僕も美琴もジョーカーだった。
それから十回やったが同じカードだった。 「よく考えたらさ色々と好みや考え方がかぶってるんだから 同じカードになるよね。」
さすがに不正を疑うぐらいの被り方をしているけど。
「では適当に裏側にしてシャッフルして一枚枚選びましょう。」
簡単に言えば運ゲーにしたのである。
分かった 僕たちはそれぞれ1枚おく。
「せーの。」
僕は黒のKで美琴はジョーカーだった。
「私の勝ちね。」
「くそ。」
こういう時に負けるのか僕は。
このゲームを純粋に楽しんでいる僕がいた。
「じゃあ罰ゲームの発表ね 。」
そうだった罰ゲームがあったんだった。
「罰ゲームは私の質問に答えるか一つ命令を実行するわ。」
なんか面倒な罰ゲームだな。
「みっくんはどちらをやりのかしら。」
「 質問で。」
そっちの方が簡単だろう。
「じゃあお姉さんの名前は。」
これに何の意味があるんだろう
「ことみ 神城琴美。」
「琴美に未琴って似ているわね。」
本当にそう思う感じだ
「漢字は君の字と一緒だよ。」
あの日、僕は名前も驚いたが漢字についても驚いていた。
「そうだったの。ますます私たちが出会ったのが運命みたいだわ運命の神様いるのかしら。」
「運命の神様なんているのかな。」
「あなた運命を信じてないのね?」
「違うよ。でも運命の神様っていうのは信じてないかな。」
神様なんて存在しない。
そこから僕たちは九回勝負したが結局僕は一回も勝てなかった。僕は、質問に答え続けた。
内容は家族や生い立ちに関してばかりだった
「じゃあこれでラストにしましょう。もう時間だわ。」
「分かった。」
シャッフルの結果、僕はジョーカーだった 味方のカードを置く 。
せめて一勝はしたいな。
「いきますよ。せーの!」
美琴は黒のJだった。
「やった。勝った。」
「負けちゃったわ。」
美琴は少し悔しそうだった。
「じゃあ。質問か命令か?」
「質問ね。」
このゲームの罰ゲームが始まってからずっと聞きたかったことがある。
「なんで一緒に死ぬなんて言ってくれるの。似ているからって心中する必要ないよね 。」
「やっぱり命令で 。」
美琴は何か隠しているでも教えてはくれないようだ「じゃあ1年後教えて。」
「あなたは1年後には全て話すわ。」
これでお開きになった。
ここである事件が起きた。それは玄関先でのことだった。
美琴が靴を履き立ち上がろうとした時、美琴は立ちくらみなのかフラフラとなり、倒れそうになった。僕はそれを支えようと手を伸ばしたところ足を滑らして一緒に倒れ込んでしまう。
「大丈夫?」
「あの。」
ガチャ
突然扉が開いた。
開けたのは母だった。 第三者視点から見ると僕が美琴を押し倒したように見える状態にある。
「あっごめん。大丈夫だった。足元滑っちゃったみたいでほんとごめんね。」
僕は飛び退く。
「私は大丈夫です。神城君こそ大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。」
母を横目に見る。
母はなんがなんだかわからないという顔をしていた。
「あのー。こちらは誰ですか?」
「僕の母親だよ。」
いつも帰ってこないのにこういう時に限って帰ってくんだよ。
「初めまして西条美琴です。神城君とは仲良くさせてもらっています。」
礼儀正しく美琴は挨拶をした。
「未琴のことを頼むはね」
たった一言そう言ってお母さんは入っていった
「ごめんね。母親口下手なんだ。」
「 別に気にしないわよ。改めて帰るわね今日は楽しかったわまた学校で会いましょう。」
「また学校で。」
結局その後すぐ母も出て行った。
体育祭まであと二日になった。
その間もアピールをする。競技決めの結果僕は二人三脚になった相手は、
「神城君頑張ろうね。」
「そうだね西条さん。」
美琴だった。
くじだからあれだけど風刀が怖いなぁ。
ちなみに風刀は百メートル走だった。
「右からスタートで行くよ。」
僕たちの息は合うようで思ったより早い「良い調子だ。これなら勝てそう。」
この二人三脚は政矢・楓ペアも出ることになっていた 。
「しかしまだ足りないなぁ。」
ここまで一度もあのペアに勝てていなかった。
「なんか掛け声必要かな?」
僕たちに掛け声は一・二という普通のものに対して二人は声を出さずに走っていた。 「いいんじゃないか。」
僕たちにはそのやり方ができなかった。
「やっぱ二文字の方が分かりやすいよね 足は二本なんだから 。」
二人で何かないか考えた。
しかしなかなか決まらなかった
もう別の方法を探そうと思ったその時ら 「あっ。そうだ。」
美琴は何か思いついたリアクションを取る大変なんだろうなと思う。
どうしたのか聞く。
「いいの思いついたんだよ。」
それを美琴は説明してくれた
「これは確かに僕たちらしい掛け声だね。」
その掛け声は一・二によりも分かりやすい。
そして僕たちは体育祭当日を迎えたり
クラス対抗で行われる体育祭は盛り上がった風刀が百メートル 走で陸上部の子達を抜いて優勝したときは、特に盛り上がった。
そして・・。
「 プログラム十一番 全校生徒に寄ります二人三脚です。」
僕たちの番が来た。
僕たちはこの競技でアンカーを務めることになっている。
「いよいよだね。」
「ついに対決する時が来たわね。」
政矢・楓ペアもアンカーだった。
「それでは位置について、よーい。」
パァン
銃声が鳴る。
勝負は接戦だった。
そしてアンカーの僕たちの番がきた。二組が同じ時にパスが繋がる。
「いくよ せーの!」
僕たちの掛け声それは
「僕たちの名前にもついてる「みこと」にしようよ。」
「ちょうど二文字だし。僕たちらしい」
三文字より二文字の方がテンポが揃いやすい
そのため早くなった。
今日はこのかけ声で勝負をした。
「二人三脚ですが二組早い組がいます。二年三組の神城・西条ペアそして二年四組霧城・豊穣ペアです。実力は互角。
さぁ最終コーナーを越え最後の直線差し掛かったさあどちらが勝利を掴むことが出来るのか。
息を合わせることに集中してた。
「全員がゴールしました。さては順位はどうなったのでしょうか。」
「結果発表!」
順位がだんだんと告げられていく。
頑張って練習したんだ。
僕達二人とも両手を合わせて祈る
「第二位二年四組そして第一位二年三組!」
「やったー。」
嬉しかった努力が報われたと思った。
「やったね神城君。
美琴もバンザイしてる
「勝てると思ったのに悔しいわ 。」
「おめでとう。」
政矢と楓もおめでとうと言ってくれた。
そして体育祭終わった。
僕たちのクラスは大健闘の結果、三位になったみんなとても盛り上がっていた。
そしてその後打ち上げが放課後の学校の教室で行われた。
僕たち二人の事が気になったため打ち上げに参加した。
少ししたら美琴と風刀が離れていった。僕はこっそりと二人の後を追うことにした。 二人は 二つ隣の空き教室に来た。僕は扉の陰に隠れている。
「風刀くんどうしたの?」
「あの。俺ずっと前から言おうと思ったことがあるんだ。」
なんか緊張してきたとりあえず解放されるなこれで
「俺ずっと好きでした俺と付き合ってください」
これであの契約は終了だ
彼は基本的には高スペックだ。付き合って損はない。これで彼女の僕のためじゃなくて彼のために時間を取ってくれる彼女も一緒に死ななくて良くなる。僕は一安心と思い帰ろうと立ち上がった時、
「気持ちは嬉しいけどごめんなさい。あなたとは付き合えません。」
僕は耳を疑ったり信じられなかった
「どうしてか理由聞いていい?」
それは僕も気になった。
「それはその・・。」
「未琴だろ。」
「えっ。」
風刀は少し怒っている声出す。
「 いいことなんだろうあんな根暗で地味なやつのどこがいいんだよ 」
「もしかしてあいつに弱味握られてゆのんのか。そうだよな、分かった。あいつから守ってやる。」
まあ普通に考えたらそうだよな。そんな事実はないけど 。
「ははははは。」
美琴が急に笑いだした。
「あなたは本当に愚かね。風刀雷刃君。」 僕の見たことのない美琴になっていた。
「私が断ったのは神城未琴が好き嫌いとかそういうことじゃないのよあなたのことが嫌いだったからよ。」
「あのー西条さん?」
風刀は戸惑ってる。
「 私ね見たんだよ。あなたが私の大切な友達のみっくんをいじめてるの。」
僕は断ったことよりもそっちの方が驚いた。
「 転校してきた初日に見たんだみっくんが助けるを求めるまで待ってたけどもう待てない。私の怒りにあなたを触れた。ちょうどいい機会だから言うね 。」
すると美琴は怖い顔をする。
「 二度と私の友達に手を出すなこれは忠告じゃない命令だ。もしも命令を破ったら。」
「だった私たちが殺すわ。」
どこにいたのか楓がいた。
「私の友達に手をあげるなんて許すわけないでしょ美琴ちゃん暴力はダメだって言うから抑えているけど私の怖さは十分知ってるわよね。」
外にいてもたとえ鈍くても殺気が伝わってくる。当人としてはちびりそうなぐらい怖と思う
「言いたいことは言ったわそれじゃあさようなら。」
そういうと美琴はこっちに向かってやってきた。
僕は慌てて会場に戻る。
「あっ。神城君 お疲れ様楽しんでる?」会場に戻った美琴は演技モードになっていた。
女子の怖さを改めて思い知った。
とともに僕は同じことで同じように後悔をしているそんな自分が嫌いになる
「今日楽しかったね。」
「うんそうだね、あのさ・・西条さん。」
「なに?」
綺麗な目だ。
「ありがとう。」
「なんかよくわかんないけど・・・どういたしまして。」
こうして体育祭は幕を閉じた
後日談
その後風刀はこちらに喋らなくなった。
そして政矢に楓について聞いた
あの殺気はただものではない。そしたら何と豊穣家は昔からヤのつく家らしかった。 その話を聞いてから少し楓のことが僕は怖くなった。
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