セカンドライフ!

みなみ ゆうき

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本編

6.初体験しました!その2

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「うつ伏せになって腰を高くあげてみろ」


男が仰向けで脱力していた俺の顔を覗き込みながら、そう指示を出してきた。

俺は言われるがままに男の前に尻を突き出すような恥ずかしい体勢になる。

少しだけ顔を後ろに向けて見ると、男が自分の唇を舐めたのが見えた。その仕草がやたらと扇情的に見えて、俺は期待で喉をコクリと鳴らしてしまう。


「こっちもたっぷり可愛がってやるよ」


そう言いながらこれからどこを攻めるのか確認するように後ろの窄まりを指で撫でられ、襞をゆっくり辿られた。


「…ん…っ…」


俺は快感に身体を震わせながら小さく喘ぐ。

そんなところを誰にも触られたことなどないはずなのに、男との行為に関することは全て脳が勝手に気持ちいいこととして認識してしまっているとしか思えない。
その証拠にたったそれだけのことで一旦萎えたはずの俺のモノが少し勃ちあがり始めている。

男はその場所を割り開くように手を添えてから顔を近付けると、濡れた舌でその場所を丹念に舐めていった。


「あ…ぁぁ…、ん…っ…」


指で襞を拡げられると舌が窄まりの中に侵入し、そのまま少しずつ奥へと進んでいくように小刻みに動かされる。

尖らせた舌で何度も浅く抜き差しされているうちに、俺の後ろの穴が勝手にヒクヒクと動いてきたのがわかった。


「そろそろ指でも入れてみるか」


そう言ってヒクつく俺の穴に指を一本滑り込ませてきた。

少しずつ出したり入れたりを繰り返しながら、俺の内部に徐々に深く侵入させていく。


「は…ぁ…、ん…っ…、ぁ……」


いつの間に準備してあったのかわからないが、男の指がローションと思われる粘液で濡らされており、そのおかげか、そこに何かを受け入れるのは初めてだったにも関わらず、それほど苦労することもなくすんなりと根元までおさまってしまった。


「はぁ……、ん…っ…」


俺は経験したことのない奇妙な感覚をやり過ごそうとするあまり、抑えきれない声が自然と出てしまう。


「たぶんこの辺りだと思うんだが……」


指を大きく抜き差しされながら、何かを探るように内側をかき混ぜられたその時。


「あ……ぁ…っ!」


それまでとは違う痺れるような強烈な感覚が全身を駆け抜け、俺は身体をしならせる。


「当たりだな」


男はひとり言のようにそう呟くと、たった今見つけたばかりのその場所を重点的に刺激し始めた。

内側にある隠されてたはずのその箇所を擦られると、俺の身体は面白いほどに反応し、俺の意思とは関係なしに、あっという間に完勃ち状態にされてしまう。


「もう一本挿れるぞ」


男はギリギリまで引き抜くと、すぐにもう一本の指を揃えて内側に差し挿れてきた。


「は…っ…、…ぁ…」


痛くはないがたった指一本増えただけでも先ほどより圧迫感を感じてしまい、せっかく生まれた快感が一瞬遠ざかった気がした。

ところが、再び例の箇所を重点的に擦るように刺激されることにより、さっき以上の快感が俺の身体を支配していく。

前も一緒に弄られて、イキそうになると絶妙な具合で止められるということを繰り返されているうちに、いつの間にか三本目の指も挿れられていた。

その感触に馴染む頃には俺の身体はグズグズに蕩かされ、男のが触れるところ全てが性感帯に変わったのかと錯覚するほど気持ちよくさせられていた。

しかし、俺と違い余裕のある男は未だにバスローブの紐すら緩めていない状態だと気付いて、舌打ちしたい気分になる。

俺はよく回らなくなっている頭でも、男の余裕ぶった態度が無性に気に障り、その余裕を無くすほど快感に溺れる様を見てみたい衝動に駆られた。

この男の表情も俺と繋がったら変わるんだろうか……。

ぼんやりそう思った時には、男を誘う言葉が勝手に口から溢れていく。


「もう…、アンタのいれろよ……」


俺は快感のあまり涙目になった目を俺を攻め立てている男に向け、俺の誘いに乗ってくれることを願っていた。

男はゆっくりと指を引き抜くと、一旦俺から身体を離し、羽織っていたバスローブを脱いでいく。

少しだけ身体を起こして男のほうに顔をむけると、引き締まった男らしい身体に見合った雄々しいモノが既に勃ち上がっているのが見えた。

期待なのか怯えなのか自分でもよくわからないまま、俺は無意識に息を呑んで男のする事をじっと見守る。

男はそんな俺の視線を感じたのか口の端を少しだけ上げると、コンドームを着けた自分のモノにたっぷりとローションをまぶし、すっかり柔らかくなっている俺の後孔に先端をあてがった。


「挿れるぞ。力抜いとけよ」


そう言うと、ゆっくりとした動きで少しずつ俺の中に身を沈めていった。

男はいきなり全部を挿れたりはせずに、小刻み腰を揺らしながら俺の中の感触を確かめるように進んでいく。
しっかりと馴らされていたおかげで、それほど労せずとも一番太い先端部分が徐々に埋め込まれていった。


「ふぅ……っ……、はぁ……っ……、ん…っ…」


男は俺の様子に気遣いながらも、一方で容赦なく太い楔を埋めてくる。

初めて男のモノを受け入れた俺は、身体の中を押し拡げられながら穿たれる感覚に、息をすることもままならない。

与えられているものが快感なのかどうかもわからないまま、ただひたすら男のモノを受け入れていく。


その奇妙な感覚に必死に耐え続けていると、ようやく俺の内部を開拓していた男の動きが突然止んだ。

男の腰が俺の尻に触れる感触で、ようやく全部が納まりきったのだとわかり息を吐く。


「はぁ……」


正直、しんどい。

初心者がこの男のサイズを受け入れるのははっきり言って無謀だったのではないかと少しだけ後悔しつつも、こういう事に限って酷く順応性が高い自分の身体に苦笑いする。

慣れない感覚で萎えるかと思っていた俺のモノは、多少硬度を失いはしたものの勃ちあがったままだったのだ。


「挿れられて萎えないなんて、やっぱオマエ素質あるわ」


自分でもちょっとそう思ってしまっただけに、指摘されると恥ずかしい。

男の位置から俺の顔が見えているかどうかはわからないが、恨みがましい視線を送ってやった。


「……うるさい。さっさと動けよ」

「そんなこと言ってられるのも今うちだぜ。確かこの辺だったよな……」

「あ…ぁ……っ…!!」


先ほど指で探り当てられ散々擦られた前立腺を、今度は太いモノで容赦なく刺激される。


「気持ちいいか?ここ擦るといい感じに締まるな。……ヤバい。俺のほうが持ってかれそう」


そう言いながらもまだまだ余裕の男は、俺の弱いところに自分のモノがあたるようにわざとゆっくり抽挿を繰り返し始めた。

その感触がもどかしくも気持ちいい。


「ん…っ…、や…だっ、て…!……そこ…、マジ……ムリ…っ…!」

「何が無理だって?こっちもこんなにしてるくせに」

「あ……っ……!!」


いつの間にか自分の腹に付きそうなくらいにそそり勃った俺のモノを、男の大きな掌が遠慮なしに撫で回す。

先走りの滴なのかローションの影響なのかはわからないが、ヌルヌルとした感触で滑りがよくなっているせいか、快感の度合いがいつもより数段跳ね上がっている気がする。


「前を扱かれながらとはいえ、後ろに挿れられて気持ち良くなってるなんて完全に淫乱なメスネコちゃんだな」


そう言いながら同時に乳首をギュッと摘ままれ、俺は再び身体を大きくしならせた。


「……ァ…ん…っ!」


一際大きな喘ぎ声をあげて腰を揺らすと、身体を繋げているせいか男が笑ったような気配がダイレクトに伝わってくる。


「だいぶ馴染んできたから、動くぞ」


何度か大きなストロークで腰を穿たれた後、徐々にスピードをあげて激しい抽挿が繰り返えされていく。

俺は自分の身体を支えきれず崩れ落ちそうになりながらも、なんとか懸命に体勢を保ち続けた。



それからの俺は身体を揺さぶられる度に喘ぎ続け、最後には喘ぎがすすり泣きようなものに変わるまで攻められ続け、何度も意識が飛びそうになるのを男の意地で必死に堪える。

もう限界だと思い始めた時、男がようやくこの行為の終わりを告げてくれた。


「……そろそろイクぞ」


早いスピードで抽挿を繰り返されながら、俺のモノも同時に擦られ、追い上げられていく。


「あ…っ…!ん…っ!……だめだ…っ…イク…っ…!──んーーーっ!」


俺は今までにないほどの深い快感で絶頂を迎えた。

それとほぼ同時に、俺の中を支配し続けた男のモノがビクビクと震えた感触で、達したことに気が付いた。

男は軽く息を吐き出してから、俺の中から自分のモノを引き抜いて身体を離していく。

俺は支えてくれるものがなくなったせいで、身体を支えていられず、その場に崩れ落ちるようにしてベッドに突っ伏した。

感じる疲労感が凄すぎてもう動けない。


「も、動きたくない……」


思わずそう呟くと、男はそんな俺を見てクスリと笑っただけで声をかけることはなく、そのまま俺を残しバスルームに消えてしまった。

バスルームの扉が閉まる寸前にチラリと見えたその顔は、さっきまでまるで熱に浮かされて激しく交わっていたことが嘘のように、全ての表情が綺麗サッパリ消えていたように見えた。

俺は男の表情を見て急に現実に引き戻されたような気分になってしまう。


「はぁ……」


自然と大きなため息が出た。


今の気分を一言で言うなら、"やっちまったな"という感じだ。


──悪くはなかった。

むしろここまで快感に溺れそうになったのは初めてだっただけに、なんだか成り行きという言葉では割りきれない思いが込み上げてくるような気さえしている。

俺はもう一度ため息を吐く。


こんなに蕩けそうに気持ち良くて、虚しい気分を味わうセックスは初めてだった。
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