最強で無双するっ！と思ってたら無双する主人公の侍女になりました…

小話〜ミーネのお仕事〜

師匠と坊ちゃんの学園生活が始まって、ミーネはちょっと暇になってしまいました。

朝の身支度はお湯を用意して、ご飯を運んでと大忙しですが、お2人が登園してしまうと、ミーネのやることがあまりありません。

そこで師匠から３つの課題を出されました。

1、きちんと3食食べておやつも取ること。

2、午後は2時間程休眠を取ること。

3、体力作りは1時間まで。

前は3食しっかり取るのは難しかったけど、今では美味しいご飯を寮の料理人さんが用意してくれて、おかわりもあって幸せなのです！

元々猫族はよく眠るので、お昼寝があるなんて夢みたい！

ミーネは木登りが得意ですが、師匠からは筋肉トレーニング？なるものの後に軽く走るよう教えられてられいるのでしっかり頑張ります！

そうしたら、午前中に洗濯したシーツも乾くし、丁度お2人が寮へ戻って来るので、ミーネは寂しくありません。

師匠は表情が変わらないので、ぶっきらぼうな感じがしたけれど、今はちょっと変化が分かって嬉しい。

洗濯物を抱えて廊下を歩いていると、前から他の生徒さんのメイドさんがやってきましたね。あれはリンさん！

「ミーネ、洗濯物を片付けていたの？」

「はい！今日は天気が良くてすぐ乾きました！」

「学園の清掃婦に任せたら良いのに、よく働くねぇ。これはご褒美だよ、こっそり食べなね！」

リンさんはそう言って、飴をくれました。

「ありがとうございます！」

ミーネの両手が塞がっているので、飴はポケットに入れて貰って、師匠と坊ちゃんの部屋へ向かいます。

学園ではお世話してくれるメイドさん達も沢山いらっしゃるけど、そうしたらミーネのお仕事は無くなってしまいます。

それに、師匠のお世話は弟子であるミーネの仕事なのです！

そうだ、リンさんから貰った飴は師匠と分けなくちゃ。

前は甘い物なんて贅沢な物、師匠は私にだけ多めにくれていたけれど、実はミーネは師匠も甘い物が好きって知っていたので、今度からはちゃんと分けあうって決めているのです！



～～～～～～～～



坊ちゃんの部屋を整えてから、師匠と私の部屋のベッドを整えていると、廊下から師匠の足音が聞こえます。
ほら、扉を開けたのは師匠です。ミーネは耳が良いんだから！


「ミーネ、お仕事お疲れ様です」

「師匠！お帰りなさいなのです！」

「今日はどんな日だったのですか？」

「今日は洗濯をして、お昼寝して……あ！飴を貰いました！」

「良かったですね。また隣室のリンさんでしょうか？」

「はい！師匠も食べましょう！」

師匠はいつもの表情ですが、頭を優しく撫でてくれます。ミーネはずっとこのなでなでが大好きなのです！

「私は大丈夫だから、ミーネが大事に食べなさい」


～ジジッ～

『私は要らないから、お前がちゃんと責任持って食えよ。なに？小せえくせに気にすんな』

～ジジッ～


ん？あれ？師匠はなんて言いましたっけ？

あ、飴は大事に食べることにします。
ミーネにももっと師匠に返せることがあれば良いのに。なんて言うとまた頭を撫でられるだけなんですけどね。