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第二幕・牙を穿て
風の圧縮
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「あの……風の圧縮ってどうやるんですか?」
「……はぁ!?……クッ……ハハハ!!」
怪我覚悟で九尾は目を瞑っていたが、ハティの一言で驚きの声を上げてしまう。
魔導書を持ち、魔法を使えるというのに肝心の魔法応用ができないと来たのだから驚くしか、いや呆れて笑うしか無かった。それも小さい体がひっくり返る程強く笑った。
「いやはや、まさか応用が出来ないとはね!いやぁさすが親子だ!」
「……え?」
「あのクソ女も最初は魔法使えなくてねぇ。なのに魔法使いになるだの、魔法研究するだのよくいってたさ……まぁ最終的に立派に育って大魔導士になってたけど……意外だろう?」
「え、ええぇ!?お、お母さんって魔法使えなかったんですか!?」
「意外~!魔法の事しか話さなかったのに~」
確かに禁忌の魔導書を所持する程の大魔導士だというのに、初めの頃は魔法が使えないのは双子達にとって意外なことだ。だが、一体どういう経緯を辿り魔法を覚え、ましてや大魔導士になったのか。その鍵は彼女たちの目の前にいる九尾にある。
「そうだ。さて、仕方ないからクソ女にも教えた〈|風刃〈エアーカッター〉〉を教えるとしよう……まずは〈風〉を目の前に留めな。やり方はそこに入れ物があると思えばいい」
フェンリルが魔法を使えるようになったのは、九尾が魔法を教えたから。それもほぼ付きっきりで教えたのだ。
元々九尾は大魔導士であり、人に教えるだけの知識が備わっていたのである。
「ハティ~多分〈擬態〉と同じ原理だよ~感覚違うと思うけど~」
「やってみます……!」
再び深呼吸をし、呼吸を整えた後、意識を集中し手を前に差し出す。
瞬間、九尾とスコルだけが“ハティのとてつもない魔力量”に驚かされた。いや、スコルは先日にもハティの魔法を見ている。しかし、その時とは比べ物にならない量を感じ取れたのだ。
「空を、大地を、海上をかける風よ。その場に留まる空気よ。今ここに集え!〈風〉!」
言葉と共に、その場に強風を起こす。されどもその風は辺りのものを動かさず、彼女の目の前に不可視の風として留まり続ける。
「お、おいおい……今の魔力はなんなんだい……とりあえず今留めてる風の容量を減らさず小さくしてみな」
「は、はい!」
未だにハティの魔力量に驚く九尾だが、冷静に〈風刃〉を作る順序を教える。
そして彼女は言われた通り風をゆっくりと小さく、されども容量は減らさないように調整をはじめたのだが。
「ストップだハティ!」
僅か数センチしか圧縮できていないのにも関わらず九尾はハティを止めにかかる。というのも、彼女の魔力で作られた強風がたった数センチ圧縮されただけで、風切り音が鳴り響き始めたのだ。流石にこれ以上圧縮してしまうと、危険を伴う。故に止めたのだろう。
「この腕輪に向けてそれを放て!」
刹那。バキンと鉄が破壊される音とグシュっと肉が裂かれる音がその場にいる三人の耳に残る。九尾の小さな手が腕輪諸共裂けたのだ。
目の前に九尾の切り離された小さな手と、体から紅い液体が止まることを知らず溢れる、目を疑いたくなる光景だが、切り落としたハティは不思議と目をそらす事は出来ず、その場に倒れ込んでしまう。
「え……」
「馬鹿者……だがよくやってくれた……あんたらを信用……の前に!〈聖霊手当〉!」
手が裂け落ちたというのに、力を振り絞り一つの魔法を唱える。魔法が発動されるのと同時に、損傷部位に淡く暖かな光が集い、裂けて転げ落ちた手が、時間を遡ってるように紅い液体と共に九尾の腕へとくっつく。
「な、治った……」
「全く……私が回復魔法使えなかったらどうしてたんだい……」
つかの間の出来事でハティは顔色を悪くしながらも愕然とし、いつしか、彼女の頬を涙が伝ったと思うと涙が滝のように流れ始めた。
「ハティ!?大丈夫~!?」
「驚かせちまったね。でも大丈夫。この賠償はきっちり払ってもらうからね」
「それの、どこが大丈夫……なんですかぁぁぁぁぁ!うぁぁぁぁぁん!!」
「冗談だって……とにかくほれ傷一つ残ってないし腕輪は取れたんだ。早く泣きやみな!」
まさか自分の魔法で怪我をさせると思ってもいなかったハティは、先程の悲惨な光景が脳裏に焼き付いてしまい、泣き続ける。それも十分以上も涙を流し続け、漸く普通に会話できる状態に戻っていた。
「ーーさて、腕輪が取れたからにはお礼をしなきゃだね。あ、その前にあんたら驚くんじゃないよ?」
「……はぁ!?……クッ……ハハハ!!」
怪我覚悟で九尾は目を瞑っていたが、ハティの一言で驚きの声を上げてしまう。
魔導書を持ち、魔法を使えるというのに肝心の魔法応用ができないと来たのだから驚くしか、いや呆れて笑うしか無かった。それも小さい体がひっくり返る程強く笑った。
「いやはや、まさか応用が出来ないとはね!いやぁさすが親子だ!」
「……え?」
「あのクソ女も最初は魔法使えなくてねぇ。なのに魔法使いになるだの、魔法研究するだのよくいってたさ……まぁ最終的に立派に育って大魔導士になってたけど……意外だろう?」
「え、ええぇ!?お、お母さんって魔法使えなかったんですか!?」
「意外~!魔法の事しか話さなかったのに~」
確かに禁忌の魔導書を所持する程の大魔導士だというのに、初めの頃は魔法が使えないのは双子達にとって意外なことだ。だが、一体どういう経緯を辿り魔法を覚え、ましてや大魔導士になったのか。その鍵は彼女たちの目の前にいる九尾にある。
「そうだ。さて、仕方ないからクソ女にも教えた〈|風刃〈エアーカッター〉〉を教えるとしよう……まずは〈風〉を目の前に留めな。やり方はそこに入れ物があると思えばいい」
フェンリルが魔法を使えるようになったのは、九尾が魔法を教えたから。それもほぼ付きっきりで教えたのだ。
元々九尾は大魔導士であり、人に教えるだけの知識が備わっていたのである。
「ハティ~多分〈擬態〉と同じ原理だよ~感覚違うと思うけど~」
「やってみます……!」
再び深呼吸をし、呼吸を整えた後、意識を集中し手を前に差し出す。
瞬間、九尾とスコルだけが“ハティのとてつもない魔力量”に驚かされた。いや、スコルは先日にもハティの魔法を見ている。しかし、その時とは比べ物にならない量を感じ取れたのだ。
「空を、大地を、海上をかける風よ。その場に留まる空気よ。今ここに集え!〈風〉!」
言葉と共に、その場に強風を起こす。されどもその風は辺りのものを動かさず、彼女の目の前に不可視の風として留まり続ける。
「お、おいおい……今の魔力はなんなんだい……とりあえず今留めてる風の容量を減らさず小さくしてみな」
「は、はい!」
未だにハティの魔力量に驚く九尾だが、冷静に〈風刃〉を作る順序を教える。
そして彼女は言われた通り風をゆっくりと小さく、されども容量は減らさないように調整をはじめたのだが。
「ストップだハティ!」
僅か数センチしか圧縮できていないのにも関わらず九尾はハティを止めにかかる。というのも、彼女の魔力で作られた強風がたった数センチ圧縮されただけで、風切り音が鳴り響き始めたのだ。流石にこれ以上圧縮してしまうと、危険を伴う。故に止めたのだろう。
「この腕輪に向けてそれを放て!」
刹那。バキンと鉄が破壊される音とグシュっと肉が裂かれる音がその場にいる三人の耳に残る。九尾の小さな手が腕輪諸共裂けたのだ。
目の前に九尾の切り離された小さな手と、体から紅い液体が止まることを知らず溢れる、目を疑いたくなる光景だが、切り落としたハティは不思議と目をそらす事は出来ず、その場に倒れ込んでしまう。
「え……」
「馬鹿者……だがよくやってくれた……あんたらを信用……の前に!〈聖霊手当〉!」
手が裂け落ちたというのに、力を振り絞り一つの魔法を唱える。魔法が発動されるのと同時に、損傷部位に淡く暖かな光が集い、裂けて転げ落ちた手が、時間を遡ってるように紅い液体と共に九尾の腕へとくっつく。
「な、治った……」
「全く……私が回復魔法使えなかったらどうしてたんだい……」
つかの間の出来事でハティは顔色を悪くしながらも愕然とし、いつしか、彼女の頬を涙が伝ったと思うと涙が滝のように流れ始めた。
「ハティ!?大丈夫~!?」
「驚かせちまったね。でも大丈夫。この賠償はきっちり払ってもらうからね」
「それの、どこが大丈夫……なんですかぁぁぁぁぁ!うぁぁぁぁぁん!!」
「冗談だって……とにかくほれ傷一つ残ってないし腕輪は取れたんだ。早く泣きやみな!」
まさか自分の魔法で怪我をさせると思ってもいなかったハティは、先程の悲惨な光景が脳裏に焼き付いてしまい、泣き続ける。それも十分以上も涙を流し続け、漸く普通に会話できる状態に戻っていた。
「ーーさて、腕輪が取れたからにはお礼をしなきゃだね。あ、その前にあんたら驚くんじゃないよ?」
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