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外伝・キャラクターストーリー(ハティVer)(完)
ハティ④
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「ひぃふぅみー……今聞こえる声だけでも十匹以上はいますね。それも種類は様々のようです。それに大半が辛い、嫌だって言ってます……これは一刻も早く見つけないとですね」
「ソウネ、アト数エ方ガ古臭イ。チナミニ依頼人ハ……コノ下ネ。地下ガアルミタイ。アト数エ方ガ古臭イ」
「とりあえず声を頼りに進みましょうって何も数え方が古臭いって二回言わなくてもいいと思うんですよ!?」
そんなに古臭いかなとブツブツと喋りつつ聞こえる声を頼りに家の中を歩くが不思議と地下に続く道はない。しかし妖精が漢字捉えている依頼人の精力は確実に床下。複数の動物の声も床下から聞こえている、それなのにも関わらず道がないのだ。
無論魔法などで隠していれば妖精がすぐに見破る。しかし見破ることはできないということはまさしく魔法などで道を隠していない、つまり何らかの物理的方法で地下への道を閉ざしているのだ。
隈無く辺りを見て回るとリビングの隅っこの床に隠し扉が付いていた。しかしここにたどり着くと読まれていた、はたまた几帳面な性格なのかその扉には鍵がかけているようだった。
「どう考えてもここが怪しいですよね……」
「ソウネ、コノ下カラ依頼人ノ精力ガ感ジ取レルワ」
「とりあえず鍵開けますか。この程度の鍵なら何とか開けられると思いますし。それにここなら魔導書使ってもあのお二方は来ないと思いますし……えーとあ、ありました!〈解錠せし真鍵〉!」
魔導書をパラパラと捲り目的のページを開くと直ぐに魔法を唱える。
その魔法は名前の通り魔法の鍵だ。それも魔法で掛けられた鍵以外を解錠する万能鍵。
もちろん使い方を誤れば犯罪になりかねないのだが、ここ最近は魔法で鍵をかけることも多く依頼人のように普通の鍵を使う人は指で数えれる程度。そのためその魔法で犯罪を犯す者は誰一人ともいないのだ。
そして鍵を開け閉ざされていた地下に続く扉を持ち上げるようにして開ける。
覗けばかなり深いようでそこから鳴き声が聞こえているとは思えない。しかしながら確かにそこから鳴き声が聞こえている。それほど地下でなにかが起こっていると言うことがわかってしまい彼女は少し地下へ入るのを躊躇ってしまう。だがここで躊躇ってしまっては地下で何が起こっているのか突き止めることもできず、ましてや地下にいるであろう動物の生死に関わってしまう。だからこそ勇気を出して。
「そ、それじゃあ行きましょう〈集束する光〉」
地下へと続く階段には明かりが無くとても危ない。そのため足を踏み入れる前に辺りを照らす魔法〈集束する光〉を使用し一歩ずつゆっくりと足を踏み入れて地下に向かった。
コツコツコツと音からしてコンクリートでできた階段を一つまた一つと降りていくが一向に下が見えない。長々とその階段は続いているのかそう思った瞬間彼女の体のバランスが突如崩れ倒れこんでしまう。
その原因は階段を踏み外したわけではなく’そこにあると思っていた階段がなく足が着いたのは地面だった’つまり古典的なだまし絵に引っ掛かったのである。
「いたた……」
「チョット大丈夫?」
「大丈夫ですけどまた古典的なものですね……にしても精密に作られただまし絵……」
「感心シテル場合?」
ゆっくりと立ち上がりどこも怪我を負っていないことを確認したあと階段だと思った地面のだまし絵をみてつい感心してしまう。
だが妖精が言っている通り感心している場合ではない、なぜならそこが’行き止まり’だからだ。無論先程とは違い狭い場所だ、そんなところで光を照らしていれば隠し扉や怪しいところがあれば直ぐに見つかる、そう信じて色々調べ始めた。
真っ先に確認したのは声と依頼人の場所。動物達の声は未だに聴こえるものの何故か地下室に入る前よりも声は小さく数が少なくなっていた。次に依頼人の場所。妖精に聞けばさらに奥にいるらしいが一体どうやって奥に行っているのか、それはわからなかった。
その後はとりあえず壁を叩いていた。先程と今と魔法を使わず古典的な仕掛けだからこそまた古典的な仕掛けだろうと推測し、実行した。
そしてその読みは直ぐに大当たりとなる。
「ここだけ音が違います!……でも押してもびくともしませんね……一層の事壊しましょうか」
「ソウネ、壊スダケナラ依頼人ニモ動物ニモ被害ハ出ナイト思ウワ」
「ですよね。それじゃあーー」
『おい待て』
目の前の壁を叩くと周りの壁とは違う軽い様な音が聞こえる。しかし何をしてもその壁は開くことがなく、一層の事壊してしまおうと魔導書を開きパラパラとページを捲り魔法を唱えようとした瞬間、壁の奥から低くなおかつ耳に残るかのような男の声が響いてくる。声からして依頼人ではないと認識できる。どうやら壁の向こう側に誰かいるようだが一体誰なのだろうか。
『お前ここ初めてだろ、だがここに来たってことは誰かから招待されているはずだその時合言葉も教えて貰っているだろう?』
「合言葉?」
『そう合言葉だ。まさか知らないわけないよな?』
「いえ全く知りません」
「真面目カ!」『真面目か!』
「ソウネ、アト数エ方ガ古臭イ。チナミニ依頼人ハ……コノ下ネ。地下ガアルミタイ。アト数エ方ガ古臭イ」
「とりあえず声を頼りに進みましょうって何も数え方が古臭いって二回言わなくてもいいと思うんですよ!?」
そんなに古臭いかなとブツブツと喋りつつ聞こえる声を頼りに家の中を歩くが不思議と地下に続く道はない。しかし妖精が漢字捉えている依頼人の精力は確実に床下。複数の動物の声も床下から聞こえている、それなのにも関わらず道がないのだ。
無論魔法などで隠していれば妖精がすぐに見破る。しかし見破ることはできないということはまさしく魔法などで道を隠していない、つまり何らかの物理的方法で地下への道を閉ざしているのだ。
隈無く辺りを見て回るとリビングの隅っこの床に隠し扉が付いていた。しかしここにたどり着くと読まれていた、はたまた几帳面な性格なのかその扉には鍵がかけているようだった。
「どう考えてもここが怪しいですよね……」
「ソウネ、コノ下カラ依頼人ノ精力ガ感ジ取レルワ」
「とりあえず鍵開けますか。この程度の鍵なら何とか開けられると思いますし。それにここなら魔導書使ってもあのお二方は来ないと思いますし……えーとあ、ありました!〈解錠せし真鍵〉!」
魔導書をパラパラと捲り目的のページを開くと直ぐに魔法を唱える。
その魔法は名前の通り魔法の鍵だ。それも魔法で掛けられた鍵以外を解錠する万能鍵。
もちろん使い方を誤れば犯罪になりかねないのだが、ここ最近は魔法で鍵をかけることも多く依頼人のように普通の鍵を使う人は指で数えれる程度。そのためその魔法で犯罪を犯す者は誰一人ともいないのだ。
そして鍵を開け閉ざされていた地下に続く扉を持ち上げるようにして開ける。
覗けばかなり深いようでそこから鳴き声が聞こえているとは思えない。しかしながら確かにそこから鳴き声が聞こえている。それほど地下でなにかが起こっていると言うことがわかってしまい彼女は少し地下へ入るのを躊躇ってしまう。だがここで躊躇ってしまっては地下で何が起こっているのか突き止めることもできず、ましてや地下にいるであろう動物の生死に関わってしまう。だからこそ勇気を出して。
「そ、それじゃあ行きましょう〈集束する光〉」
地下へと続く階段には明かりが無くとても危ない。そのため足を踏み入れる前に辺りを照らす魔法〈集束する光〉を使用し一歩ずつゆっくりと足を踏み入れて地下に向かった。
コツコツコツと音からしてコンクリートでできた階段を一つまた一つと降りていくが一向に下が見えない。長々とその階段は続いているのかそう思った瞬間彼女の体のバランスが突如崩れ倒れこんでしまう。
その原因は階段を踏み外したわけではなく’そこにあると思っていた階段がなく足が着いたのは地面だった’つまり古典的なだまし絵に引っ掛かったのである。
「いたた……」
「チョット大丈夫?」
「大丈夫ですけどまた古典的なものですね……にしても精密に作られただまし絵……」
「感心シテル場合?」
ゆっくりと立ち上がりどこも怪我を負っていないことを確認したあと階段だと思った地面のだまし絵をみてつい感心してしまう。
だが妖精が言っている通り感心している場合ではない、なぜならそこが’行き止まり’だからだ。無論先程とは違い狭い場所だ、そんなところで光を照らしていれば隠し扉や怪しいところがあれば直ぐに見つかる、そう信じて色々調べ始めた。
真っ先に確認したのは声と依頼人の場所。動物達の声は未だに聴こえるものの何故か地下室に入る前よりも声は小さく数が少なくなっていた。次に依頼人の場所。妖精に聞けばさらに奥にいるらしいが一体どうやって奥に行っているのか、それはわからなかった。
その後はとりあえず壁を叩いていた。先程と今と魔法を使わず古典的な仕掛けだからこそまた古典的な仕掛けだろうと推測し、実行した。
そしてその読みは直ぐに大当たりとなる。
「ここだけ音が違います!……でも押してもびくともしませんね……一層の事壊しましょうか」
「ソウネ、壊スダケナラ依頼人ニモ動物ニモ被害ハ出ナイト思ウワ」
「ですよね。それじゃあーー」
『おい待て』
目の前の壁を叩くと周りの壁とは違う軽い様な音が聞こえる。しかし何をしてもその壁は開くことがなく、一層の事壊してしまおうと魔導書を開きパラパラとページを捲り魔法を唱えようとした瞬間、壁の奥から低くなおかつ耳に残るかのような男の声が響いてくる。声からして依頼人ではないと認識できる。どうやら壁の向こう側に誰かいるようだが一体誰なのだろうか。
『お前ここ初めてだろ、だがここに来たってことは誰かから招待されているはずだその時合言葉も教えて貰っているだろう?』
「合言葉?」
『そう合言葉だ。まさか知らないわけないよな?』
「いえ全く知りません」
「真面目カ!」『真面目か!』
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