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【12】
しおりを挟む「薬草・・・薬草・・・そして、図鑑・・・あった!」
うーん、とキョロキョロと本棚を見てると、目的の本はあったものの私の背では届かない位置にあった
「セスお兄様・・・!」
セスお兄様は真剣に懐中時計を見ていた。新しくするのかな・・・声を掛けると邪魔になっちゃうよね・・・
背伸びすれば届くかな・・・
「リュカ、この本持ってて貰ってもいい?」
リュカに本を渡して、目的の本を取ろうと手を伸ばす
「セス兄様に頼めば取ってくれるよ」
「だって、真剣に見てるから邪魔はしたくないの」
ググくっと背と手を伸ばすけどなかなか取れない
「うっ・・・あともう少しなのに・・・」
「・・・何が欲しいんだ」
背後から、セスお兄様でもリュカでもない声がして振り向くと、黒髪で身長は高くて顔が整った人だった
「えっと・・・や・・・」
「あの、薬草図鑑」
私が薬草図鑑というのを遮ってリュカが答える
「薬草・・・」
その人はぼそっと呟くがそれだけのみだったようで、薬草図鑑をとりリュカに手渡す
「ありがとうございます。行くよ?」
リュカはそう言うと私の手を引きセスお兄様の所へと向かった
お礼の言葉が言えなかったため、ペコりとだけ頭をさげた
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