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第六話:新たな契約と計画

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翌朝、店が開店する前に、騎士が再び店に訪れた。今日は少し早めの時間で、空は薄明かりに包まれ、静けさが漂っている。

「おはようございます。」
俺は騎士を迎え入れ、店内へと案内した。騎士はいつも通りの鎧姿で、少し身を屈めながら店内に足を踏み入れた。昨夜の話が頭に残っている。

「おはよう。」
騎士は目を輝かせて周囲を見回し、軽くうなずいた。「ここが噂の店か…」

「噂、ですか?」
俺は少し驚いて尋ねた。どうやら、俺の店はこの異世界でも何かしらの話題になっているらしい。魔物の言葉や騎士の言動からも、ただのコンビニ経営以上の何かがあると感じていたが、どうやらそれが実際に周囲で広まっているらしい。

「うん。君が提供している商品には、ただの食べ物だけでなく、異世界の人々が求めている何かが隠されている。私たちの団体でも、君の店の存在について調査を始めている。」
騎士は続けた。「だから、私は君に協力をお願いしたい。」

「調査…ですか。」
俺は少し警戒した。魔物の疑念に続き、騎士の言葉もどこか重く、意味深に感じた。しかし、ここで断るわけにはいかないだろう。

「もちろん、協力します。」
俺は答えたが、その言葉の裏には、少しの不安もあった。しかし、それ以上に好奇心と、何か大きなことに巻き込まれている予感が勝っていた。

「よし、では始めよう。」
騎士はすぐに意気込みを見せ、机に置いた大きな袋から何かを取り出した。それは古びた巻物のようだった。

「これが、私たちが手に入れた情報だ。」
騎士は巻物を広げ、その中身を俺に見せた。中には、精緻な図面や、何かの遺跡のような絵が描かれていた。それを見て、俺は少し目を見張った。

「これは…?」
「これは、君が持っている商品と関係があると思われる遺跡の位置だ。」
騎士の言葉に、俺はさらに驚いた。「遺跡?一体、何のことだ?」

「お前が販売している商品、特に保存食品や薬草、特殊な調味料などは、この遺跡から得られた技術に関わりがあると思われる。」
騎士は巻物を閉じて、俺の方を真剣に見つめた。「君の店が持っているものは、単なる食材以上のものだ。この世界に存在しないものが、君の店に並んでいる。それに、君が異世界から来た可能性が高い。」

その言葉を聞いた瞬間、俺は心の中でガクンと膝が崩れそうになった。異世界から来た可能性、か。騎士の言葉が正しければ、俺はただの異世界の住人ではなく、もっと深い秘密を持っているということだ。

「俺は、異世界から来た…?」
「それが本当かどうかはまだ分からないが、私たちの団体が調査を進めることで、明らかになるだろう。」
騎士は少し立ち上がり、周囲を見渡した。「だが、君が持っている商品には、間違いなく異世界の技術が関与している。だからこそ、私たちの計画には君の協力が必要だ。」

俺はその言葉を噛みしめながら、しばらく黙っていた。騎士の言う通り、俺の店で売っているものは、この世界では見たこともないようなものばかりだ。保存食、薬草、調味料…どれも、異世界のどこかで見たことがあるような気がする。

「分かりました。協力します。」
俺は意を決して答えた。その答えを聞いた騎士は、ようやく満足そうに微笑んだ。

「ありがとう。では、次の段階に進もう。」
騎士は少し前かがみになり、低い声で続けた。「君には、この遺跡を調査するために、私たちの一員として参加してもらう。」

「遺跡…」
俺はその言葉に少し不安を覚えた。未知の遺跡、そしてその先に待っているであろう危険。だが、俺の店が巻き込まれている以上、避けて通れない道だろう。

「君の店が持っているものが、きっとこの遺跡に関係している。それを探ることが、私たちの目的だ。」
騎士は言葉を続け、深刻な表情を浮かべた。

「そして、この遺跡に隠された力を手に入れることができれば、君の店は、この異世界でさらに重要な位置を占めることになるだろう。」

その言葉に、俺は少しの興奮とともに、決意を新たにした。どうやら、この冒険はただのコンビニ経営では終わらなさそうだ。

俺の店が、これからどうなるのか。俺の選択が、何を生み出すのか。すべてがこれから始まる。

「さあ、行こう。」
騎士の言葉に導かれ、俺は一歩踏み出した。

未知の遺跡、そして待ち受ける新たな試練。

この先、どんな冒険が待っているのか、俺にはまだ分からない。だが、もう後戻りはできない。

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