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『ある日突然、ゲーム世界がブラック企業だった件』
しおりを挟むミツキは、今日もゲーム配信の準備を整えていた。彼は新進気鋭の配信者で、特にゲームのバグを発見する才能が抜群だった。ファンからは「バグ探知機」として親しまれている。彼の配信の醍醐味は、ゲームが予期せぬ挙動をしたときの絶妙なツッコミだ。
「さて、今日は新作ゲーム『魔法界のブラック企業』をプレイしていくぜ!開発者が“難易度は地獄級”って言ってたけど、俺を倒せるもんなら倒してみろって感じだよな!」
ミツキはいつものように配信を開始した。視聴者数は瞬く間に増え、チャット欄が賑わいを見せる。
【視聴者1】「今日もバグ発見される予感!」 【視聴者2】「魔法界のブラック企業って何だよw」 【視聴者3】「早くプレイ始めてー!」
「お待たせ!では、いざゲームスタート!」
ゲームが始まると、主人公のキャラクターが魔法学校を卒業し、念願の「魔法株式会社」に入社する場面が描かれた。しかし、入社初日からすでに怪しい雰囲気が漂っていた。上司にあたる魔法使いは、無表情で言った。
「新入り、早速だがこの1,000ページのマニュアルを読んで、5分で要約して報告してくれ。」
【視聴者4】「無茶苦茶だろw」 【視聴者5】「ブラックすぎるwww」 【視聴者6】「開始早々ハードモードかよ!」
ミツキはキャラクターを操作しながら、心の中でツッコむ。
「おい、これ新入社員じゃなくて奴隷じゃないか?」
主人公が必死にマニュアルを読んでいる間に、画面の隅に「進行度:0.01%」という進捗バーが現れる。さらに、「仕事は進めるのに1時間ごとに5%の体力消費」という通知も。
【視聴者7】「体力ゲージがゼロになったらどうなるんだ…?」 【視聴者8】「給料は出るんだろうか?」 【視聴者9】「まさかの過労死エンド?」
「まさかね…いや、これリアルすぎるからやめろって…!」
しばらく進行させると、主人公の隣のデスクで作業している先輩社員が突然倒れ込む。テキストが表示される。
「先輩社員がストレスで魔力を失ったため、会社から除名されました。」
【視聴者10】「こわいこわいこわいwww」 【視聴者11】「先輩の魔力=命かよ!」
ミツキは深いため息をつきながら言った。「これ、絶対に開発者が元ブラック企業出身だろ。体験談じゃないと書けないレベルだぞ!」
さらに進めると、上司が突然「残業しない新人は存在しない」と宣言し、強制的に残業シミュレーションに突入。画面は真っ暗になり、主人公のキャラクターがパソコンの前で打ち込みを続けるシーンがエンドレスで流れる。
「おい、もうゲームじゃないじゃん、これ!ただの修行だよ!」
【視聴者12】「真夜中の仕事シミュレーション、ホラー感がすごいwww」 【視聴者13】「まさに『働かない魔法使いは魔法使いじゃない』って感じだな!」
「魔法使いって…もっと自由で楽しいイメージじゃなかったっけ?」
ここで突然、画面にエラーメッセージが表示される。
【エラーメッセージ】「システムエラー:プレイヤーが過労で倒れたため、ゲームオーバー」
「待って待って待って!俺じゃなくて主人公が倒れたんでしょ!? なんで俺まで巻き込まれるの!?」
【視聴者14】「まさかの配信者過労死エンドwww」 【視聴者15】「ミツキさん、お疲れ様です。配信終了か?w」
結局、その夜の配信は視聴者の大爆笑で幕を閉じた。ミツキは最後に、疲れた声で呟いた。
「次回はもうちょっと健全なゲームにするよ…こんな精神鍛錬はもうゴメンだ。」
だが、視聴者たちはすでに次回のブラック企業ゲーム配信を待ち望んでいるのであった。
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