先生と俺

第77話

二時限目の体育の時間では本日は、マットを使った授業を行う。
怪我をしないやり方を先生は優しく丁寧に教える。
体育の時間が始まり、体育館に集まった俺たちは先生の指示に従ってマットを並べた。
今日はマット運動の授業だ。
前転や後転などの基本的な動きから始まり、少し難易度の高い技にも挑戦することになっている。
先生は、まず怪我をしないための基本的な姿勢や手のつき方を教えてくれた。
「マット運動では、特に頭や首を守ることが大切です。正しい姿勢を意識しながら動くことで、安全に楽しく運動ができますよ」
と、優しく説明してくれる。

先生は一つ一つの動きを実際にやって見せながら
「前転のときは、手のひらをしっかりと床につけて、頭をできるだけ丸めましょう。
そうすることで、首を痛めずにスムーズに回転できます」
と、細かいポイントを丁寧に教えてくれる。
俺たちは、先生のアドバイスを受けながら、順番にマットの上で前転や後転を繰り返した。
少し怖さもあったけど、先生がそばで見守ってくれているので安心して挑戦できた。

次に、側転や倒立など、少し難しい技にも挑戦することになった。
俺はまだ自信がなかったけど、先生は
「大丈夫、一歩ずつ練習していけば、きっとできるようになりますよ」
と励ましてくれた。
授業の終わりには、みんなで一緒にストレッチをして体をほぐした。
先生は、「マット運動は体の柔軟性も重要ですから、柔軟運動も忘れずに行いましょう」
と、最後まで丁寧に指導してくれた。
体育の授業が終わると、俺は体中が少し疲れていたけど、なんだか爽快な気分だった。
先生が教えてくれた通りに体を動かすことで、少しずつできることが増えていくのが嬉しかったんだ。

体育の授業が終わり、教室に戻る途中、俺はまだ少し息が上がっていた。
けれど、体が心地よく疲れていて、何だか充実感があった。
教室に戻ると、次の授業の準備をするために机に座り、ノートや教科書を取り出した。
授業と授業の合間の短い時間、俺は先ほどのマット運動を思い返していた。
先生の教え方が本当に分かりやすくて、難しそうに見えた動きもやってみれば意外とできたんだ。
やっぱり先生がいると、何でも挑戦してみようって気持ちになれる。

昼休みになると、俺はいつものように母さんが作ってくれたお弁当を取り出した。
今日は、昨日のカレーの残りをアレンジしたカレードリアだった。
少し冷めていたけど、スパイスの香りが食欲をそそる。
一口食べながら、ふと先生にカレーの話をしたことを思い出した。
カレーの歴史や日本に伝わった経緯を知ることで、いつものカレーがなんだか特別に感じられた。
歴史があると、食べ物にも深みが増すんだなって改めて思った。
昼休みが終わり、午後の授業が始まる。
今日は家庭科の授業がある。
家庭科も俺は好きだ。
特に、食べ物の歴史や作り方を学ぶことが楽しいんだ。

授業中、先生がロールキャベツについて少し話してくれた。
ロールキャベツはヨーロッパの料理で、特にドイツやポーランドなどでよく食べられている料理なんだそうだ。
それが日本に伝わり、和風にアレンジされて今の形になったとのことだった。
「料理にも歴史があって、その背景を知ると、食べるときの楽しみが増えますよね」
と、先生が微笑みながら話してくれた。
その言葉に、俺も大きくうなずいた。
放課後、俺は先生と少し話す機会があった。
今日はカレーの話やロールキャベツの話をして、改めて先生が物知りだということを実感した。
俺ももっと色んなことを知りたいなと思い、家に帰ってまた図書館に行ってみようかと考えた。

家に帰ると、母さんに今日の家庭科の授業や、先生が話してくれたロールキャベツの歴史について話した。
母さんは興味深そうに聞いてくれて
「今度は他の料理も調べてみるといいかもしれないわね」
と言ってくれた。
夜になると、また図書館で借りた本を開いて読んだ。
今日は錬金術の続きを読むことにした。
科学と錬金術、その境界にある知識がどんどん俺を引き込んでいく。
こうして、今日も一日が終わり、俺は少しずつ知識を積み重ねながら眠りについた。