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89 『生ジュース』は砂漠の真ん中のオアシスの様だった

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私はいま砂漠のど真ん中に佇んでいるのだ。
だが、なんでここに私がいるのだろう?
たしか『跡取りくん』の所へ野菜類と果物類のコンテナを受け取りに行ったはずなのに
なんでいまは砂漠のど真ん中なんだ?

あれはオアシスだろうか?
はたまたは、蜃気楼の果ての幻想だろうか。
私はそのオアシスに向かって歩いていたのだ。
オアシスは現存している様だった。
私は手に持っていた取っ手付きのコップを片手に
なんで持っていたのかも不明だ。
それでオアシスの水を汲み

飲む
私の喉を通る甘い水
それはそれは私の枯れ果てた喉を優しく潤してくれた。
そう『生ジュース』という名の『オアシス』が。

そして、幻想は現実の世界に私の精神を引き戻してくれた。
「は!?」
「どうしました!?」
俺はゾニルフさんに聞く。
「いま……私は『生ジュース』飲んで砂漠のど真ん中を歩いて『オアシス』を発見した」
「へ!?」
俺はゾニルフさんの言ってることが理解できなかった。
(何言ってるんだこの人!?)
と思ってしまったのだ。

だが他の3人は
「わかる!!それ!!」
というのだ。
(なんで分かるし!?)
「そういう幻覚が見えてしまっていたようだ」
「『生ジュース』で!?」
「うん!これはいい!実にいい!!これは商品化は出来ないか!?跡取りくんどうなんだ!?」
とゾニルフ会長は興奮気味だ!
そして俺の肩を物凄い程に揺らすのだ。

「あ、やめて……会長……駄目だって……これ以上は!!」
「!?……済まない……興奮しすぎた」
(はあ、もうちょっとで吐き気来るとろこだった)
ゾニルフ会長はこの『生ジュース』に光るものを感じたらしくいたくお気に入りである。
この状態であれは
商品化もいい感じではないだろうか。
「数量は限定になってしまいますが作れはしますよ」
「数量は限定か」
「ええ『生ジュース』なので鮮度を考えると瓶に詰めるのは当日でその日限定の出荷で販売するという形にするしかないですね。現状では」

会長は
「それでもいい!これは革命だよ」
と言うので
俺は
「なら俺は『日曜日の限定出荷販売』という風であればその日当日限定で瓶詰めしますよ」
と言ってみることにする。
さあ、この後の回答次第で会長が本気かどうかが分かるのだ。
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