上 下
61 / 363

61 我が君は色々と巻き込まれ体質のようです

しおりを挟む
(この者、冒険者か?)
メセタはいちゃもんを付けてきた者が冒険者だと思った。

だが私とユーミルは我が君の従魔。
本来ちゃんと教育の行き届いている冒険者は従魔と従魔では無い魔獣の区別くらいはつくはず。
となると単に馬鹿なだけか。
我が君はどのように対処するのであるか?

「何を言ってるんだ?俺はこの街に観光で来たんだが……それとこの魔獣は2人共俺の従魔だが」
「従魔だかなんだか知らんが魔獣を連れ歩く時点で悪意しかないんだよ!」
とおかしな展開になっていく。

(たしか従魔契約をしている人に対して攻撃をすると冒険者ギルド証明証を自動剥奪されてしまいますってメセタ言っていたよな)
これってこの人かなりいままずい状態では?

「お、落ち着いて下さい」
「うるさい!悪党!!覚悟しろ!」
と言って剣を俺に向ける。
(まじでこの人落ち着かせないとやばい事になるって)
街の人もザワついてはいるものの何もしない。
その冒険者は俺を剣で斬りつけ攻撃をしてきた。

「うわ!?」
俺は目を閉じ来るであろう攻撃にただ怯えるしか無かった。
だが、いつまで経っても攻撃は来ないし
痛みもない。
目を開けると
そこには、警備団の人らしき人が冒険者を取り押さえている状態だったのだ。

「大丈夫ですか?」
と他の警備団の人が来た
「ええ特には怪我とかはしてません」
先程攻撃してきた冒険者の胸辺りにあった
冒険者ギルド証明証が消えてなくなっていた。
冒険者は
「なんで俺の冒険者ギルド証明証が消えてるんだよ!悪党を討伐しようとしただけなのに」
「この男に指名手配書は出ているか?」
俺はそもそも『指名手配』されるような悪事は一切していない。

「出てない」
「冒険者ギルド及び商人ギルド規約禁止項目その5!従魔契約をしている者、無抵抗の者、または保護認定を受けている魔獣への一切の攻撃を禁ずる」
「は?何それ」
「尚、この規定、規約を違反した者は各ギルド証明証の自動剥奪システムにより証明証を剥奪するものとする……お前さんがこの男にしたことはこの項目に該当する」

すると冒険者の男はその場で崩れ落ち涙を流し
俺に謝ってきたのだ。
警備団の人達は
「謝罪もしっかりしているが反省できるなら逮捕はしないが……あんた次第だ。許せるか?許せないか」
俺に最終手段が来てるってことだよね
俺がもし心の小さい男なら『許さない』だったのかもしれないが
俺は『許せる男』になる必要も人生においてはあると判断する。
それがもし本当に彼が悪党であったとしてもね。

俺は彼を許したのだ。
冒険者ギルド証明証はこの場合は向こう3カ月間再発行出来ないらしい。
だがこれは俺のミスでもあるから
彼には
「俺も君に対して誤解を招く感じになっていたのは事実な訳だから俺からも詫びをさせて欲しい……例えば再発行出来るようになるまでの金銭を保証するとか」
「いやいや悪いのは俺だし……あんたは悪くないでしょ!?」

(うーん)
「だが、俺も……なら……俺の家の手伝いをして俺と一緒に住んでくれるならいいか?」
「え!?」
(ちょ!?我が君!?何言ってんの!!)
(わお!?嫁ちゃん……大胆すぎでしょ)
冒険者だった人は顔を真っ赤にしてる。
俺なんか変なこと言った?

まあ、成り行きだけど
冒険者だった人は俺の家で冒険者ギルド証明証の再発行が出来るようになるまで
お手伝いとして一緒に家に住む契約を結んだのでした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

キャンピングカーで異世界の旅

モルモット
ファンタジー
主人公と天女の二人がキャンピングカーで異世界を旅する物語。 紹介文 夢のキャンピングカーを手に入れた主人公でしたが 目が覚めると異世界に飛ばされていました。戻れるのでしょうか?そんなとき主人公の前に自分を天女だと名乗る使者が現れるのです。 彼女は内気な性格ですが実は神様から命を受けた刺客だったのです。

魔境へ追放された公爵令息のチート領地開拓 〜動く屋敷でもふもふ達とスローライフ!〜

西園寺若葉
ファンタジー
公爵家に生まれたエリクは転生者である。 4歳の頃、前世の記憶が戻って以降、知識無双していた彼は気づいたら不自由極まりない生活を送るようになっていた。 そんな彼はある日、追放される。 「よっし。やっと追放だ。」 自由を手に入れたぶっ飛んび少年エリクが、ドラゴンやフェンリルたちと気ままに旅先を決めるという物語。 - この話はフィクションです。 - カクヨム様でも連載しています。

悪役令嬢はもふもふ達に癒される(予定)

四紀
ファンタジー
前世で虐待を受けていた主人公が 悪役令嬢として異世界へ転生して 家族に溺愛されたり、精霊達や もふもふ達に癒されたり... ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 初投稿です!拙いとおもますが温かい目で見てもらえると嬉しいです! 亀更新になると思います... テンプレかな? (いろんなかたの作品を読ませていただいてるので似てるところもあるかもしれないです)

辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆ 気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。 チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。 第一章 テンプレの異世界転生 第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!? 第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ! 第四章 魔族襲来!?王国を守れ 第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!? 第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~ 第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~ 第八章 クリフ一家と領地改革!? 第九章 魔国へ〜魔族大決戦!? 第十章 自分探しと家族サービス

ぐ~たら第三王子、牧場でスローライフ始めるってよ

雑木林
ファンタジー
 現代日本で草臥れたサラリーマンをやっていた俺は、過労死した後に何の脈絡もなく異世界転生を果たした。  第二の人生で新たに得た俺の身分は、とある王国の第三王子だ。  この世界では神様が人々に天職を授けると言われており、俺の父親である国王は【軍神】で、長男の第一王子が【剣聖】、それから次男の第二王子が【賢者】という天職を授かっている。  そんなエリートな王族の末席に加わった俺は、当然のように周囲から期待されていたが……しかし、俺が授かった天職は、なんと【牧場主】だった。  畜産業は人類の食文化を支える素晴らしいものだが、王族が従事する仕事としては相応しくない。  斯くして、父親に失望された俺は王城から追放され、辺境の片隅でひっそりとスローライフを始めることになる。

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

全能で楽しく公爵家!!

山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。 未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう! 転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。 スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。 ※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。 ※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。

死霊王は異世界を蹂躙する~転移したあと処刑された俺、アンデッドとなり全てに復讐する~

未来人A
ファンタジー
主人公、田宮シンジは妹のアカネ、弟のアオバと共に異世界に転移した。 待っていたのは皇帝の命令で即刻処刑されるという、理不尽な仕打ち。 シンジはアンデッドを自分の配下にし、従わせることの出来る『死霊王』というスキルを死後開花させる。 アンデッドとなったシンジは自分とアカネ、アオバを殺した帝国へ復讐を誓う。 死霊王のスキルを駆使して徐々に配下を増やし、アンデッドの軍団を作り上げていく。

処理中です...