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ある朝の日。
しおりを挟む朝目が覚めると、私はまずため息をつく。細目で時計を見て、進み続ける針を睨みつける。部屋にはただ、時計のカチッという音だけが響いていた。窓の外の燦々とした太陽の光が窓から差し込んでくる。まるで私を突き刺しているようだ。頭が痛くて体が重い。体に鎖が繋がれているようで、ベッドから起き上がるのが億劫だ。体温を測ってもやっぱり平熱。ただ、学校を休む理由がほしいだけなのに。また1つ、溜息をついて体に力を込めて起き上がる。部屋から出てリビングのある1階に降りれば、ニュースが流れていた。皆笑顔で楽しい、嬉しいを強調しているみたいな。そんなテレビ。だんだん卑屈になっていく私に嫌気がさす。洗面台の鏡に映った私は、酷く醜い。眠れなくてどんどんはっきりとしていく目のクマ。今日はうまく隠せないかもしれない。トースターの音が鳴ってハッとする。朝ごはんを食べながら、時計を見る。時間が迫ってきていた。秒針が音を立てて進んでいた。乱雑に置かれて皺のついた制服を掴む。冷たい制服に袖を通して、靴を履く。
(今日も演じなくちゃ。)
家を出て、走りながら学校に向かう。信号で待っていると同級生が見え始める。学校に近づくほど、生徒の数も増えていく。
「凛月おはよ~!」
友達に大声で呼びかけられて振り向くと、友達が2人並んできた。私は口角をぐいっと引き上げて、大きな声で挨拶をする。
「おはよ~!」
私は元気で明るい凛月を演じるために、貼り付けの笑顔で今日も笑う。
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