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5 またモノクロに
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1 はづきの死
はづきが死んで、私はまた色が無くなってしまった。モノクロに戻ってしまった。
はづきのお葬式には悲しみのあまり行けなかった。動かない彼女ともう一度対面なんて、できなかった。
「はづ……き。ねぇ…行かないで…。待ってよ……ねぇ…ねぇ……。」
はづきが死んだと言うのに、クラスや学校は前より元気だった。まるで、彼女が死んで清々したとでも言うかのようで。それが辛くて学校には行くことができなかった。
ベッドでうずくまりながら、息をするだけの生命体。そんな私は全く眠る事なんてできなかった。でも、いい加減、限界が来て眠ってしまった。
「ここは、夢…………か…。」
また夢に来てしまった。けれど、どうでもいい。彼女に会えないのなら、生きて笑っている彼女に会えないのならもう、どうでもいい。
「みづきちゃん。」
「…!!はづき!!!」
はづきだ。あのはづきなのだろうか。夢の中ではづきの声がした。
「みづきちゃん、ごめんね。置いていっちゃって。でもね、私のせいでみづきちゃんが殺人を犯してしまいそうだったから。止めれたのなら。私の、人に迷惑をかけるだけの人生にも意味、あったのかな?」
「そんな、迷惑なんて……!」
「迷惑、かけてたの。皆に。それにみづきちゃん。あなたにも迷惑、かけてたの。私のせいで、みづきちゃんを変えてしまった。ごめんなさい。」
「はづき…………あなたは悪くない。たとえ、あなたが私に迷惑をかけていたとしても、それでも、私はそれを迷惑だなんて思わない。むしろ、たくさん話しかけてくれて、嬉しかったの。」
「みづきちゃん…!こちらこそありがとう…!!……ううん、みづき!!」
2 夢の終わり
「みづき、もうお別れ。夢も終わり。」
「…!はづき…!そんな、もう会えない…のかな…。」
「大丈夫、みづき!!きっと会えるよ!!またね、みづき。私のーーー」
「え、今なんて…!!」
「あぁ…戻ってきちゃった。……うぅ、はづき…!!会えるわけ…ないよ…!!もう2度と会えない……。」
私はそんな"事実"に涙をポツリと流した。
「そういえば……はづき、あの時なんて…言ったのかな……?うぅ…思い出せない…。大事なことのはずなのに……。」
それから私は、学校に通い始めた。彼女に夢で会えたことで、私は光を取り戻した。でもまだ、世界はモノクロで、やっぱりつまらなかった。今日は何か夢を見られるだろうか。私はそんな願いを考えながら、眠りについた。
「また会ったね!みづきちゃん!」
「わぁ!いつも驚かせるなぁ…。」
驚かされることには頭を悩ませたが、願いを叶えてくれるというこの謎の少女はとても気になっていた。
「ねぇ、あなた……誰…?」
「……知りたい?私の秘密。代償は……まぁ、いいや。初回は"あなただから"許してあげる。」
"あなただから"…?それはいったいどういうことなのだろう。
「ふふっ、教えてあげる。私はね、あなたの姉にあたるかな。」
「え…?姉……?」
はづきが死んで、私はまた色が無くなってしまった。モノクロに戻ってしまった。
はづきのお葬式には悲しみのあまり行けなかった。動かない彼女ともう一度対面なんて、できなかった。
「はづ……き。ねぇ…行かないで…。待ってよ……ねぇ…ねぇ……。」
はづきが死んだと言うのに、クラスや学校は前より元気だった。まるで、彼女が死んで清々したとでも言うかのようで。それが辛くて学校には行くことができなかった。
ベッドでうずくまりながら、息をするだけの生命体。そんな私は全く眠る事なんてできなかった。でも、いい加減、限界が来て眠ってしまった。
「ここは、夢…………か…。」
また夢に来てしまった。けれど、どうでもいい。彼女に会えないのなら、生きて笑っている彼女に会えないのならもう、どうでもいい。
「みづきちゃん。」
「…!!はづき!!!」
はづきだ。あのはづきなのだろうか。夢の中ではづきの声がした。
「みづきちゃん、ごめんね。置いていっちゃって。でもね、私のせいでみづきちゃんが殺人を犯してしまいそうだったから。止めれたのなら。私の、人に迷惑をかけるだけの人生にも意味、あったのかな?」
「そんな、迷惑なんて……!」
「迷惑、かけてたの。皆に。それにみづきちゃん。あなたにも迷惑、かけてたの。私のせいで、みづきちゃんを変えてしまった。ごめんなさい。」
「はづき…………あなたは悪くない。たとえ、あなたが私に迷惑をかけていたとしても、それでも、私はそれを迷惑だなんて思わない。むしろ、たくさん話しかけてくれて、嬉しかったの。」
「みづきちゃん…!こちらこそありがとう…!!……ううん、みづき!!」
2 夢の終わり
「みづき、もうお別れ。夢も終わり。」
「…!はづき…!そんな、もう会えない…のかな…。」
「大丈夫、みづき!!きっと会えるよ!!またね、みづき。私のーーー」
「え、今なんて…!!」
「あぁ…戻ってきちゃった。……うぅ、はづき…!!会えるわけ…ないよ…!!もう2度と会えない……。」
私はそんな"事実"に涙をポツリと流した。
「そういえば……はづき、あの時なんて…言ったのかな……?うぅ…思い出せない…。大事なことのはずなのに……。」
それから私は、学校に通い始めた。彼女に夢で会えたことで、私は光を取り戻した。でもまだ、世界はモノクロで、やっぱりつまらなかった。今日は何か夢を見られるだろうか。私はそんな願いを考えながら、眠りについた。
「また会ったね!みづきちゃん!」
「わぁ!いつも驚かせるなぁ…。」
驚かされることには頭を悩ませたが、願いを叶えてくれるというこの謎の少女はとても気になっていた。
「ねぇ、あなた……誰…?」
「……知りたい?私の秘密。代償は……まぁ、いいや。初回は"あなただから"許してあげる。」
"あなただから"…?それはいったいどういうことなのだろう。
「ふふっ、教えてあげる。私はね、あなたの姉にあたるかな。」
「え…?姉……?」
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