あなたの姫にはなれないとしても~幼なじみに捧げた求めぬ愛のゆく先は

あなたが想いを寄せる人が街を出た日、私たちは初めてキスをした
あなたが変わらず想い続けた人の婚約を知った夜、私はあなたに抱かれた

好きな人は私の従姉を愛している――
エマは幼なじみであるルークに長年片想いをしていた。
しかしルークが想いを寄せているのは従姉のリュシエンヌだった。
エマ、ルーク、そしてリュシエンヌの弟であるテオが十四歳を迎える年、リュシエンヌは貴族相手の愛人になるため王都へ赴くことになった。
エマは失意のルークとテオを激励してリュシエンヌの身請け代を稼ぐことを提案。
エマがリュシエンヌを助けたいと思うのは大切な従姉だからという他にルークのためでもあった。
忙しい両親に変わり弟妹の世話や家事で押しつぶされそうになっていた幼い頃、優しくしてくれたルークに恩義を感じ、彼の願いを叶えたいと考えたからだ。
学生の身で大金を稼ぐためやむなく危険な仕事に手を染めていく三人。
ルークとテオが学内で秘密裏に酒や麻薬の密売、デートクラブや賭博場の運営をして稼ぐ傍ら、エマは彼らの学校近くの病院で奉仕活動をしながら二人をサポートする日々を送る。
協力し合う中、エマとルークの絆も深まるが、ルークの想い人はあくまでリュシエンヌ。
彼女を救うために危険をかえりみず何でもする覚悟のルークの無私の愛を見習い、エマもまた恋心を秘めて彼の役に立とうとするのだった。
そして月日が経ち目標金額までもう少しとなった頃、リュシエンヌの婚約の知らせが届く。
リュシエンヌとその婚約者と顔を合わせた日の夜、ルークとエマは二人きりの慰労会をする。
リュシエンヌの喪失を忘れるために、エマは必要以上におどけてみせるが、それは共通の目的をなくしルークとこれ以上一緒にいられないかもしれないという恐れのせいだった。
酒杯を重ね、ほろ酔いになるとルークとの距離が近づく。
甘えてくるルークを受け止めるうちに色めいた雰囲気になり、エマはルークの寂しさに付け込んでいると自覚しながら彼と一夜を共にする。
大学の卒業を控えるルークに遠慮して会う機会を減らすエマだがやがて体調不良を自覚して……
妊娠の可能性に思い至り、ルークの迷惑になることを恐れ町を出ることに決めたエマだったが……?
24h.ポイント 7pt
0
小説 35,395 位 / 193,581件 恋愛 15,900 位 / 58,435件

あなたにおすすめの小説

あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます

おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」 そう書き残してエアリーはいなくなった…… 緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。 そう思っていたのに。 エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて…… ※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。

記憶がないなら私は……

しがと
恋愛
ずっと好きでようやく付き合えた彼が記憶を無くしてしまった。しかも私のことだけ。そして彼は以前好きだった女性に私の目の前で抱きついてしまう。もう諦めなければいけない、と彼のことを忘れる決意をしたが……。  *全4話

【完結】私の婚約者(王太子)が浮気をしているようです。

百合蝶
恋愛
「何てことなの」王太子妃教育の合間も休憩中王宮の庭を散策していたら‥、婚約者であるアルフレッド様(王太子)が金の髪をふわふわとさせた可愛らしい小動物系の女性と腕を組み親しげに寄り添っていた。 「あちゃ~」と後ろから護衛のイサンが声を漏らした。 私は見ていられなかった。 悲しくてーーー悲しくて涙が止まりませんでした。 私、このまなアルフレッド様の奥様にはなれませんわ、なれても愛がありません。側室をもたれるのも嫌でございます。 ならばーーー 私、全力でアルフレッド様の恋叶えて見せますわ。 恋情を探す斜め上を行くエリエンヌ物語 ひたむきにアルフレッド様好き、エリエンヌちゃんです。 たまに更新します。 よければお読み下さりコメント頂ければ幸いです。

あなたの愛はいりません

oro
恋愛
「私がそなたを愛することは無いだろう。」 初夜当日。 陛下にそう告げられた王妃、セリーヌには他に想い人がいた。

【完結】殿下は私を溺愛してくれますが、あなたの“真実の愛”の相手は私ではありません

Rohdea
恋愛
──私は“彼女”の身代わり。 彼が今も愛しているのは亡くなった元婚約者の王女様だけだから──…… 公爵令嬢のユディットは、王太子バーナードの婚約者。 しかし、それは殿下の婚約者だった隣国の王女が亡くなってしまい、 国内の令嬢の中から一番身分が高い……それだけの理由で新たに選ばれただけ。 バーナード殿下はユディットの事をいつも優しく、大切にしてくれる。 だけど、その度にユディットの心は苦しくなっていく。 こんな自分が彼の婚約者でいていいのか。 自分のような理由で互いの気持ちを無視して決められた婚約者は、 バーナードが再び心惹かれる“真実の愛”の相手を見つける邪魔になっているだけなのでは? そんな心揺れる日々の中、 二人の前に、亡くなった王女とそっくりの女性が現れる。 実は、王女は襲撃の日、こっそり逃がされていて実は生きている…… なんて噂もあって────

【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜

なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」  静寂をかき消す、衛兵の報告。  瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。  コリウス王国の国王––レオン・コリウス。  彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。 「構わん」……と。  周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。  これは……彼が望んだ結末であるからだ。  しかし彼は知らない。  この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。  王妃セレリナ。  彼女に消えて欲しかったのは……  いったい誰か?    ◇◇◇  序盤はシリアスです。  楽しんでいただけるとうれしいです。    

あなたの子ですが、内緒で育てます

椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」  突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。  夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。  私は強くなることを決意する。 「この子は私が育てます!」  お腹にいる子供は王の子。  王の子だけが不思議な力を持つ。  私は育った子供を連れて王宮へ戻る。  ――そして、私を追い出したことを後悔してください。 ※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ ※他サイト様でも掲載しております。 ※hotランキング1位&エールありがとうございます!

もう、いいのです。

千 遊雲
恋愛
婚約者の王子殿下に、好かれていないと分かっていました。 けれど、嫌われていても構わない。そう思い、放置していた私が悪かったのでしょうか?

処理中です...